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地下1階:巨大タコの罠と人魚の歌声




「アーバイン、入り口がまだ開いてるわね?」

「ああ、我らを待っておるのか?……」


鑑定アプレイズ Lv2で神殿を見てみる。


海底神殿、かつて勇者たちによって海神と崇められた邪神ザミドが封印された牢獄。

神殿の地下1Fには地上へと繋がる魔法陣と邪神ザミドを信仰する者たちが守護者として存在している。


「今、鑑定で見たんだけどさ、この神殿から地上に出られるみたいよ!……せっかくだから行ってみない?」


「なんだと!!?……それは行くしかないではないか!!!!」


「おっけー、じゃあ行くか。海底神殿の攻略してやろうじゃないの!」


アタシはそう言って、アーバインと一緒に海底神殿へと足を踏み入れたわ。


海底神殿の入り口をくぐると、そこはまるで別世界だったわ。広場から地下1階に降りると、そこはまるで巨大なタコの巣窟だったわ。薄暗い通路には、無数のタコたちが蠢いてて、アタシたちの行く手を阻んでたの。タコたちは、吸盤のついた触手をうねらせながら、アタシたちを警戒してたわ。

「んもー、タコだらけじゃないの! ここはたこ焼き屋さんかしら?」

アタシは冗談めかして言ったけど、その視線は真剣だったわ。アーバインは無言で剣を抜き、警戒態勢に入った。彼の輝光剣アーマードシャイニングソードは、薄暗い水中でもひときわ輝いてた。

「タコたちは、私たちを排除しようとしています。気を引き締めて進むぞ」

アーバインの声は、いつになく真剣だったわ。彼の言葉に頷き、アタシはまず、タコたちの動きを止めるために、魔法を使うことにした。アタシのスキル念力サイコキネシスLv3は、タコたちを物理的に拘束するにはレベルが足りない。代わりに、毒付与ポイズンインフレクトLv2でタコたちを弱らせることにしたわ。

「かかってらっしゃい! アタシの毒のキス、味見させてあげるわよ!」

アタシは、タコたちに向かって毒を放ったわ。タコたちは、毒を浴びて苦しみだし、動きが鈍くなった。その隙に、アーバインが剣を振るい、タコたちを次々と切り裂いていった。彼の剣技Lv5は、もはや芸術の域ね。

「見事な剣さばきね、アーバイン。でも、これじゃキリがないわ」

そう、タコたちは倒してもすぐに再生するみたい。再生Lv4のスキルを持つアーバインでさえ、驚いてたわ。その時、どこからか美しい歌声が聞こえてきたの。歌声は、タコたちの動きを止め、アタシたちの心を癒してくれた。

「あら、素敵な歌声。まるで、海の女神様かしら?」

アタシは歌声の主を探して、広間の奥に進んだの。広間の奥には、美しい人魚が座ってたわ。人魚は、アタシたちの姿を見ると、歌うのをやめた。

「旅人よ、ようこそ。私は、この神殿の守護者、メルと申します」

人魚は、アタシたちに微笑みかけて、そう言ったわ。彼女の優雅な姿と澄んだ瞳は、アタシの心を一瞬で奪ったわ。アタシは、人魚の美しさに目を奪われながら、彼女に尋ねた。

「あなた、なんでタコたちを鎮めてくれたの?」

「彼らは、この神殿に迷い込んだ旅人たちを、海の底へと引きずり込もうとしているのです。私は、彼らを鎮めるために、歌を歌っているのです」

人魚は、悲しそうな顔でそう言ったわ。アタシは、人魚の優しさに心を打たれて、彼女に協力することにしたの。

「メル、アタシたちにできること、ないかしら?」

「ありがとう、旅人。この神殿の奥には、タコの王がいるのです。彼を倒せば、タコたちは大人しくなるでしょう。しかし、タコの王はとても強く、私一人ではどうすることもできません」

アタシとアーバインは、人魚に協力して、タコの王を倒すことを決意したわ。タコの王は、この階層のボスみたいね。

「任せてちょうだい! アタシとアーバインのコンビネーション、見せつけてやるわ!」

アタシたちは人魚の案内で、タコの王の巣窟へと向かったの。

タコの王の巣窟は、巨大な洞窟だったわ。洞窟の中央には、巨大なタコが鎮座してた。その体は、アタシたちの数十倍もあって、目がぎょろぎょろとアタシたちを見てたわ。タコの王は、アタシたちに気づくと、巨大な触手を振り回して、襲いかかってきた。

「よくも我が下僕たちを! 貴様ら、許さんぞ!」

タコの王の声は、洞窟に響き渡った。アタシとアーバインは、タコの王との激しい戦いに挑んだの。

「アーバイン、タコの触手を攻撃して! アタシは毒と硬化でサポートするわ!」

アタシは、タコの王の触手に向かって毒付与ポイズンインフレクトLv2を放った。タコの王は、毒を浴びて苦しみ、触手の動きが鈍くなった。その隙に、アーバインが剣を振るい、タコの王の触手を次々と切り裂いていった。彼の剣技Lv5は、タコの王の硬い皮膚をも切り裂くほどだったわ。

でも、タコの王も黙ってないわ。巨大な触手を振り回し、アタシたちを叩き潰そうとしてきたの。アタシは、タコの王の攻撃を避けるために、透明化インヴィジブルLv2を使って身を隠した。しかし、タコの王は、アタシの存在を感知してるみたい。

「くそっ、見えているのか!」

アタシの透明化インヴィジブルLv2は、タコの王の熱源感知には通用しないみたい。危ない!タコの王の触手が、アタシに向かって伸びてきたわ。

その時、アーバインがアタシの前に立ちはだかった。

「私に任せろ!」

アーバインは、タコの王の触手を剣で受け止め、触手に絡みつき、そのままタコの王の頭部へと向かって登り始めた。彼の神経強化Lv2と水中適応Lv3のスキルが、水中での動きを助けてるみたい。

「アーバイン、そこよ!」

アタシは、タコの王の頭部に向かって、硬化スクラーサスLv2をかけた。タコの王の頭部は、硬化して動きが鈍くなったわ。その隙に、アーバインは剣を振り下ろし、タコの王の頭部を切り裂いた。

タコの王は、絶叫を上げて倒れた。彼の巨体は、洞窟の床に激突し、大きな振動が起きたわ。

「やったわね、アーバイン!」

アタシはアーバインに駆け寄り、彼の無事を喜んだ。アーバインは、汗一つかいてない。さすが、Lv37の骸骨騎士ね。

タコの王が倒れると、タコたちは大人しくなり、アタシたちの前にひれ伏したわ。人魚のメルが、洞窟に入ってきた。彼女は、アタシたちに深々と頭を下げて、感謝の言葉を述べたの。

「ありがとう、旅人。あなたたちのおかげで、この神殿に平和が戻りました。さあ、この先には、さらに危険な試練が待っている。気をつけて進んでください」

人魚はそう言って、アタシたちを地下2階へと続く階段へと案内してくれたわ。アタシは、メルに別れを告げた。

「メル、元気でね。また会うこともあるかもしれないわ」

「ええ、また会えることを信じています。あなたたちの旅路に、光あれ」

メルは、アタシたちに微笑みかけ、そう言ったわ。アタシとアーバインは、人魚に別れを告げて、地下へと足を踏み入れたの。

地下2階:迷宮の管理人と謎解き

地下2階に降りると、そこは巨大な迷宮だったわ。迷宮の壁には、古代の壁画が描かれてて、通路にはさまざまな仕掛けや罠が待ち受けてたの。アタシとアーバインは、迷宮の中をさまよいながら、先に進む道を探してた。

その時、迷宮の奥から声が聞こえてきたの。

「旅人よ、ようこそ。私は、この迷宮の管理人、オラクルと申します」

アタシたちは声のする方へと進むと、そこに一人の男が立ってたわ。男は、ローブをまとってて、その顔はフードで隠されてたの。

「ここは、海神が作った迷宮。安易に進むことはできない。この迷宮を抜けたいのであれば、私が出す謎を解かねばならない」

男は、アタシたちにそう言ったわ。アタシは、男の言葉に耳を傾けながら、警戒を怠らなかった。男は、アタシたちのことを知ってるみたいだったの。

「お主は、魚の姿をした人間であろう。そして、そちらは骨の騎士。お主たちは、この神殿に封印された海神の力を解き放つために来たのか?」

アタシは男の言葉にびっくりして、アーバインと顔を見合わせたわ。男は、アタシたちの正体を見抜いてるみたいだったの。アタシの探知ディテクションLv2のスキルを使っても、男の正体はわからなかった。

「あら、違うわよ。アタシたちはただこの迷宮を通り抜けたいだけなの。海神とかいうやつには用はないわ」

「ほう、そうか。ならば、お主たちに謎を出そう。この謎を解けば、この先に進むことを許そう」

男はそう言って、アタシたちに謎を出したわ。

「私は海に住み、空を飛ぶ。私は水に溶け、火に燃える。私は光を放ち、影を落とす。さて、私は一体何者だろうか?」

アタシは男の謎に頭を悩ませたわ。海に住んで、空を飛ぶ。水に溶けて、火に燃える。光を放って、影を落とす。そんなもの、存在するのかしら?アタシの鑑定ディテクションLv3のスキルを使っても、謎の答えはわからなかった。

アタシは、男の謎を解くために、さまざまな可能性を考えたわ。でも、どれも正解じゃないみたいだった。その時、アーバインが口を開いたの。

「それは、太陽ではないか?」

アタシはアーバインの言葉に驚いたわ。太陽は、海に住むことはないじゃない。空を飛ぶこともないわ。でも、男はアーバインの言葉を聞いて、満足そうに頷いたの。

「見事だ、骨の騎士。その通り、答えは太陽だ。太陽は、海に住む魚たちの命を育み、空を飛ぶ鳥たちの道しるべとなる。太陽は、水に溶け、火に燃える。太陽は、光を放ち、影を落とす。お主たちなら、この先の試練も乗り越えられるかもしれぬ。さあ、進むがよい」

男はそう言って、迷宮の奥へと続く道を開いたわ。アタシとアーバインは、男に一礼して、奥へと足を踏み入れたの。


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