表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/212

かんな、実はここに、、、、、、

無理

かんな、実は、、、、、、、ここにいた!?

りゅうとは混乱していた。

かんなはさっき、炎に包まれて宿にリスポーンしたはず。

なのに――なぜ、クロもグランファリーさんも笑っている?


(え……なんで? かんな、いないはずだよな……?)


その時、クロがぽつりと口を開いた。


「りゅうと、かんな、ここにいるクロよ」


「は? いや、そこには誰も……」


「そうですよ」


りゅうとは目を凝らす。

クロが指差した先には、何もない。

空気しかない。

完全に“空っぽ”だ。


「……おい、意味わかんねぇぞ」


するとクロが、さらっと言った。


「あ、そうだったクロ。りゅうとはバカだから分からないクロね」


「バカじゃねぇし! でも……教えてくれよ」


素直に頼むと、クロは得意げに答えた。


「かんな、実は透明になってるクロ!」


「透明!? どういうことだ? このゲームに透明魔法なんて……」


りゅうとは考え込む。

透明魔法なんて、どこにも書いてない。

攻略記事にも、公式サイトにも。


(そんな魔法、存在しないはず……)


もう一度、確認するように聞いてみる。


「なぁ、嘘はほどほどにして、本当のことを教えてくれ」


するとクロは、首をかしげながら言った。


「え? 嘘じゃないクロよ?」


「だって、公式サイトにも“透明魔法は存在しません”って書いてあったぞ!」


その時、グランファリーさんも静かに言葉を添えた。


「サイト? 何か分かりませんが……かんなさんは、確かにここにいます」


「グランファリーさんまで……!」


りゅうとはさらに混乱する。

からかわれてるのか? それとも本当に……?


頭をフル回転させて考える。


(グランファリーさんが“すべての魔法を使えるようにした”って言ってた。でも、透明魔法はそもそも存在しない。なら……かんなが自分で生み出した?)


(いや、そんなこと……でももし、本当に使えてるなら……)


りゅうとは、思い切って叫んだ。


「かんな! いるなら返事しろ!」


……シーン。


返事はない。

聞こえるのは、外からのセミの鳴き声だけ。


(やっぱり……いないのか?)


そう思ったその瞬間――


「ここだよ」


 そんな声が近くから聞こえた。


無理

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ