かんなの過去④ かんなの好きな人
無理
かんなの過去④かんなの恋編?ゲームと話変わるじゃん!
……実は私、好きな人がいるの。
名前は建坂りゅうと。
元気で、ちょっと可愛くて、面白くて……時々関西弁を使うような子。
そんなりゅうとのこと、私はずっと好きだった。
一緒にゲームの中で冒険してくれている今も――心がじんわり嬉しくなる。
この気持ちの始まりは、たぶん幼稚園の頃。
バス通園だったから、乗り場がりゅうとの家の前で。
その時間、自然と彼と話すことが増えた。
バスの中も、降りてからもよくおしゃべりした。
休み時間には砂場で――
「大きい穴作ろう!」
ってりゅうとが言ったから、
「うん!」
ってシャベルを手に掘り進めた。
次の日には埋まってたけど、それでも、楽しくて仕方なかった。
帰りのバスを待つ間も、一緒の教室で遊んでた。
一度歯をぶつけて抜けた時もあったな。痛かったけど、今は笑える思い出。
その時、泣いてた私に――
「大丈夫!?」
って駆け寄ってきてくれたのが、りゅうと。
今の私は真剣女子なんて呼ばれるくらい、男子とはあまり話さない。
でも、昔は違った。
1〜2年生の頃は「かんな警察」ってあだ名がついたこともある。
悪いことをしてる男子の手を掴んで、手錠みたいにして注意したりして。
――いや、悪いことっていっても、殴り合いとか遊びの延長だったけどね!
そして2年生の頃、私はさらに真剣になった。
子供の戦争みたいなことをしてた。
毎日校庭に集まって、私ひとり vs 男子7人くらい。
木の棒を持って戦った。ゲームみたいだった。
その中には、りゅうともいた。
きっとそこで嫌われちゃったのかな……他の男子にも、りゅうとにも。
1年生の頃は、もう少し柔らかかった。
一度だけ、告白されたこともあった。名前は太郎。
今はちょっと暗めだけど、根は明るい子。サッカーが得意だったはず。
彼のこともいい人だなって思ってた。りゅうとの次に好きだったかもしれない。
勉強もできるし、意外とイケメンだし……。
あの時、頷いていればよかったのに――
意味がよく分からず、話をそらしてしまった。
今思えば、あれって……最悪だよ、私。その時……
「か、かんなさ……かんなさ……ん!」
無理




