4話 〜お通し〜
「ミナ〜揃った?」
「あ、キョウ。まだぁ、サトシは今日は来れないってさ。もうマチダでいいっしょ?」
えーマチダかよ!
と拗ね気味なのは、そう私キョウでーす。
26歳。自己紹介は明るくね!
「仕方ない。で、どこにする?魚も和も空いてないよねー?」
「うん、あっちの店は?あれなんて言ったっけ?」
名前出てこない奴ね?
『オカンが忘れてもうた』
て、あのおもしろいヤツね、はいはい。
そしてノープランに歩く私とミナ。
「あれ!?こんな店あったっけ?」
なになに?何を見つけたのミナ。
「ホントだ。無かったよねこんなの」
知らない知らない、初めて見たよぉ。
「お、そうだな。俺も見たことない。つーか昨日有ったっけ、ここに?」
後ろから被さるようなマチダ。
その距離感が嫌なんよねぇ。
「ま、行ってみよっか?なみのりだって」
その軽さは良きよ、よき。
ここかあ?と全員が思っただろうけど、開けますよーっと。
何とも軽いドアを開けると、そこは……
「ん!?なみのりだよね?波乗り」
目が点の私たち。
看板の爽やかさからは想像もつかない、平均年齢。
「これみんな常連とかじゃね?」
遠慮のないマチダの声。
あー、それもウザっ。
まあ、奢りのため奢りのため。仕方なし!
「何名様ですか?」
店主らしき男の笑顔は、まあ何とか合格かな?
「あ、4人です。後で1人」
「分かりました。奥の座敷でもいいですか?」
言いつつ歩き出す店主。
「嫌っつったら他にあるのか?なぁ」
いや、いいからマチダお前は、だーてろ!!
ミナの顔を見て、
「次はないからね!」
と念を押すまでもなく頷くミナは、一心同体、少女た……んっうん、母親の影響かな?
私は決して歳を誤魔化したりしていないからね!
2つの座卓をくっつけて4人席。
そして、なに呑もっかなぁ〜?
て、ん!?
「生。生ね生、ナマ!」
だーかーら、黙れってーのマチダ。
お前が言うとシモに聞こえんのよ。キモいのよ。
「すみません、うちは瓶なんですよ」
ハイッ、もうその下品は封印っと!
「えー!?生じゃないの」
だから、じゃないのじゃなくてぇ、生は出来ないの!じゃなくて無いの!
あっぷねぇー。
アウトか?心を読むんじゃ無いよミナ。
今は一心同体は、無しね無し梨。
果物に変わっとるやん。
かんぱーい。
結局、瓶でもなくレモンサワーが今日の取り敢えずね。
そして、コウちゃん登場ぉ、わぁ〜い!
でも、も少し早く来ようよ。
そしたら乾杯間に合ったのに?
て、まいーか。
「も1人様は何にします?」
と、お通しを持って来ながら柔らかい女将さんの声。
まだ飲んでもいないのに顔を赤くするコウちゃん、嫌い!
私だけ見てろよぉコウちゃ〜んやーい。
でも愛嬌、愛嬌。
「うわぁお通し美味しそう。みんな一緒?コレ」
どうよ私の笑顔は可愛い?
「えー?お通しなんて要らねぇよぉ、ていつも言ってんじゃんキョウ」
おーい、ミナちゃん。
ダメでしょ?今は黙っとけ、もしくはマチダと喋っとけよっ!
「おお、うめぇなこれ。なんて言うんだコレ」
うっせぇてんだろマチダぁ、まだ分かんねえのか?
「え、どれどれ?俺のにはないよ」
きょろきょろコウちゃんもグーっよ。
「あ、ホントだ、ねぇなあ。お?キョウのに入ってる。貰っちゃえば」
ん、何か良きかも、今のはマチダ。
キッカケ、キッカケね。
「いや悪いからいいよ」
えぇ”貰ってよぉ〜。
「すいませーん、ウーロンお代わりー」
お前はレモンサワーだろマチダ。
て、コウちゃんのか?
「もっと呑んで、アーンとかしてもらえよ」
ニヤけるマチダ、キメーけど、今はやっぱしgooよグー。
「はは、そうだな、してもらいたいかな?」
きゃーキタキタキターっ!
「あ、コウちゃん私と歌お、次入ってるから」
「お?いいよミナ。久しぶりだな」
あー結局、帰りのタクシーに乗せてくれたのはマチダか……
今日も冷えるわー
完




