クロとりゅうとの大食い対決、え!野菜!?!?
遅くなってしまいました!
りゅうととクロの大食い?対決は!?
「お、美味しい、美味しい……」
りゅうとは額にうっすら汗を浮かべながら、焼肉をゆっくりと口に運ぶ。
口元は喜びよりも、どこか戦いのような必死さに包まれている。
「バクバクバクバク!」
クロの方は喋る隙もなく、唐揚げに焼き魚まで次々と口に放り込んでいる。
もはやそれは食事ではなく挑戦。
この二人、いつのまにか無言の大食い対決を始めていた。
「が、がんばれ、二人とも!」
かんなは声をかけながら、心の中ではちょっぴり迷っていた。
(うーん、本当はクロを応援したいけど……でも大食いなら体の大きいりゅうとを推したほうが……あれ? 私、何迷ってるの?)
そんなかんなの迷いをよそに、りゅうとが苦しげに口を開いた。
「グ、グランファリーさん……俺、寿司もいけますよ……!」
その声は頼もしいようで、どこかギブアップ寸前の危うさもある。
(いや、絶対無理してるでしょこれ)
それでも、かんなはとりあえず応援。
「……いちおう、がんばれ!」
「いちおうってなんだよ!」
りゅうとが元気なくツッコミを入れる。
横ではクロが、唐揚げの皿に手を伸ばしながら叫ぶ。
「クロも、バク! クロも寿司セット、バク! 寿司セットほしいクロ! バク!」
その勢いは止まらない。
かんなはクロの小さな体を見て、思わず内心でつぶやいた。
(……絶対、りゅうと負けるじゃん)
でも、こんなに本気を出してるりゅうとを見るのは初めて。
だからあえて言わず、見守ることにした。
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すると、グランファリーが優雅にお皿を差し出しながら微笑む。
「皆さん、よく食べますね〜。はい、どうぞ! おまけで野菜も食べてくださいね!」
「わ、分かったクロ! ……って、野菜クロ!?!? モグモグ!」
「野菜は……聞いてない……!」
二人のリアクションがあまりにも分かりやすい。
野菜苦手なんだなって、言わずとも伝わる感じ。
かんなはそれを見て内心クスッと笑いながら、箸を止めた。
するとグランファリーが、優しく声をかけてくる。
「あれ? かんなさんは、食べないんですか?」
「え、えっと……ちょっと食べようと思ってます」
「そうですか、遠慮しないで。もっと思いっきり食べちゃっていいんですよ!」
「それは……普通に多すぎる!」
りゅうとがたまらず手を挙げる。
「あ、あの……グランファリーさん。俺、野菜はちょっと……」
「クロも野菜はいやクロ!」
かんなも本当は野菜が得意ではない。
だから、思い切って提案してみる。
「グランファリーさん、こう言ってるので……」
でも――
「いえ、ちゃんと食べてください。あなたたちはまだ若いので、バランスよく食べなくてはなりません」
「そ、そうですよね〜……」
(あぁ、作戦失敗)
本当はこう言って野菜を下げてもらうはずだったのに、グランファリーの正論に撃沈。
でも、身体のためだし……食べるしかないか。
かんながそっと野菜に箸を伸ばしかけたその瞬間――
「クロ、野菜も含めて大食い対決だからな! どっちが多く食べられるかの戦いだろ? なら野菜も食う!」
「望むところクロ! クロの大食いっぷり、見せつけてやるクロ!」
二人の勝手なノリが再び燃え上がる。
その様子を見ながら、かんなはふぅっと息を吐いた。
(……なんか、ここで冷静にしてる私とグランファリーさん、逆にバカらしくなってきた)
すみません!




