「誰が、ここに住むのか」
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前書き
家があっても、
人が決まらなければ――
村にはならない。
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本編
夕方。
中央広場に、自然と人が集まっていた。
ミンジュン。
メアリー。
お魚先生。
ヨハン、アルス、ボミエ。
チューリップはヨハンの足元で伏せている。
少し離れたところには、
ネロと――骨格の揃ったガイコツたち。
畑の方からは、
ザジが連れてきた獣人たちの姿も見えた。
「……思ったより多いな」
ミンジュンが、率直に言った。
「でも」
メアリーが周囲を見回す。
「みんな、ちゃんと“いる理由”がありそうです」
お魚先生が、くすっと笑う。
「それが一番大事なのよ」
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ミンジュンは、広場の中央に立った。
「じゃあ決めよう」
その声で、自然と視線が集まる。
「まず――
ここに定住するメンツからだ」
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■ 定住メンバー(即決)
「俺は、ここに住む」
最初に言ったのは、ミンジュン自身だった。
「店とは魔法陣で繋がってる。
往復に問題はない」
ヨハンが頷く。
「なら、ワシもじゃ」
「え?」
メアリーが少し驚く。
「宿を借りる理由がない。
ここは静かで、朝が早い」
アルスも続く。
「……僕も」
「理由は?」
「魔法陣がある。
研究と実践、両立できる」
ボミエが尻尾を揺らす。
「ワシもニャ。
畑と森が近いのは助かるニャ」
お魚先生は、腕を組んで考え――
「アタシは基本ロッペンハイマーだけど、
泊まり込みは多くなるわね」
「先生は流動枠ですね」
セシリアのいない場でも、
自然と“受付脳”の判断が出るメアリー。
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■ 獣人たちについて
ザジが前に出た。
「連れてきた連中は――
住む場所を探してた」
獣人たちは、畏まった様子で頭を下げる。
「狩り、畑、見張り。
出来ることは多い」
ミンジュンは即答した。
「歓迎する」
迷いはなかった。
「家は同じ規格で増やす。
住居区を東に拡張する」
アンリが、いつの間にか現れて言う。
「複製で良いか?」
「同じでいい」
「なら一晩じゃな」
サジとカエナが顔を見合わせ、苦笑する。
「……増えるな、これ」
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■ ネロとガイコツ
「で」
ミンジュンが、ネロを見る。
「お前は?」
「拠点があった方が、召喚管理が楽」
「つまり?」
「住む」
即答。
ガイコツたちが、カタカタと整列する。
「彼らは?」
「夜間作業、整地、資材運搬」
ボミエが感心した声を出す。
「最適解ニャ……」
「住居は?」
「小屋でいい」
「了解」
ミンジュンは、淡々と決めていく。
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■ 役割分担(初期)
地面に棒で、簡単な図を書く。
【防衛・見張り】
・ヨハン
・アルス
・チューリップ
・獣人の一部
【建築・整地】
・ネロ
・ガイコツ部隊
・アンリ(魔法支援)
【食料】
・畑:獣人
・調理:ミンジュン
・狩り:ザジ組
【医療・補助】
・お魚先生(必要時)
・メアリー(日中)
「……私?」
メアリーが指差す。
「あなたは」
ミンジュンが言う。
「全部を繋ぐ役だ」
一瞬、静かになる。
「村と町。
仕事と人。
問題と解決」
メアリーは、少し考えてから――
「……はい」
はっきり頷いた。
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日が沈み始める。
家の影が、長く伸びる。
誰かが焚き火を起こし、
誰かが水を運び、
誰かが畑を見に行く。
ミンジュンは、その様子を見て――
(また、増えたな)
でも、悪くない。
ここはもう、
“通過点”じゃない。
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後書き
村は、
「誰がいるか」が決まった瞬間に、
もう戻れなくなる。
次は
•初めての夜当番
•小さなトラブル
•セシリア視点で見た「人が増えた報告書」




