クロ、かんなを守れるか!? クロのスーパーしっぽ返しクロ!
無理
クロ、かんなを守れるのか!?
ザルヴァル・ウェイドの魔法が、唸りを上げてどんどん迫ってくる。
かんなの目の前まで――残り約10センチ。
その瞬間、クロが叫んだ!
「クロのスーパーしっぽ返しクロ!!」
クロは尻尾をザルヴァル・ウェイドの魔法に向けて突き出す。
あと7センチ。
クロの尻尾は5センチ。
あと、少し……!
「えいやークロ!!」
魔法が――クロの尻尾にちょうど当たった。
「クロー!!!!!!!!」
かんなの視界が涙でぼやけていく。
体もふらつく。
あれ……魔力、使いすぎた……。
「バタッ」
そこからの記憶は――真っ白だった。
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「かんな! かんな!」
「ん……」
目を覚ますと、りゅうとの顔が見えた。
「りゅうと……? どうしてここに……」
「大丈夫か!? よかった……心配したんだぞ……」
りゅうとは、本気で心配してくれていた。
その優しさに胸がぎゅっとなる。
――でも、すぐに思い出した。
「クロは!?!? クロ!!」
かんなが声を上げると、りゅうとの顔色が変わる。
「もしかして……クロ……」
「クローーーーーー!!!!!!!」
気づいたら、涙が溢れていた。
世界一可愛い、私の大事なクロ。
話せるようになって、さらに愛しさ倍増したクロ。
私を守ってくれたクロ。
「うわぁぁぁぁん!!!!」
涙が止まらない。しゃくり上げながら泣いた。
すると――りゅうとが、なぜかニッコリ。
え……なんで?
悲しんでるのに――なんで笑ってるの?
「ごめんごめん、嘘だよ」
「……え?」
かんな、一瞬フリーズ。
「実はな……クロのしっぽ、ほんとにスーパーだったんだ! あいつの魔法を、見事跳ね返した!」
「う、嘘……ほんとに!?」
再び涙。だけど今度は嬉し涙。
クロに会いたい気持ちが爆発する。
「クロは……どこ!? 今すぐ……!」
「ほら、後ろ見てみ」
「かんな、クロ最強だったクロでしょ?」
「クロぉぉぉ!!」
かんなは、力いっぱいクロを抱きしめた。
そこへグランファリーさんが静かに歩いてきて、ほほえみながら言った。
「クロさんが跳ね返した魔法がザルヴァル・ウェイドに直撃。結果として……ザルヴァル・ウェイドは消滅しました」
「よかった……本当に……」
その安心感で、ほっと息を吐いた瞬間――
りゅうとが、にやっと笑って言った。
「お前の泣き顔、初めて見たぜ!」
「っ……あっ……!!!!!」
かんなの顔は、ポンっと真っ赤に染まった。
無理




