精霊達の思惑と、迫る決戦
無理
精霊達の思惑と、迫る決戦
――別の世界。
??は、かんなとりゅうとをくっつけるための作戦を開始していた。
「……あの二人、将来きっと付き合えません」
「どうしてですか?」
「恥ずかしさに負けて、気持ちを伝えられないんです。情けない理由ですが、それが原因で結婚まで至らない未来が見えています」
「ほぉ……それは困りましたね」
「ですが、貴方様の力があれば、きっとあの者たちは幸せな人生を歩めるはずです」
「なるほど……分かりました。私がなんとかしましょう」
「おぉ! やはり貴方は偉大なお方です……!」
アリサンは、??を称賛する。
「いえいえ、それほどでも。ビルリッド様の方が遥かにすごい。あの世に行ったというのに……」
「……」
「そうでしょう? アリサン」
アリサンは険しい表情で答えた。
「貴方様には失礼かもしれませんが……確かに、そうですね」
「私には、あの世から復活する力はありません。ですが、ビルリッド様はそれを成し遂げた……」
??は目を閉じたまま、静かに語った。
「なんせ……ビルリッド様は、魔王ですから」
「……ええ、そうですね」
魔王ビルリッドは、かつてネオフォース・ザ・ワールドに君臨していた。
勇者によって倒され、消滅した――はずだった。
だが、ビルリッドはあの世へ向かう直前、何かしらの術を使い、何百年経とうとも復活できるよう仕掛けていた。
その“復活の日”は――あと1ヶ月後。
この事実を知る者は、プレイヤーでもモンスターでもない。
知っているのは、悪の精霊だけ。
もちろん、かんなたちも知らない。
魔王が復活すれば、この世界は破滅すると言われている。
その予言は、悪の精霊が管理する禁書にのみ記されていた。
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精霊の系譜
この世界には、二つの精霊が存在する。
• 天の精霊
自然や命を守る存在。グランファリーさんもその一人。
森の精霊として、森を守り、人々を助ける。
炎、水、風などの精霊も同様に、世界の調和を保つ役割を担っている。
• 悪の精霊
魔王に仕える存在。アリサンや??もその一員。
呪いの精霊、消滅の精霊などが存在し、人や自然に悪影響を与える。
天の精霊とは対極に位置し、世界を汚し、混乱をもたらす。
これから始まるのは――
天と悪の精霊による、壮絶な戦い。
決戦の幕が、静かに上がろうとしていた。
無理




