表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/212

大食い大会二回戦目、クロが好きな人発表!?!?

無理

第一競技終了!

「やめ!」


クロの好きな人暴露事件から3分が過ぎた。

……とはいえ、結局誰が誰を好きなのかは分からずじまい。

でもそのやりとりだけで、残り時間5分のうち2分が過ぎてしまった。


そして3分後――

グランファリーさんが手を上げて、第一競技・ご飯対決、ついに終了の合図!


クロとりゅうとはスプーンをバッと机の上に置いて、背筋をピンと伸ばした。

クロまできちんと姿勢を正しているなんて……競技になると意外と律儀だった。


「今から、食べた量をお皿の数で数えます! かんなさん、手伝ってください」


「あ、はい!」


かんながクロの担当、グランファリーはりゅうとの皿を数え始める。

皿は空っぽだけど、ほんのりお米の香りが残っていて、周囲には温かい湯気が立ち込めていた。


「1、2……」


数えはじめてから約30秒。

そして――


「21! りゅうとさんは、21皿です!」


グランファリーさんの声が静かに響いた。

それを聞いて、かんなは少し驚く。

でもクロの皿は、まだまだ積み上がっている。


さらに30秒後。


「78……79! クロは、79皿です!」


「いや、差ありすぎだろ!!」


りゅうとが思わず叫ぶ。

かんなも正直びっくりしていた。

せいぜい5皿差くらいで、ギリギリクロが勝つかなって思ってた。

……でも蓋を開けてみたら、圧勝だった。


クロは口をふきながらにっこり笑って言う。


「まったく〜、りゅうとは少食クロね〜」


「は!? 俺、意外と食べれてなかった⁉︎ だって給食でこんな量、絶対無理だし!」


「多分それ……ゲームの中だからじゃないかな?」


かんながそう言うと、クロもすぐに納得。


「確かに、ゲームの中なら現実じゃないし、いくらでも食べれるクロね〜!」


「いや、それはお前もだろ……」


そう言った後、りゅうとは考え込む。

そういえば――クロって、かんなが言ってたよな、ゲームの中に入っちゃったぬいぐるみって。


(ってことは……あれがあいつの、本当の食力!? ていうか、ゲーム空間でさえ俺より速いのか!?)


そのとき、かんながもぞもぞとつぶやく。


「ねえ、りゅうと……なんかさ……お腹いっぱいじゃない?」


「え? 俺は別に……」


「そ、そっか……」


でも、かんなには不思議な感覚があった。

たしかにゲームの中なのに、現実でお腹が膨らんでる気がするのだ。

ふくらみ始めたお腹が重くて、座布団から体がすこし沈みこむような感覚。


その時――クロの声が飛び込んできた。


「かんな、何してるクロ? 今から第二回戦、お肉対決が始まるクロよ!」


「え、そうなの!? 聞いてなかった……!」


でも、かんなのつぶやきなんて誰も聞いていない。


「3、2、1……始め!」


グランファリーさんの声が響き渡ると、机の上に並んでいた生肉が、いつのまにか全部ジュウジュウと焼き上がっていて――

湯気と香ばしい香りが部屋中に立ち込め、お肉の争奪戦が開始された!


「詳しいルールは次のお話で説明するクロね〜!」

 

無理

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ