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8歳の誕生日、の前なのに

ハリーは、何を言ってる‥


星の力で守られている?



いや、なぜハリーが‥



「テオドール王子様!ハリー!!!!」


ロスウェルが一瞬にして現れた。

びっくりしたのは俺だけじゃない。ハリーもだ。



「あっ‥ロスウェル様‥」

少し怯えた表情でハリーはロスウェルを見上げた。


ロスウェルの眼が鋭くハリーに突き刺さる。


「あの、ロスウェル‥」

俺は慌ててロスウェルに手を伸ばした。

それは予感がしたからだ。


「このっ‥魔塔へ戻れ!今すぐだっ」


パチンっとロスウェルが指を鳴らした。

「ロス‥」

慌てたハリーには名を呼ぶ隙も与えられずその姿を消された。


消えたハリーのいた場所を見つめて

ロスウェルが、グッと拳を握っていた。

「ろ‥ロスウェル‥?」


今までに感じた事ないロスウェルの空気が、

今の俺には恐ろしかった。それはロスウェルが怖いんじゃない‥



スッと悲しげにロスウェルは俺を見た。


「テオドール王子様‥申し訳ありません‥」


「な‥なにが‥‥‥」

指先が冷たくなった。


ロスウェルと向き合うと、恐怖心は増していた。

きっと、ロスウェルも‥


「私が王子様に姿を晒したのは、ハリーと同じ理由でした‥」

「っ‥」

「ですが、まさか、ハリーにも見えていたとは‥」


申し訳なく、喋り出す





やめろ‥






「テオドール様に一眼お会いした時に、星が瞬くので‥」






やめろ‥‥‥‥



「お側で見守ることに決めたのです‥」





なんなんだ‥‥‥



「テオドール様にはなにか不思議な‥」



声がどんどん遠くなっていく気がした。








俺は今でも、星に守られている‥‥‥







『あぁ‥‥まったく‥‥勘の鋭い者が2人もいるとは‥』



クラっとしたその目を開くと、暗闇の中だった。

淡く光るアレクシスの姿がそこにあった。

面白くなさげに、宙にふわふわとその身を揺らしながら

寝そべって‥いる?



「アレクシス!」

「あやつらは見えるだけだ。心配するな。』


フンっと鼻を鳴らした。それはそれは不満気まった。


『どんなに星が見えようと、あやつらにそれをどうこうする力はない、ただの魔術師だからな。余計な事を言ってくれた。』


「なんだよ‥星に守られてるって‥」


『そなた、私の事は習わなかったのか?』


「ステンドグラスにへばり付いてたな」


『あんなもので私の美しさを表すなど、幸せなやつらよな。

私は何千倍も美しいのに‥星と月の話を学んだであろう?

このムーンストーンの記憶を以前1つ返してもいる。


これは悪いものではないと言ったはずだ‥』


「分かってるよ‥‥‥」


幼い約束‥



『そなたの誕生日の願い事をした瞬間会う予定だったのに‥

あの者たちのせいで私の計画は水の泡だ。

蝋人形にしてやろうか‥‥‥』


「なら‥っ今返してけよ!!!」

俺はアレクシスに駆け寄った。


「今だって、あいつら蝋人形みたく時間止まってるだろ!?

俺は今すぐっレイラの記憶が一つでも多く欲しいんだ!!!」



『ほぉ‥?ついにその名を取り戻したか。

あんなに苦しんだのだ。良かったなぁ?名前一つその身に宿ってくれて。』



アレクシスは不機嫌だった。



『名前一つでずいぶん余裕じゃないか、あ、き、ら?』



アレクシスは身体を起こして、俺の目の前に立った。



「アレクシス‥?」


『星に守られてると聞いたであろう?』


「だからっ‥それはどうしてなのか、記憶取り戻したら

わかるんじゃないかって‥」



俺は言い訳する様におどおどとアレクシスに詰め寄った。

そんな俺にアレクシスは眉をひそめ、手を伸ばした。


ガシッ‥


俺はまたアレクシスに頭を掴まれていた。

「うっ‥アレク‥」


『自惚れるな。この半人前が。』

アレクシスの眼は怒りを醸し出していた。


「なんっ‥で‥」


『何故?今そなたが、星に守られていると言われたであろうが。理由を聞けば納得するのか?また前の様に泣き叫ぶのだろう?殺してくれとな?あぁ、これは知らないはずだったな。私はなんの為にそなたの誕生日だけ記憶を返しているのか教えてほしいか?』


冷めた眼をしてアレクシスの指先にどんどん力が篭っていく。


「ぐっ‥お前なんでいっつも俺の頭鷲掴みっ‥」


『頭の悪いそなたの言動と行動が私の神経を逆撫でるのだ‥

悲しみや涙に反応し、そなたが心を砕く度にレイラの魂を揺さぶるのだからな。


無闇にそなたがレイラを刺激し、レイラはその身を焦がすのだ。

そして私に呼び掛ける、そなたを救えとな‥。まったく‥愚かしいにも程がある。


そなたはただ、私と共鳴する時にレイラを思い出していけば良いのだ。優しく言っているうちに聞き分けろ。この馬鹿者が‥』



パッとアレクシスが俺の頭から手を離した。


「つっ‥ずいぶん不機嫌じゃねぇか‥」



『‥‥‥うまくかわせ‥なにも知らぬとな。』


不機嫌なアレクシスはジロリと俺を見た。




ホストで女に貢がせてるって言ったこと根に持ってんのか?


『あぁ、私は不愉快だ。』


「マジかよ、そんな事で俺の頭鷲掴みしやがったのかよ!』


『そなたには私の尊さが分かっておらんのだ。』


「勝手に人の声聞いといてキレてんのかよ」


『あのステンドグラスの2人は‥』



「‥あ?」


『私の天使達の姿だ。そなたも親の愛に触れ、レイラを思っているのなら、私を刺激するな。』


「へ‥‥?」


『私の可愛い天使達だ‥貢いでいるなどと愚弄してくれるな。そなたも、レイラを思い、家族を愛しているのなら、

せいぜい気をつけるのだな。次は助けてやらんぞ。』


「‥ご‥ごめ‥‥」


それは‥俺が悪かったな‥

知らないとは言え‥アレクシスにも大切な人が居るんだ。


なんな、やっぱ、ホストみたいなセリフだけど‥


私の可愛い天使達‥‥


『ホストなどでは無いわ馬鹿者が!安っぽい謝罪などいらぬわ。気持ち悪い‥』


「でも‥ごめん‥なんだかんだ言って、俺、お前に助けて貰ってんだよな‥‥‥知らんけど。」


『その軽口が余計なのだ!蝋人形にしてやろうか』


「ふっ‥」


ふと、笑みが溢れたのは俺の方だった。

そしてそんな俺を見て、アレクシスも、軽く笑みを浮かべたのだった。



誰にでも大切な者があるんだ。


遠い存在ではなかった。


アレクシスは神だけど、感情は‥人に近い存在なんだな。



俺は星に、アレクシスに守られている‥



『だがな、あんな魔術師らの言葉は無視しろ!めんどくさい!そのうち分からないようにしてやる。』


ビシッとアレクシスは俺に指を向けた。


「へいへい‥アレクシス様のご加護がありますように。」


『あぁ、いい心掛けだ。褒めてやろう』



へっ‥フリだよフリ‥‥


『蝋人形してやろうか!!!!!』

読んで下さりありがとうございました。


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