森の神殿で会議? をする理由は?
遅!
森の神殿で会議をする理由は?
「グランファリーさん、どうして精霊たちの会議は、他の神殿じゃなくて森の神殿で開かれるんですか?」
かんなが尋ねると、グランファリーは少し困ったように微笑んだ。
「それはですね……他の精霊たちの神殿が、ちょっとややこしい場所にあるからなんです」
「えっ……ややこしい?」
三人は顔を見合わせて驚く。
森の神殿ですら、壁をすり抜けて入るという不思議な構造だったのに、それ以上に複雑な場所があるなんて――。
気になったかんなは、さらに踏み込んで聞いた。
「どんな場所にあるんですか?」
するとグランファリーは、少し声をひそめて言った。
「……あなたたちにだけ、特別に教えてあげます。たとえば――炎の精霊の神殿は何かの中。水の精霊の神殿も何かの中にあります」
「何かの中……?」
かんなは首をかしげる。
洞窟の中みたいな意味だろうか? でも、炎の精霊が洞窟にいるのはちょっと違う気がする。
それなら、岩の精霊とかの方がしっくりくる。
(炎の精霊が何かの中って……まさか……)
「え? もしかして……溶岩の中? いや、さすがにそれは……」
かんながそうつぶやいた瞬間、グランファリーの肩がピクッと震えた。
そしてその動きに合わせて、彼の羽がふわりと揺れた。
「……正解です」
「えええっ!? 正解!? ていうか、言わないんじゃなかったんですか?」
「はい。私から直接言うことはできませんが、かんなさんが自力で正解を言った場合は、それを認めることが許されているんです」
「頭、ごちゃごちゃクロ〜!」
と叫びながら、クロは頭を抱えてぐるぐる回っていた。
でも、かんなはもう一つの何かの中も気になっていた。
水の精霊の神殿――それも、きっと……
「グランファリーさん、水の神殿って……海の中にあるんですよね?」
「……せ、正解です」
グランファリーは少し照れたようにうなずいた。
(やっぱり……)
水の精霊が洞窟に神殿を作るなんて考えにくい。
水に関係する場所――それなら、海の中が一番自然だ。
その推理を聞いたりゅうとが、ぽかんとした顔で言った。
「お前……探偵だったのか?」
「いやいや、簡単すぎるでしょ!」
かんなは思わずツッコミを入れる。
(炎の神殿って聞いて、洞窟かな? って思う人もいるかもしれないけど……溶岩の中って、普通考えるよね!)
そんなことを考えていると、グランファリーがふわりと振り返った。
「さて、こちらのお部屋はもう十分ご覧いただけましたか? 次の部屋へご案内しますね」
そう言って、ゆっくりと歩き出す。
かんなたちもすぐに後を追い、次の扉の前に立った。
グランファリーが扉に手をかけ、静かに開く。
その先に広がっていたのは――
なんで書けないの!




