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語りの扉ーーリルド、語るか否か

無理

語りの扉ーーリルド、語るか否か

風が、静かに揺れていた。

語りの流れは、アリサンの言葉に応えるように、

天の精霊たちの胸を優しく撫でていた。


だがそのとき――

黒い靄が、最後のうねりを見せた。


リルドが、拳を握りしめ、叫ぶ。


「わたしは……わたしは諦めないからな!!!」

その声は、風を裂くように響いた。

「絶対、お前らに痛い目合わせてやる!!」


その叫びとともに、彼の姿は靄の中に溶け、

目の前から、ふっと消えた。

風は、彼の残した拒絶をそっと包み込み、

語りの流れの外へと運んでいった。


沈黙が訪れる。

そして、風が再び吹き始める。


アリサンは、天の精霊たちを見渡し、

少し照れたように、けれどしっかりと語った。


「本当に……ありがとう。

これからは、どうぞよろしくお願いします」


その言葉に、炎の精霊が拳を突き上げて叫ぶ。


「よっろしく!!」


水の精霊は、笑顔で手を振りながら。


「よろしくね」


風の精霊は、そっと微笑んで。


「よろしく」


森の精霊は、葉をひとつ差し出して言った。


「ということで、新しいメンバーが増えたので……

アリサンパーティだ!!」


その言葉に、天の精霊たちが一斉に声を上げる。


「おー!!!」


風が、歓声を包み込むように吹き抜ける。

語りの流れが、祝福のように空へと舞い上がる。


アリサンは、驚いたように目を見開き、

そして、少しだけ頬を赤らめながら言った。


「え……! あ、ありがとう。

本当に……天の精霊さんって、優しいんだね……」


その言葉に、風がそっと寄り添う。

語りの芽が、彼の胸で静かに花を咲かせる。


それは、語りが絆になった瞬間だった。

拒絶ではなく、受容の風。

孤独ではなく、仲間の語り。


そして、物語は――

語りの未来へと、静かに歩み始める。


---


次章予告:「語りの未来――風が運ぶもの」

リルドは去り、アリサンは仲間になった。

語りは絆となり、風は祝福となった。

次回、語りの力が世界に広がる。

それは、誰かの心に届く風。

語りの未来は、まだ始まったばかり――

そして、風は新たな語りを運び始める。

 

無理

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