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空飛ぶ山賊達? -アタシの念力で大空へと飛び立て!-




うららかな昼下がりの休憩時間。ミンジュンの店でメアリーと向かい合い、のんびりと茶杯を傾けていた、その時だった。


魔物の子供たちが身を寄せ合って眠る奥の部屋から、静寂を切り裂くような**「ガシャッ!」**という硬質な音が響き渡った。


「えっ! 今の音、何ですか……!?」


「奥の部屋からね。……行くわよ」


メアリーは即座に立ち上がると、まるで熟練の狩人のように足音を完全に消し、抜き足差し足で部屋へと近づいていく。……へぇ、いつの間にあんな隠密のコツを覚えたのかしら。


「――『念力サイコキネシス』!」


アタシはあえて回り道をせず、念力で扉を強引に跳ね飛ばした。だが、そこにあったのはもぬけの殻となったベッドと、力任せに開け放たれた窓だけだった。


よし、まだそんなに遠くへは行っていないはず。アタシは「念力」でメアリーの体をひょいと持ち上げて背中に乗せると、そのまま窓から外へと躍り出た。


視線を走らせると、前方で建物の屋根から屋根へと、奇妙な身のこなしで飛び移る影がいくつか見える。


「まさか、真昼間から堂々と忍び込んでくるなんてね……」


「先生、あいつらですかね!?」


「ええ、間違いないわ。魔物の子を乱暴に担いで屋根を走るなんて、ただの泥棒じゃなさそうね」


「……だったら、私たちが捕まえて領主様に突き出してやりましょう!」


あら、随分と勇ましいじゃない。


アタシたちは「透明化」の魔法で姿を消しているから、向こうはこちらの追走に微塵も気づいていない。奴らの動きを観察してみると、これがなかなか面白い。どうやら鉤縄を器用に使い、忍者のように屋根を伝っているらしい。


追跡すること数分。裏山の深い木陰で奴らは足を止めると、首にかけた笛を短く吹き鳴らした。


すると、茂みの奥からガサガサと汚らしい男たちがゾロゾロと姿を現す。どいつもこいつも目つきが濁っていて、ふてぶてしい。特に、せり出した太鼓腹を揺らし、立派な顎髭を蓄えたオールバックの中年男は、見るからにふんぞり返っている。


「オイコラぁ! 随分と遅かったじゃねぇか、あぁん!?」


「へへっ、すんませんジーノさん! ほら、言われた通り魔物のガキを二匹、しっかり連れてきましたよ」

あら、やっぱりあの顎髭のオッサン――ジーノってのがリーダー格なのね。

「先生、あの人たちに照明魔法を叩き込みたいんです。もう少し近づけますか?」

「ええ、もちろん。お安い御用よ」

なるほど、目眩ましを仕掛けるつもりね。

アタシが念力を加速させ、奴らの背後すれすれまで肉薄すると、メアリーがスッと右手を掲げた。


「じゃあ先生、いきますよ……! 挑発プロヴォケーション!」


メアリーのスキルが発動した瞬間、山賊たちの体に異変が起きた。彼らの意思とは無関係に、強制的に体が後ろへと引き絞られる。


「な、なんだ!? 何もねぇのに、後ろが気になって仕方ねぇ……ッ!」


「どうなってやがる、一体……!」


「う、うわああぁ! 首が、首が勝手に曲がるぅぅ!?」


中には無理やり体を捻じ曲げられ、関節からミシミシと嫌な音を立てている者までいた。そこへ、メアリーが追撃の一手を放つ。


「『照明魔法マジックライト』!!」


カッ! と、メアリーの掌から爆発的な閃光が放たれた。

「うわぁぁぁ! 目が、目がぁぁぁッ!!」


不意を突かれた山賊たちは、あまりの眩しさに絶叫した。彼らはたまらず担いでいた魔物の子供たちを放り出し、焼けるような両眼を必死に手で覆い隠した。


 はーいそれじゃあ魔物の子供達は念力サイコキネシスで回収しま〜す♪


 とその前に彼等にはちょっと子供の頃に思い描いたであろう夢を叶えてあげましょうかしらね〜っ!


 アタシ達は透明化を解いて山賊達の目の前に姿を見せた。


「ジーノさん、き……急に子供と魔物が目の前に現れやがったさっきのおかしな術はコイツらの仕業かよ?」


「ハアァァン何だテメェらは? 拐っている所を見られちまったからには生かしちゃおけねえわなぁ

 オイやるぞオマエら!」


「「ウイィッス!」」


 アラっなかなか元気ハツラツねえ

 でもそれがいつまで続くかしら?


「先生、行きますよ!」


 かかってきた山賊達を迎え討つようにメアリーは剣を振り上げた男の間合いに素早く入ると男は剣を振り下ろして来たのでその力を上手く利用してその男を他の山賊に向けて投げた。


「おう、やるじゃねえかこの小便臭そうなガキ

 オマエ何者だ?」


「ひゃははっ! ほれ、特製だ!」


ジーノが下品な笑い声を上げながら、ずっしりと重みのある古びた黄色の布袋をメアリーの顔面めがけて投げつけた。


「うっ……!? な、何これ……目が、焼けるように……っ!」


不意を突かれたメアリーが顔を覆う。袋から弾け飛んだのは、鼻を突くような刺激臭を放つどす黒い粉末だった。


「どうだ! そいつは急性の幻覚作用がある『山の幸』をたっぷり混ぜ込んだ特製パウダーだ! ヘヘッ、一度吸い込みゃ最後、涙が止まらず視界はグニャグニャ。これでお前はもう、俺の姿を捉えることすらできやしねえ。……これが、搦め手ありきの『山賊の戦い方』ってやつよ!」


「目が……あ、開けられな……っ」


視界を奪われ、もがくメアリーをジーノは冷酷に見据えた。彼は自身の身の丈ほどもある節くれ立った太い棍棒を構えると、地面を力任せに蹴る。


バチンッ!!

凄まじい風切り音と共に、助走の勢いをすべて乗せた一撃がメアリーの側腹部を捉えた。

「うがぁっ……!?」

肺の空気をすべて吐き出させるような鈍い衝撃。メアリーの体は木の葉のように宙を舞い、無残にも急勾配の斜面へと叩きつけられた。受け身を取る余裕すら与えられず、彼女の体は土煙を上げながら、山の斜面へとゴロゴロと転がり落ちていった。


「オイお前ちょっとついて来い。あのガキ生きていたら素っ裸にして身柄さらっちまおうぜ!」



 ジーノは目の前にいた部下を連れて山の斜面を下ろうとしたその時、体がまるで金縛りにでもあったかのようにピタリと動かなくなってしまった。


「ねえ、ちょっとアンタ達! あの子を素っ裸にして身柄をさらうですってぇぇ……」


 ジーノ達だけではなくその場にいた山賊全員が

 1ミリたりとも動く事が出来ずにいた。


「何だって……んだこりゃ? カラ……ダが動か…ねえ」


「あげるわ!」


 ピシッと山賊達は自分の意思とは別の力で気をつけの姿勢 を取らされた。


「うわっ?何だよーっどうなってるんだおれの体が勝手に動くぞ?」


 スパッ!スパッ!と念力サイコキネシスで山賊達の服を全て脱がしてやったわ。


「さぁさぁアンタ達、お待ちかねのチンコプターの刑よ〜♪さぁみんなでお空へピューン♪」


「ちょっこんな姿……だ…誰か助けてくれえぇぇっ!」


 山賊達は自力で領主の所までブルンブルンと飛んで行きました。めでたしめでたしってね〜

 メアリーが目を擦りながら自力で戻って来た。




「せ…先生、あの人達はなんでいきなり裸になっているんですか?」


「メアリーちゃんは小さい頃に青空を飛べたらいいなぁって思わなかったかしら?

 彼らのその夢を今アタシが叶えてあげたのよ

 ウフフフ♪」



 


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