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居酒屋なみのり  作者: マメ
居酒屋なみのり2

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10話 〜ご都合主義〜


「え?いやウチはそういうのいいです」


「そこを何とか……」


「いや、ちょっとシツコいねアンタも」


何だろ?ノリちゃん。



バタン。


「やっと帰ったよ」


「なんだったの?」


「『今どきっ商店街!』とか何とか言ってさ?何だそれっ」


「え!?断ったの?まさか……」


「は?何で、何なのそれ?」


はぁ〜、この男はまったく……


「テレビ番組よ、日曜の夕方にやってるやつ」


「夕方?日曜〜」


アンタは休みの日も呑んだくれて、夕方にはとっくに寝ているからね!



「え、店長も知ってんの?」


「え、まあ、カミさんたちが見てるかな?」


「うそぉ?そんな有名な番組なの?」


「マスター、売上倍増だったわよぉ?もっととかぁ?」


「マジかっ!モエ連れ戻して来いっ!」


「分かりましたっマスタっ、、、て、嫌ですよさすがにぃ」


そりゃそうだ。



「いや、要らねえ。そんなん来て客増えたら、みんなの席が無くなっちゃうじゃん」


「おお、ノリさぁん。ええ人やの?」


シンヤくん、、、お前はいつから関西人?


「そおですよぉ、ノリさんは私たちを大事にしてくれるマスターなんですから」


アユミちゃん、アンタ男を見る目が——ないのね?


やっぱし、、、哀愁。


「そうそう、みんなの言う通り、マスターはいい人。そしてカッコいいっ!」


て、おいアサミ、言いながらグラスを寄越すんじゃないよ?



お前の魂胆見えみえだよ!


マサくんに言ってやるぞぉ〜。


「ちらッ、ナミちゃん、チャック、チャック!」


て、ん?アサミ今の聞こえていたの?


漏れてたぁ?


てゆーか、お前の今のちらッは口で言ったよな?これ見よがしにな。


アユミちゃんまでな!それやっていいのは、、、



「女将さぁん、ちゃんとオーダーやってます?ブツブツ言ってないで」


ムカつくぅ、アサミぃ〜。何だ今日のお前はぁ?


勘が冴えてるのか?


それともマジで心の声が漏れているのか?


私は……


ま、ホントだ、ちゃんと料理しないと。


ちょっと待って!?


アサミに誘導されてキャラ変わってない?私、、、




「アサミぃ〜、ちょっとこれ味見してくれなぁい?」


「あ、はいはーい。ナミちゃん」



「あ!?ナミのヤツ怒ってるな?」


「え?そうなんですか、マスター?」


「見ててみ」


「どれですかぁ?ナミちゃん」


「これ試してみて、新作のつけダレ」


「うわぁお肉だぁ、いただきまぁーす」


どう?アサミちゃん、私を揶揄った味は?


「え!?美味しい。すごっ」


は?そんなぁ!?


「ナミちゃん私が辛いの得意なの忘れたんですかぁ?お客さんの好み覚えている人が……」


あ、そうだった?


コイツ……バカ舌だった。


「あ、因みにぃ、辛いの得意とバカ舌は別物ですからね!言っておきますが」


またぁ?読まれてる?


ダメ、私!操られたらお終いよ?



「分かった、認めるわ。今日は負けよ。何か奢るからもう私を操縦しないで」


「う〜ん、潔いなぁ?しかし、操縦って……」


店長、アンタも小さい頃は見ていたでしょ、合体するロボットアニメとか?




「ヤッタァ、ナミちゃんに初勝利ぃ!」


はいはい、いいわ今日はもう。


「あ?で、ナミちゃん、今のタレを付けたお肉をさぁ、さっきの商店街メシのコーナーに出して貰えばいいのに?」


いや、青唐辛子効きすぎだから、今のはっ?


「え!?商店街メシって、さっきの番組だったの?」


「知らなかったの?マスター」


「うん、アレは好きなんだよね?ヤバっもっぺん追っかけて探してくるわっ」


「客増えちゃうよ?」


「売上もね!ノリちゃん」


「あ!?そしたらポルシェ買えるか?ポルシェ!」


「て、ええ!?俺たちの席確保はぁ?」



「そんなの知ったことかぁ!」


て、


お〜いっ、おち……じゃなくて、



ノリちゃん、そんなんじゃお客さん減っちゃうよぉ〜!



     

             完



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