表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/212

泣き顔、見られた、、、、恥ずかしい、、、、

無理

泣き顔、見られたー!!!!!!!!

「あっ……っ!!!!!!」


かんなはようやく気づいた。

学校では一度も泣いたことがなかったのに――

今、りゅうとの前で泣いてしまった。


(うわ……恥ずかしすぎる……!)


顔が熱くなる。

怒りたいけど、怒る余裕もない。


「う、うっさい!! お前だって泣いたことあるでしょ……!」


かんなは言い返すけど、声が震えてる。


すると、りゅうとがニヤニヤしながらからかってきた。


「あれれ? かんなって学校じゃ真面目キャラじゃなかったっけ? おかしいな〜」


「っ!!!!!!!!!!!!! 泣いてなんかないし!」


かんなが必死に否定すると、今度はクロが口を挟んだ。


「りゅうと、かんなをいじめるのはやめるクロ!」


「ク、クロ……」


かんなは感動した。

でも――それはほんの一瞬だった。


「かんなは家では、ワンワン泣いて……」


「なんでもない!!」


かんなは慌ててクロの口をふさぐ。

クロはぬいぐるみだから、かんなが家で泣いてることを全部知ってる。

それを聞いて、りゅうとが少しだけ真剣な顔になる。


「ふーん……お前さ、泣くの我慢しなくていいんだぜ。真面目なイメージなんて、壊してもいいんだぜ」


「え……でも……」


かんなは戸惑う。

今の真面目キャラを壊したら、友達が離れてしまうかもしれない。

でも、りゅうとは続けた。


「お前は、お前のままでいいんだ。俺は……本当のお前が好……いや、なんでもない!」


好――その言葉が、かんなの心に深く響いた。


---


今は夏。

みんなは半袖・半ズボンで、マスクもしていない。

給食の時だけ、ちょっと気をつけるくらい。


でも、かんなは違う。

半袖だけど、ズボンは長ズボン。

マスクも常に着けて、真面目キャラを保っている。


でも――本当のかんなは、そうじゃない。


---


本当のかんな vs 偽装かんな


• 本物のかんな:半袖・半ズボン、可愛いキャラの服。遊ぶのが大好き。勉強はちょっと苦手。家では泣き虫。

• 偽装かんな:マスク常時着用、長ズボン。勉強好きでゲームはあまりしないと言っている。泣かない。



(もう……偽装かんなは、どこかにやりたい)


そう思うかんな。

でも――イメージを壊すのが怖い。

その気持ちも、強く残っている。


---


そんなことを考えていると、クロがふわっと言った。


「かんな、りゅうとと話したいことがあるクロから、席を外すクロね」


「うん……変なこと話さないでよね!」


普通なら止める。

でもクロは、命の恩人であり、私の大事なぬいぐるみ。

だからこそ、止めない。


「いや、止める時もあるけど……今回は、大丈夫な気がする」


それが???だということに、りゅうとはまだ気づいていない。


これは――クロとかんなの黒歴史作戦の始まりだった。

 

無理

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ