2話 〜えんぎもの〜
「マスター、おかわりぃ」
「はいよ!」
と、元気のないオーダーに、ハキハキと答えるマスター。
元気を分けようとしているみたいな感じかな?
で、俺はマサユキ、37歳。
初登場ですが、噂話などでは2,3度登場していますがね。
「マスター、あの人どうしたんですか?」
「ああ……明日から仕事なんだってさ」
「それでカズヤさん暗かったんですか」
そういうことでしたか?
「ほら、カズヤくん、これ食べて元気出して。明日から頑張んなっ」
「あ、あ〜女将さん。もういいんすよ。会社辞めよかな」
あちゃあ、そこまで落ち込んでいたんですか?
「はは、また始まったカズヤの愚痴大会」
え!?店長?
そんな可哀想なこと……
「恒例、恒例!今年は何を言い出すかな?」
マスターまで?
毎年そうなの……
「はは、悪いわよアンタたちそんな、ほはほぉ」
て、ピンちゃんまでそんな笑って……
「もお、みんな煩いっ。人を馬鹿にして、お、お前らアイツと同じだろ?」
あれ?
カウンターまで聞こえていたんだ?
「え!?カズヤさん、みなさん心配していましたよ?」
「嘘つけっ、いつも人を……笑い物にして、マサユキっ、お前も俺を見下してんだろ?」
ええェ?
いつもニコニコして、『マサくん』て呼んでくれていた、あの……お兄さんはどこへ?
「あ、いやカズヤさん……」
て、え、何?店長、俺の足を蹴って。
「いいって、ほっといてやりな、そんなに客もいないんだから」
「あ、そうですけど……」
「ほら、ナミちゃん見てみ?」
あ、ホントだ、シカトしてる。
てゆーか流してる?
「はい、茄子チーズと焼そばね」
「あ、女将さんありがとうございます」
「そう言えば、マサユキくん?」
「え、何ですか?」
「今日は一緒じゃないんだ?」
「ああ……はい。友達と出掛けるとかで?」
「ハハハ、アイツ本当に友達いたんだぁ」
「ね、ね、俺もそう思った」
「コラっアンタたち、ふふふ」
はは〜、楽しそうぉ、人の彼女で。汗
「も〜う、ここにこんないい女が居るのに、マサユキくんたら」
あはははっ、ピンちゃんて幾つなのかなぁ〜?
母親より上ですよね〜?
「しかし、縁ていうのは分からないね」
今度は何、マスター?
「そうだよね。ここで出会わなくて、1回行った別の店で会うんだもんね?」
「まぁ、そうですね。不思議ですね?お互いココの常連だったなんて」
たまたま曜日や時間のすれ違いが重なってたなんて……
「ねぇ、もう俺の年3イベは終わりっすか?」
何、そのイベントて?
「何だ、今年はもう復活したのか?カズヤ」
「はぁーい、はぁーい、次はゴールデンウィークね、はぁーいおしまーい」
うわぁ、こんなヤル気のないピンちゃんを初めて見た。
て、その次は盆休みかぁ?
「ち、何だよ?みんな冷たいなぁ?」
カズヤさん、今度からあなたのことは、カズヤくんと呼ぶこととします。
「あ!?ねぇ、2人がずっとここで出会えなかったってことはさぁ……」
何々、女将さん。
何か思いついたんですか?また悪巧み。
「あっ!そっかぁ?カズヤ、その上司ここに連れてこいよ」
そんな事してどうするんですかマスター?
「あんな奴と酒なんか飲みたくないよぉ」
まぁ、そうでしょうねぇ。
「だからさぁここはね、不縁の社なんだよ。だから縁が切れるかも?」
ええェ?
女将さん、それだと俺とアサミは一緒に来れませんよ?
完




