転生者の真実
ザノ・ガーヴョルゲンを倒して新たに次元移動という能力を手に入れた。
コレで元の世界へ帰れるわ……
でも………そうなるとメアリーは??
やはりまだ彼女を放って置くわけにはいかない
「先生、大丈夫ですか」
「貴様、一体どうしたというのだ?」
「なにか不具合でも?」
3人が妙に心配する中、魔女っ子婆さんがアタシの方は向き直って口を開いた。
「さっきの神もどきを倒して核を食らった事によりとんでもないユニーク能力を得たんじゃよ。ただそれをどのように使えばよいのか困っておるんじゃろ?」
「そうね、ってそういえばアンタって今回は何のようで来たんだっけ?」
「おお、ワシャすっかり忘れておったぞい
実はメアリーにコレを渡すよう頼まれたんじゃ」
何と前に会いに来てくれたミカエラさんから
じゃないのよ〜 ちょっとちょっと〜?
何でこんな大事な事を忘れるのかな?
「先生、ちょっと見せてもらえますか?」
メアリーはネロと一緒に手紙の内容を見てみると
何とそこには面談の場所と日時が書いてあった。
しかも面談の日が明後日の夜だとか?
とりあえずネロの屋敷に戻り、操られていた子達
を眠らせてから、アタシは魔女っ子婆さんに問い詰めた。
まずはさっきの神もどきについて、奴らは何者なのか? 何が目的なのか? そして明後日メアリーの面談はどうしたらいいのか
「それは前にお主にやった本に書いてあったであろう、まあよい説明してやるわい!
本来ならお主ら転生者はこの世界を乗っ取りめちゃくちゃにする為に奴らのチカラによってこの世界に生を受けとるんじゃよ」
「それじゃあ何よ、アタシにメアリーちゃんや
ミンジュンを殺せっていうの? なによそれバッカじゃないのよ? そもそも一体何でその考えに行き着くのかしら?」
「奴らは転生者を世界浄化の為に送り込み
伝説の魔法や武器、言伝えや勇者達の子孫を滅するのが転生者の本来の目的なのじゃよ」
なにが世界浄化よそんなの自分たちにとって都合のいい世界にしたいだけじゃないのさ、何よそれ
まるでどっかの独裁政治家みたいね
「うむ、なるほど勇者達こそが唯一彼等を脅かす強力な戦士に育つ可能性があると考え勇者の存在を恐れているワケか……我は昔ヴァールシュタット王国にいた頃、御伽話が何かで聞いた記憶があるがまさか本当だったとは………」
「なるほどね、んじゃ最後の質問よ
明後日の面談はどうすればいいのかしら」
「ああ、それなら大丈夫じゃよ。もう既に付き人を1名用意しておるそうじゃぞ。ちなみに明日ミンジュンの店に来るそうじゃ」
アラ、今窓の外から転移魔法陣の光りが見えたわ
誰か来たのかしら? とりあえず窓から覗いて見るとアーリッヒともう1人は誰かしら初めて見る顔ね?
「ねぇ、どうやらお客さんが来たみたいよ?」
コンコン!
ノックをして来たのでネロが扉を開くとアーリッヒと見知らぬ男性が一礼して入って来た。
「ええと、どちら様かな?」
「実は、こちらの方がメアリーさんが面談を受けに行く学園の案内人の方だそうです」
男はツカツカとメアリーの方へと近づいて一言いい放った。
「か…可愛い…キミがメアリーちゃんか」
「ハイ…えっとアナタはどちら様ですか?」
「オレは勇者ヨシキ、キミを守るために異世界から召喚されたキミの王子様だよ」
ヨシキはメアリーを見つめながらそう答えた。
「そもそも面談のための案内兼付き人が来るのは
明後日だと聞いていたんじゃがのう」
「嗚呼、その話か? ミカエラさんにとっても可愛い子だと聞いていても立ってもいられなくなり早く来ちゃったんだよ愛しいメアリー姫に会いにね」
メアリーの表情がもろ拒否反応を示して、すがるようにアタシに寄って来た。
「あ…あの先生、この人は一体なんなのでしょうか? 私にはさっぱり分からないのですが」
「おそらく彼はメアリーちゃんアナタに一目惚れしちゃったのよ」




