ターコイズブルーの靴を履いた魔女、逝く。
どうしても、逝かれるんですね。貴女ほどの魔法使いであれば、永遠の命だって可能でしょうに。ボクを残して見捨てて、貴女は楽になるのですね。
「君が私のところに来るのはまだ早すぎる。いいかい? 君の生きる目的はなんだった?」
「貴女と共にあることです」
「コラ、違うだろう」
言葉とは裏腹に、とても優しく頭を撫でてくる。ボクの方が背が高いから、綺麗なターコイズブルーの靴でつま先立ちをして。
「君が私のところに弟子入りしたとき、どうしても手にしたい魔法があると言ったね」
「……はい」
「石像化を解く魔法」
コクリと頷く。
「私たちはそれを得た」
「そうです、その代償に貴女は逝ってしまう」
解除魔法に対価が必要だなんて、貴女は教えてくれなかった。
「私は元々往く宛のない旅をして呆けていた。そんなつまらない旅路に色をつけてくれたのは君だ。何も惜しい事はない」
ああ、神様。なんて意地悪なのですか。石像化された初恋の人を助けたくて出た旅なのに。ボクは欲張りだから、もうこの人のいない人生は考えられない。愛なんて超えて、ボクは貴女の靴と同じ色の瞳から足の爪まで隅々余すことなく躰に取り込みたいというのに。
「じゃあね、初恋の人によろしく」
貴女は最後までボクの初恋の人の名前にすら興味を持ちませんでしたね。
主人公は、今度は師匠のもとへいける方法を探す旅に出てしまうかもしれません。
焦がれるターコイズブルーの靴と、その色の瞳を見つけに。




