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居酒屋なみのり  作者: マメ
居酒屋なみのり1

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14話 〜ナフタリン〜


「クンクン、すぅーはぁぁ」


「何やってんだお前?」


んん?


よくぞ聞いてくれましたマスター。


「いや〜あのね、やっと私にもね……」


「あ、いいやもう。はいはーい」


て、おい!聞けや。


「えーと、唐揚げとナポリタンですね?」


ちゃんと仕事もするのねマスター。


えらいえらい。


しかし、この匂い幸せ〜。


「いつまでやってんだお前。ホントにキメェな!」


ムカツカないもーん。


残念でしたぁ。


「なになに、アサミちゃん。随分嬉しそうだね」


おっ、来たね番頭さぁん。


網にかかったわね!


今日だけはいいよ寄ってきても……それともそっちに行こうか?


私の話聞きたいでしょ。



「あれ?マスター牛乳飲んだ?」


「あ!?いけね、そうだった」


「あー、買ってきて、今」


え!?何で私を見るのマスター。


「ゴー!」


ええっ、私ってここのバイトさぁん?


「クラム要らない?」


女将さんまでぇ、欲しいけど私ぃ〜?


いや、違う。


今の私は幸せなんだ。


そうよ、ボヤくと逃げていくわっ、


アイツは——



「あれ?随分と素直に行きましたね?アサミちゃん」


「ホントだね。イヤっ!つったら番頭でも行かそうと思ったんだけどね?」


「ま、マスター?俺ここの番頭じゃない……よ?」



「ただいまぁ」


はい、牛乳っと。


「あ、ありがとう。領収書は?」


あ、女将さん……


「え?要りました?要りますよね、そうですよね。ふふふ」


「お前の自腹な、そんでこの俺の酒もお前につけとくからな!」


「そんなぁ?マ……」


ん?


何か探ってない、その目は?


私がなぜ文句を言わないのか?


それが今のあなた達の——


て、ポーズを決めてもしまらないか。汗



「ははぁーん。マスター本当は聞きたいんでしょ?」


「何を?」


「いいわ、そんなに皆さんが聞きたいなら言うわ。仕方ない」


「お!遂に、遂に真実に迫るんですね?」


おお、何か今日の番頭さん一味違うぅ〜、こっち寄りよね?


「ちょっと話しといて。俺トイレ行ってくるから」


番頭、て、てめぇ、裏切んのか!?


ごめんなさい言い過ぎました。


「誰もお前に興味無いってよ」


くそっ、お前ら覚えてろよ。


そして、聞いて驚くなよ。



「はぁ、スッキリ……ん?もう話は終わった?」


キョロキョロ見回して、そんっなに私に興味がないのか番頭。


「ムカツカくぅ、、さすがに」


「分かった、聞くからもう一杯いい?」


たかるなマスター、でも聞いてくれるならいいよこの際。


「じゃあ話しますよ」


「あ、ちょっと待って作ってくるから、でもいいや、話しててもいいよ」


「いや、待ってます!マスター」


スマホ見ても助けは来ねぇよ、番頭さんよぉ。


「お待たせ〜、仕方ない聞かせてもらおうか?」


「つまんなかったら、俺も一杯もらえるのかね?」


いいよ番頭。


なんなら、おめでとうの一杯を奢りたくなるようにさせてあげましょう。


逆になっ!


「ふんふん、はあ?いい匂い」


「だから何なんだよさっきから服の匂い嗅いで」


かかったなマスター。


「実は昨日ね、お泊り……」



「出来たよ〜、クラムチャウダー。寒いからみんなで食べよぉ」


「ああ、ママちゃん美味しそう。そんで、いい香り」



て、女将さ〜〜ん、タイミング悪ぅ〜。


「で、何だっけ?お前の匂いの話」



「ふんふん」


何!?女将さん、顔近づけてきて……




「アサミ、ナフタリン臭いな」



ええ〜!?



        

             完





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