クロ、自分の毛を洗う!
十八話です。読んでね!!
かんながお湯をかけると――**クロがビクッと震える。**
「クロ、大丈夫?」
クロはすぐに頷くが――
「だ、大丈夫クロよ……」
しかし、再びお湯がかかると、また**ビクッ!!**
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かんなは苦笑しながら、慎重にお湯をかける。
「クロ、まだ慣れない?」
クロはちょっと不安そうに答える。
「うーん……多分、大丈夫クロ……」
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そして――**10分が経過。**
ようやく、クロの毛と頭全体を濡らすことができた。
「ふう……終わったクロね!」
クロは嬉しそうに顔を上げる。
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しかし、かんなは首を横に振る。
「いやいやいや。**まだ何もしてないけど?**」
クロは目を丸くする。
「まだクロ!? い、いや……なんでもないクロ……」
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かんなはため息をつきながら、じっとクロを見る。
「ほらー! やっぱりクロ、話聞いてなかったでしょ!」
クロは慌てて謝る。
「ごめんクロ……でも、何をするクロ?」
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「濡らしたら、次は**シャンプー**だよ」
「シャンプー?」
クロは首をかしげる。
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シャンプーという言葉が分からず、少し考え込む。
「濡らした後は……分かったクロ! **体を洗うクロね!**」
しかし――
かんなはすぐに否定する。
「え?違うよ?」
「え、じゃあ何クロ?」
「まずは頭でしょ?」
クロは驚いた顔をする。
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「そうクロか!? てっきり体かと思ったクロ……」
「そ、そっか……。でも**先に頭を洗うんだよ**」
クロはちょっと納得しながら頷く。
「分かったクロ……」
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しかし――また新たな疑問が浮かぶ。
クロは首を傾げながら、かんなに尋ねる。
「かんな、頭を洗うって**どうやって**クロ?」
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「まだ教えてなかったね」
かんなは軽く笑いながら、シャンプーのボトルを手に取る。
「まずは手に**シャンプー**をつけるよ」
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そう言いながら、クロの手に**2プッシュ。**
「クロ、次はそれで**毛を洗っていく**んだよ」
かんなは手本を見せながら、丁寧に説明する。
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クロは試しにやってみる。
**くしゅくしゅ……**
次の瞬間――
「**何クロ!? 気持ちいクロ!!!**」
クロは嬉しそうに叫んだ!!!
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かんなは焦ってクロを見る。
「こら!! 近所迷惑になっちゃうでしょ!」
クロはハッとしながら、小さくなる。
「特にここはアパートなんだから、気をつけないと!」
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「あ、そうだったクロね……。ごめんクロ……」
クロは心の中で近所の人に謝っておく。
そして、再び毛を洗い始める。
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何分かたち――
二人とも髪の毛、毛を**しっかり洗い終えた。**
かんなは満足そうに頷く。
「じゃあ、**また流していこうか**」
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シャワーで毛を流していく。
今度は――**クロも慣れたのか、震えたりはしなかった。**
かんなは少し安心する。
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しかし――
「これでお風呂に入れるクロ?」
クロが期待を込めて聞いてくる。
かんなは小さく笑う。
「まだまだだよ。次は**トリートメント**」
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「分かったクロ!**トーナメント**クロね!!!」
かんなは吹き出しそうになる。
「**違う違う。トリートメントだよ!!** でもトーナメントって言う言葉もあるね」
クロは不思議そうに首をかしげる。
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「ここの世界の物は呪文みたいクロね……」
かんなは苦笑しながら、肩をすくめる。
「いやいや。これは元々の世界でも使うよ!」
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「え、そうだったクロ!?」
クロが驚いていると――
**その時、何かが鳴った。**
「リーンリリーン!」
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かんなは顔を上げる。
「あ!あと20分で**お風呂が沸く印**だ!」
クロは目を輝かせる。
「あと少しでお風呂クロ!!!」
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こうして、クロの**初めての本格的な入浴**は――まだまだ先の事だった。
クロ、トーナメントとトリートメント間違えないでと思った人いますか?




