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じゃあね

作者: ビデオ

こじれていた別れ話も、もつれた糸がほぐれたようにようやく解決した。

俺は少しホッとした面持ちで彼女に話した。

「これで、二人とも新しい旅立ちが出来るな。」

「そうね。言っておきますけど、別れたくないって未練がましかったのはあなたよ。

今言った台詞はそっくりお返しするわ。」


そうだった。

俺の方が、離れたくなかったんだ。

今日になって急に別れてもいいと思ったのは、なぜなんだろうか?

少し不思議な面持ちで、二人で喫茶店を出た。

帰る方向は途中までは一緒だ。

しばし無言で歩いていると、交差点に差し掛かってきた。


「ねぇ、この交差点ね…」

彼女が意味深な声で話し始めた。

「歩道橋と地下通路がある不思議なところだよね。歩道橋歩く分にいいんだけど、地下通路歩くと人生が変わってしまうらしいよ。」

そういえば、さっきここに来る時、地下通路を歩いてきた気がする。

それで別れる気になったんだろうな。

「じぁあ、心機一転するのに、地下通路を歩いて帰るよ。」

「そう、私は歩道橋から帰るわ。じぁね、さよなら。」


俺は地下通路を歩き始めた。

心なしか、さっきより距離が長く中々出口が見えて来なかった。

「どこまで続くんだ…」

俺は、叫んだ!


彼女は歩道橋を歩きながら、

「そういえば、あの地下通路、1回ならともかく、2回連続で入って出てきた人はいないって伝えるの忘れてた…

まさか、彼…

そんなことはないわよね。

でも、交差点は人生の岐路に似てるって言うけど、ここは特にそうね…」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 交差点、そういうのありえそうだなぁと思えるから面白いです。三叉路には魔物が突っ込んでくるとか、峠道はあの世とこの世の境界だとか言ったりしますので、心機一転してしまうような人生の岐路となる交…
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