出逢い
多分次は三ヶ月後かな、、ぇw
よく寝た!今日もあの子はとても可愛いかった!
もうハウハウしたくなる。
この手作りのあのツインテールの女の子フィギュアを手にとって頬をスリスリすると幸せで鼻血がでそうになる。
僕の部屋は夢に出てきた女の子の人形からぬいぐるみ、絵画、全て手作りのものによって埋め尽くされている。
会えない思いを、愛を!こういう風に形にしているのだ。
もうツインテールの黒髮の可愛い女の子を見ると思わず抱きついてしまう。小学歳の頃はまだよかった。しかし中学辺りからそれは犯罪行為だと、幼馴染の女の子に固く禁じられている。
しょうがない。体が勝手に動いてしまうのだから。この愛は病的なのだ。永遠に治ることのない不治の病なのだ。
これが僕だし直すつもりなんて毛頭ない。
そんな事を考えていると結構いい時間になってしまった。家族は他界して居ないので、起こしに来てくれる人はいない。
慌てて学校に行く支度をし始める。遅刻をすると幼馴染の女の子にどえらく怒られてしまうのだ。
洗面台の前に立ち髪を整える。
生まれつきの金髪の髪に、金色の瞳。
幼馴染たちには整った顔なんだから趣味は考えろと言われたことがあるので、決して悪くないのだろう。両親には髪を簡単に整えるだけでいい顔に産んでくれたことにとても感謝してる。
そして制服に着替えて住んでいるアパートを後にするのだった。
青空は好きだ。夢のなかの赤黒い空に慣れてしまってるからか、青空を見ると安心する。
いつかあんな空を見ることになるんではないかとたまに不安に押しつぶされそうになることがある。それでもあの女の子を思い出しては勇気をもらっていた。
「ここらへんで、空から女の子なん、、ぐへっ」
顔面にとてつもない痛みを覚えた空を仰ごうとしたら空から何か落ちて来た。しかも生暖かくて、柔らかい、、これはなん、、なんだっ!
そして仰向けに僕は倒れてしまった。
「あら、、悪かったわ」
その声に血が沸騰するのがわかった。
思わず上半身を起こす。すると顔の上に乗ってた物が地面に落ちた。
目の前にあるのは僕の上に跨ってる何か。
スカートの中から黒いレースのパンツが覗いていた。
「ちょっ!」
僕が間違えるはずなかった。毎日毎日聞いて来た声だ。でも彼女がこの世にいるなんてことがあるはずがなく。ましてや、空から落ちてくるなんてこと、、っ。
いや、その前に目の前のパッ!パッ!
「女王に対して失礼な態度ね。私の椅子になれる事を喜ぶべきところなんだけれども、、。まぁ良いわ」
そう言いながら彼女は立ち上がって僕の方に振り返る。
シルクのように美しい黒のツインテールの髪が黒い羽根のように舞う。艶やかな髪はまるで星々が光り輝く夜空のようだった。
そして否定を許さない絶対的な威厳のある声。
そして、クリクリとした真っ黒な大きな瞳。その可愛い瞳には力強さを感じさせられた。
そして夢は黒いドレスだったが、目の前の女の子は黒いセーラー服を身にまとっていた。
「、、、きっきみ、、はっ」
あまりの驚きに声がうまく出せなかった。
「残念な男ね。鼻血がでているわ。ハンカチ使って頂戴。お礼は今度でいいわ。無礼も許すとしましょう。貴方も怪我したみたい」
さう行ってレースの高級そうな黒いハンカチを貸してくれた。
「貴方とはまた会える気がするわ」
僕は唖然とし過ぎて、尚且つ急なことで腰が抜けて立てなかった。
それがこの世界の歯車が動き出した合図とは知らずに、僕はただただ感動のあまり大量に出る鼻血を抑えていた。