17話 〜ありがとう〜
「明日はサービスでお酒だすからね」
「分かりました」
年の瀬。
もう年内最終を迎えるとなると、昨日までとは違った格別な寒気が襲う——そんな気がした。
「今年も終わりだな」
そうねぇ、嫌なこともあったけど、今となってはいい一年だったかもね、マスター。
ありがとうね。
「さぁ、今日も張り切って行きますよ!居酒屋なみのり」
私は女将、今日は常連さんと今年最後の晩餐。
1年の感謝を込めて、楽しく呑んで欲しいと思い、色々なお酒と肴を用意しました。
「今年もありがとうね。ゆっくりしていってね」
「おお、女将さんありがとう。良かったですよ、今日来て」
「いつも来てくれるから、ほんのお礼ね」
何事もなく今日1日が終わりますように!
「いらっしゃいませ」
「いらっしゃいませ」
ん?何か忙しいね急に。
あぁ、他はもう休みなのか?
ま、嬉しい悲鳴、そう今年最後の悲鳴てことでね!
「ありがとうございました」
最後のお客さんのお見送り、ふぅ〜疲れたぁ……
そして、スイッチオフ!
タァーンオバァー!
まだ21時だけど、閉店時間ではないけれど、
オフ!オフ!オフ!
看板の灯りを消すとぉ〜、
私に漲るパワーっ!!
鍵閉めよしっ!
さあ!呑むよ、常連さん。
隠し置いた特上品の馬刺し!
堪能しちゃって、今年最後の感謝祭よっ!
「女将さん、コレなに美味すぎ!塩で食べないとダメな奴」
「そうだよね?好みだけど塩もいいね」
そうでしょ、熊本の知人が送ってくれたのよ、コレ。
私たちだけで食べてもいいけど、みんなで食べるのが——また美味しいのよぉ!
「いやあ、このリンゴなんですか?ジューシーで甘い」
「ああ、青森の友達からいただいたの。
みんなに食べて欲しくて」
「女将さん、ありがとう。独り身の年の瀬には沁みるわぁ」
モエ、お前は可愛いんだから早く男でも作れよ。
私のイチオシだよ。
「いやぁ、こんなに美味しいお酒と刺身。最高ですね?」
「十文ちゃん、今日も笑顔が輝いているね」
「そうだよ、番頭も見習ってよ」
「へ、ノリちゃんそんなこと言っていいの?」
あ”?
「おまっ、俺の名前呼ぶなっていっただろ?」
「へへ、いいだろ、今年も終わりなんだし。細かいこと言うなよ」
「まぁ、まぁ、2人とも最後に争わないの、店長も」
「あぁー、十文ちゃん!?俺、番頭てことに設定してあったんだけど……」
だから、みんな落ち着いて!
「ナミちゃん1人で蚊帳の外みたいに?そんなの許さないよ!」
「あぁ、私の名前言っちゃったぁ?店長サイテぇー」
「いや、いいでしょ、もう最終回だし」
じゃあ言っちゃうよ、オカ……
「ナミちゃん店長で止めといてお願い」
「分かったわよ店長。それはやめにして、今日は感謝の気持ちだから、呑も」
「はーい、ナミさぁん私もいただきまーす」
「アユミちゃん。まだあるから遠慮しないでね」
「ああー、ありがとうナミさん」
「て、アサミには言ってねぇんだよ」
「マスター酷いっ、最後なのにぃ」
「へへ、ありがとうなアサミ」
「歌っ!誰か歌え」
「ノリちゃん今日も酔ってるね」
「本当なのよ、でも、嬉しいんでしょ?いつもみんなが来てくれて」
「いや、こちらこそありがとう。美味しかったですよ。ナミさん」
「十文さんが来てくれて良かったわ。来年もよろしくね。店長の相手」
「ええ、それはちょっとぉ〜」
「うるせぇ、来年も俺たちがいるからなぁ、ノリちゃん」
「そぉーだよ店長。コイツら抜きで行くぞ来年は、な!」
「ほぉ、やってみろよ!マスター。できるもんならならな!」
そうは言っても、ありがとうねノリちゃんも、みんなも——
そして、読んでくれた方々、ありがとうございました。
良い年を迎えましょう。
来年も宜しくね。
そして、第2シーズンもやりますっ!
そうだよな、マメ?
第2シーズンは、もうちょっと真面目に……
無理だね。
完
ダラダラとしていたら、17話まだ来てしまいました。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
また、酒の席にお呼ばれさせてもらいますので、その時は宜しくお願いします。




