女性でもドキドキ。
あれはGWの雲見ダイビング、休憩中のこと..
「柿沢さん、もしかして萌恵ちゃんに強引に誘われたの? 」
「いえ、ちょうど私もダイビングに行きたかったんです」
「ふふふ。そう.. でも、あの子わかりやすいわよね」
「そうですね」
「私、前に凄く質問された事あるわ」
「ははは。私もです!」
「でもストレートなところがいいわよね.. ねぇ、『私、峰岸さんの事を愛してるの!』って言ったら、萌恵ちゃんになんて言うつもりなの?」
「え!ぇ..!」
「嘘よ、嘘。あなたもすぐ顔に出ちゃうのね。可愛い。大丈夫よ。私はあなた達が心配するような事思ってないから。峰岸さんの事は何とも思ってないから」
「そうなんですね。よかったぁ」
「あはは。あなたも萌恵ちゃんも本当に可愛いわね」
「あ、ありがとうございます」
「でも萌恵ちゃんのこと、ついハラハラさせたくなっちゃうのよね。本当に可愛いから」
「 ..えぇ?」
「ふふ。今日のダイビングは凄く面白かったわよね。2本目も楽しみ。柿沢さん、私のこと『明里』って呼んでもかまわないわ。2本目もよろしくね。私のバディ」
****
帰りの車の中、明里さんはチーム名の提案をした。
「『アクチーニャ』なんてどうかしら?」
「なんですか? 明里さん、アクチーニャって? 」
「さぁ.. 何となく響きよ」
(そっか、響きか.. そういえば私たちのバンド名もそんな感じで決めてたな)
「『アクチーニャ』、チーム『アクチーニャ』。うん。変わってて面白いですね。峰岸さん、いいですか? 」
「萌恵が気に入ったのなら、いいんじゃない。俺も悪くない響きだと思うよ。」
「じゃあ! 決まりですね。チーム『アクチーニャ』で!」
「ふふふ」
妖艶な笑いを浮かべる明里さんの頬が紅潮している気がした。




