りゅうとにゆで卵を作ってもらおう!
書けない!
りゅうとはご飯作れるの?
「お腹すいたクロー!」
玄関を開けた瞬間、クロが元気な声で出迎えた。
「うーん、朝ごはん……どうしよっかなー」
そう言いつつも、かんなはすぐに笑顔でひらめいたように言う。
「クロ、ちょっとこっち来て!」
どうやら何か考えがあるらしい。
でも、着いたのは……外!?
外に出ると、朝の空気がまだ少しひんやりしていて、鼻先がすーっと冷たくなる。
鳥のさえずりがかすかに耳に入る。
そしてクロは戸惑いながらも、かんなについていく。
それで到着したのは――りゅうとの宿。
かんなが宿の扉を開ける時足元の石畳がカツンと鳴った。
そしてかんなは迷いなく階段を上がり、ドアの前で――
「ドンドンドンドン!」
なんと木の扉が小さく振動するほどの勢いでノック!
つまり大きいノック!
すると
「……誰ですか?」
中からりゅうとの声がする。
「かんなと、クロだよ!」
その声に扉がガチャリと開いて、りゅうとが顔をのぞかせる。
「何用?」
「りゅうと、料理作って!」
「はあ!? えええーっ!?」
驚きの声をあげるりゅうとに、かんなが食い気味で詰め寄る。
「だって、学校の図書の時間に料理本読んでたじゃん!」
「それ、現実の話であって……ゲームでは違うんだよー!」
それでも、かんなはめげない。
「私、ご飯もちゃんと炊けるか怪しいくらいでさ……いつも冷凍とかだし。お願いっ!!」
「いや、理由おかしくない!?」
「クロに手料理を見せてあげたいし、美味しい朝ごはん食べてほしいの!」
その一言に、りゅうとは渋々……しかし、負けを認めたように言う。
「……くっ、やってやるよ! できるし!」
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今回作るのは、ゆで卵とサンドイッチ!
「前はおにぎりだったから、サンドイッチ楽しみクロ!」
クロはぴょんぴょん飛び跳ねて嬉しそう。
そして、りゅうとのゆで卵クッキングスタート!
#### 【りゅうと流・ゆで卵指南書】
1. お湯にはそ~っと入れるんやで
冷えた卵、熱湯にドボンしたらパキッって割れてまうんや。
おたま使ってな、じんわり滑り込ませるのが玄人のやり方。
で、酢をチョロっと入れたら白身も暴れん。
2. ゆで時間は命やで(熱湯スタートでな)
- とろとろ派やったら → 5分ちょい
- 半熟好きなら → 6分〜6分半
- 固ゆで族は → 9〜10分やな
冷蔵庫から出して即スタートなら、ちょい長めがええ。
3. 茹で終わったら即、氷水ジャブン!
これで余熱ストップ&殻もスルッとむけんねん。
完璧やろ?
4. * +α:殻にピンッと穴あけると割れにくいで
エッグピアサーとかいうアイテムあんねんけど、なかったら別に気にせんでええわ。
そして最後に――食べ方は自由!
・塩をふってそのまま
・タレに漬けてしみしみに
・刻んでサラダにまぜる
・カツにしてもアリ
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「……いや、めっちゃ関西弁! 作文も関西弁だったよねー。て言うか最後違うじゃん!」
かんなは笑いながらツッコミを入れる。
すると、りゅうとは手を拭きながらドヤ顔でひと言。
「できた!」
「……早くない!?!?」
かんなが驚くも、さっきのレシピを何度も読み込んでいたから、完成までの時間は意外と短かったのかもしれない。
テーブルの上には、ぷるんと光るゆで卵と、パンの間から色鮮やかにのぞく具材たちが並んでいた。
サンドイッチは――ただひたすらに、挟んで、挟んで、挟んで完成!という感じらしい。でも
「……美味しいのかな? 見た目はいいけど……」
と、かんなは期待とちょっぴり不安が混じった声でつぶやくのだった。
書けない!




