宝緊急ミッション発生!?!?
無理
宝緊急ミッション発生!?
「宝緊急ミッション発生! 宝緊急ミッション発生!」
かんなとりゅうとのウィンドウに、赤文字の警告が現れる。
まるで電子音が耳を刺激するように、視界を埋め尽くしていった。
「宝緊急ミッションって!?!? な、なにこれ!」
「俺だって知らねぇよ!」
「何クロ!?」
クロがかんなの画面を覗き込む。
ウィンドウの文字を見て、目を輝かせながら口にした。
「もしかして……宝がもらえるクロ!?!?」
「いや緊急って書いてあるから! のんきすぎ!」
でも――
グランファリーさんは、そのウィンドウにまったく気づいていないようだった。
優雅に微笑みながら、宝部屋の中を案内し続けている。
「あなた達は命の恩人。だから、この金銀財宝をお渡ししたいと思って……」
グランファリーさんの言葉も、かんなたちの耳にはうわの空。
だって――ウィンドウには別の文字が浮かび上がっていた。
『グランファリーを守れ』
「……は? グランファリーさんを守る!? 何から!?」
かんなの心臓がドクンと高鳴る。
(強盗……?でもこの場所を知る方法なんて……)
(モンスター?でも普通の相手なら、グランファリーさんだけでも倒せるはず……)
(じゃあ……何!?)
すると、グランファリーさんが首をかしげた。
「皆さん、どうしたのです? 嬉しくないのですか?」
その表情からして――やっぱり、ウィンドウの存在には全く気づいていない。
かんなは意を決して口を開く。
「グランファリーさん……あの、私たち、画面が見えるんです。ウィンドウっていうんですけど……」
「ウィンドウ……? それが、どうかしましたの?」
「そこに書いてあるんです。グランファリーさんを守れって……」
するとグランファリーさんは少し笑って、ゆっくりと話す。
「嘘はほどほどにしてください。私は精霊です。どんなことがあっても……きっと大丈夫です」
「きっとじゃなくて、絶対にしてください!」
かんなが鋭くそう言った瞬間――
ズズ……ズズズ……!
地面が揺れ始めた。
「地震!?!」
りゅうとはすぐ壁に手をつく。
かんなも焦って身を支える。
(まずい!これは自然災害……! 精霊でも対応できる範囲じゃないかも……!)
でも様子が――おかしい。
揺れは弱まるどころか、どんどん強くなっていく。
ズンッ!ズンッ!ガタガタッ!!
「うわっ!」
かんな達はついに壁から突き放され、床に倒れ込んだ。
グランファリーさんもよろけ、床に手をついた。
そして――その瞬間。
「ゴゴゴゴ……」
低く、響く音。
地震とは違う、何かが近づいている音。
まるで地下の奥底から、巨大な何かが這い上がってきているような気配。
床下から背筋が冷たい感覚に包まれ、かんな達は息を飲んだ。
(これって……精霊の力で対処できる相手なの……!?)
無理




