グランファリーさんの金銀財宝が凄すぎた!?
無理
グランファリーさんの金銀財宝
かんなたちは緊張していた。
金銀財宝――それはゲームの中でも屈指の貴重品。
本当にそんなものをもらってしまっていいのだろうか。
すると、グランファリーさんの声が響いた。
「かんなさん〜」
呼ばれて、かんなは慌てて駆け寄る。
グランファリーさんは、パンパンに膨らんだ袋を抱えていた。
「えっと……その袋は?」
「これですか? 金、銀、ダイヤモンド、魔法の杖、それに――」
「いやいや、ちょっと待ってください!? そんなに持てません!」
かんなが慌てると、グランファリーさんは微笑んだ。
「大丈夫です。この袋は重さを感じないんです。どれだけ入れても平気。つまり――アイテムボックス袋ですわ!」
その言葉に、かんなはさらに驚いた。
アイテムボックス。それは、謎のミッションをクリアし、ボスを倒さなければ手に入らない超レアアイテム。
まさに伝説級の神スキル。
それが、袋の形で渡されるなんて……。
かんなが呆然としていると、グランファリーさんがさらに衝撃の言葉を口にした。
「あなたが私を助けてくれました。だから、あなたの魔法スキルとレベルを――300にしようと思います」
「300!? え、でも……スキルもレベルも、上限は100までのはずでは……」
「あなたには、伝説の魔法使いの素質があります。だから、限界を超えて与えるのです」
かんなは思った。
(私……最強になっちゃうじゃん)
グランファリーさんは続けた。
「もう、杖なしでも魔法が使えますし、魔力は無限。ポーズ魔法、魔族魔法も解放済みです」
かんなは言葉を失った。
一瞬で、こんなにも強くなってしまった。
これでモンスターに襲われても余裕。クロも守れる。
でも――
「グランファリーさん、お願いがあります。私、冒険がしたいんです。魔法は全部使えるようにしてもらって構いません。それだけあれば、クロを守れますから」
「……どうして?」
「だから、レベルもスキルもいりません!」
その言葉に、グランファリーさんは優しく微笑んだ。
「分かりました……あっ、すみません。大事なことを忘れてました。かんなさん、魔法は――」
その時、りゅうとの待ちくたびれた声が響き、グランファリーさんは言いかけた言葉を飲み込んだ。
かんなは金銀財宝の袋を受け取り、元の場所へ戻る。
そこには、りゅうととクロが待っていた。
どうやら、二人にはレベルやスキルの変化はなかったようだ。
かんなのように、何かを言われることもなかったらしい。
すると、りゅうとが言った。
「かんな……なんか、お前からすごい魔力を感じるんだけど……」
「実はね……」
かんながさっきの出来事を話すと――
「マジ!? 見せてくれよ!」
「クロも見たいクロ!」
二人は興味津々。
そこで、かんなは一つ魔法を使ってみることにした。
「共癒永環!」
かんなが叫ぶと、目の前が緑の光に包まれた――
果たして、かんなの魔法は成功したのか!?
無理




