かかしを倒せ!!
十四話です。読んでね。
クロが救出され、訓練が再開されることになった。
ティアムが腕を組みながら言う。
「よし。まあ、走るのは終わりだ。お前らが楽しみにしていた剣の練習を始めるぞ!」
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クロは飛び跳ねるように喜ぶ。
「やったクロ!!!」
かんなも嬉しそうに頷いた。
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しかし、次のティアムの言葉に――
クロの表情が変わる。
「じゃあまずは……実戦だな」
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### クロ、衝撃を受ける
「え!?** もうモンスターと戦うクロ!?」
クロは震えながら言う。
「こ、怖いクロ……」
クロの声は、少し震えていた。
しかし――
ティアムは、あっさりと否定する。
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「違う違う。剣でかかしを、叩く練習だ」
クロはポカンとする。
「えー……クロの驚き、意味なかったクロ……」
不満そうな顔をするクロだったが、すぐに興味を取り戻し――
「ティアムさん! かかし、どこクロ?」
すぐに元気になった。
そしてティアムに場所を教えてもらい、二人はかかしの訓練所へ向かう。
そして――ついた瞬間、ティアムが説明する。
「よし、ここがかかしゾーンだ」
そうティアムがいい続いて指示を出す。
「かんな、クロ。実際に剣でかかしを叩いてみろ」
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かんなは剣を握り、素早く振る。
「シュッ!」
綺麗な音が響く。
さすが――かんなは経験済みなので、動きも鋭い。
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しかし――クロは違った。
クロが剣を構え、かかしに向かって振ると――
「キャー! 助けてクロ!!!」
クロはバランスを崩し、倒れそうになる。
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ティアムが呆れたように言う。
「クロ、そんな動きじゃ一生強くなれないぞ」
そしていつ聞いたか分からないが
「かんなに聞いたぞ。剣は一応振れるんだろう?」
そう言った。クロは驚いたがティアムは言葉を続け
「だから、前に振ったみたいにやってみろ」
そう言った。
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クロは少し考え込んだ。
「うーん……わかったクロ」
そして――
かんなとの訓練を思い出しながら、剣を構える。
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「ここには何もない……ここには何もないクロ……!」
クロは心の中で唱え――
「シュツ!」
剣を振った瞬間――
クロは目を見開いた。
「綺麗に振れたクロ!!!」
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クロはもう一度試してみる。
「シュツ!」
しかし――
「ってうわー!!!クロ!!!」
剣を振った勢いで、危うく転びそうになる。
それで
「もしかして……かんなとの訓練を思い出せば、クロ戦えるかもしれないクロ!」
そう思い、クロはもう一度かんなとの訓練を思い出す。
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そして、慎重に剣を振ると――
「シュツ!」
完璧に振れた!
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クロは勢いを増し、横の振り方にも挑戦する。
「横も……かんなとの訓練を思い出すクロ……!」
そして――
「シュツ!」
やった!
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「かんな!! クロ、剣を振れるようになったクロ!!!」
しかし――
かんなは集中していて、返事がなかった。
そしてクロがかんなの様子を眺めていると――
かんなが、呪文を唱え始める。
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「炎よ……剣に集まれ……!」
かんなは杖を掲げる。
「そして放たれよ……ファインド・フェアー!」
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その瞬間――
かんなの剣から、炎が爆発するように飛び出した!
そして――かかしが燃えてしまう!!
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クロは目を丸くする。
「今のは……何クロ!?」
かんなは、剣を見つめながら答える。
「今のは、剣に魔力を込めたんだよ」
「そしたら、魔法と剣が合わさって――こうなるんだ!」
「クロもできるクロ!!!?」
クロは興味津々でかんなに聞く。
しかし――かんなは首を横に振った。
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「うーん……クロはまだできないかな?」
そう言い、少し考えて
「まだ、日も経ってないし……」
「そうクロか……残念クロ……」
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しかし――クロは思った。
「クロも、頑張ればできるかもしれない……!」 と。
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クロは、ゲームの世界に来る前――
魔法ってすごいなと思っていた。
でも、魔法なんて自分には使えないと思っていた。
しかし――ここなら使える。
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「今度、かんなに魔法の使い方、教わりたいクロ……!」
クロは、そう強く思った。
クロ、かわいい!と思った人、いる?




