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クロの動きはカメさんより遅い?

今日は多分文章の量が少ないです。

クロが今走っているのは――森の半分あたり。


走り始めてからもう1時間が経過していた。


もちろん――かんなはもうゴールについて、ティアムと一緒に待っている。


---


ティアムは腕を組み、考え込んでいた。


「ああ……もう1時間が経過しているのに、まだ森の半分か?」


「しょうがないな。分かれ道まで送ってやろう」


「分かれ道を抜けたらスピードが上がるからな。そら!」


そう言って、ティアムが魔法を発動させた瞬間――


クロが洞窟の出口へ瞬間移動!!!


「すごいですね!」


かんなはびっくりした。


だって――もし私がこの魔法を使えたら……。


「家まで移動! 訓練所まで移動! どれだけ楽なんだろうか……!」


かんなはそんなことを考えながら、クロの様子を見守る。

 クロはキョロキョロと辺りを見回した。


「えっ……ここどこクロ?」


「うーん……え!? ここってもしかして……洞窟を抜けたところクロ!?」


「もしかして知らないうちに魔法で瞬間移動してたクロ!!!」


「ふふふ……かんなが聞いたら驚くクロね!!」


そう――クロはティアムの魔法のおかげでここまで来たことを理解していない。

 そのとき――


クロの目の前に分かれ道が現れた。


しかし――


クロは分かれ道の話を聞いていなかった。


「え……分かれ道なんて聞いてないクロよ……?」


「うーん……どっちに進めばいいクロ……?」


「たぶん……どちらにしろ、かんなのかんなの言う通りクロ!」


そしてかんなのかんなの言う通り!と唱えてしまった。

一応いうとこれは天の神様の言う通りの略だ。そして


「分かったクロ!正解は左クロね!」


クロは間違えて左へ進んでしまった。


しかし――クロはまだそれが間違いだと知らない。


 迷子への道をどんどん進んでいく――。

 一方――ティアムとかんなはカメラを通してクロの様子を見ていた。


「ん? おかしいぞ。かんな、クロはどこに行った?」


「カメラをすべての道に設置しているはずなのに――クロの姿が見えない……」


「ほ、本当ですね……クロ、大丈夫かな……?」


すると――ティアムの表情が険しくなる。


「も、もしや……」


「左の道に進んだのか!!」


ティアムは冷静に説明した。


「あそこは迷子になったら困ると思い、カメラを設置していない」


「それなら――辻褄が合う……!」


 かんなは驚いた。


クロは一度、一人で森に行ったことがあった。


しかし――迷子になるとならないとでは、話はまるで違う。


どこにいるのかもわからない。


「どうしよう……?」


かんなは考え込んだ。


しかし――むやみに動いて、自分も迷子になってしまったらもっと探すのが大変になる……!


何かいい方法はないか――


かんなは必死に頭を巡らせる。

 

 

 

 


 

 

クロ、大丈夫かな?と心配になった人、手あげて!なんちゃって

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