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ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第2階層―GREEN―
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ニートな女神と初めての沼地

筆者が最も苦労するのは、実は後書きコーナーで書くやつだったりする。

 私はそれからアルベールの村を出るとフローリアの街に戻って一旦ログアウトした。

 現実世界に戻ってきた私はゲーム機を頭から外してテーブルの上に置くと、服を着替え始めた。


「しかし、沼地の攻略はたぶん大丈夫だと思うんだけどレベルは大丈夫なのかな」


 私は昨夜のレベル上げで現在レベルは21。たぶんだけど沼地と迷宮ダンジョンはもう楽に攻略できるだろうとは思っている。

 ただ、依然として私はソロプレイヤーであって迷宮のボス戦まで余裕かと問われると答えは否だった。

 第1階層のドラゴン戦でも、第1階層を攻略するだけなら十分以上にレベルを上げてたのに苦戦というか、死にかけたしね。

 だから第2階層のボス戦まではもっと安全に倒すためにより一層のレベル上げが必要だと思うのだ。


「順当に沼地と迷宮のモンスターを倒していけばあと1つか2つはレベルが上がるだろうとは思うが」


 私は服を着替え終えると、外へ行く準備を済ませてアパートの部屋を出た。そして近所のコンビニへ昼飯を買いに出かけた。

 コンビニには新商品のおにぎりやら弁当やらがあったけど今日は無難に普通のおにぎり2個。

 具は鮭とツナマヨだ。それと菓子パンをいくつかとペットボトルのお茶を1個買った。

 私は、あまりお菓子類は好んで食べない。別に嫌いでもないけどカロリー高いし、あとお金に余裕ないからね。

 アパートの部屋に戻ってきた私は、買ってきたもののうちおにぎり2個とお茶を飲み食いした。菓子パンは、もちろん今日の夕食だ。


「よし、腹ごしらえも終わったことだし。ゲーム再開すっか」


 もうわかりきっていたことではあるけど、最近の私はゴッドワールド・オンラインのゲーム世界にいる時間の方が長い。というより生活がそれ中心に回っていると言っても過言ではない。

 でも私がゲームに飽きるまでしばらくはこの生活が続くんだろうな。


<第2階層:花の都フローリア>


 私はログインするとまずは街の武器屋へ向かった。

 フローリアの街の武器屋についてだが、やはり店の商品は第1階層のものとは違いがほぼなくて、私の今のドラゴンシリーズの装備以上の性能のある武器や防具などは置いてはいなかった。だからまあ私は武器は売るだけにしておいたのだけど。


 今回売ったのはこれまでのゴブリンたちから手に入れた木製武器と、昨夜たくさん倒しまくったコボルトサーベルから手に入れた鉄のサーベル。

 鉄のサーベルは1個80Gで売れたのだが、この階層で装備を売ってお金を稼ぐのにはいい装備品だといえるだろう。

 ちなみに今回、ウェアウルフを2回倒したことで合計4つ手に入れていた力の指輪とクイーンビーを倒して入手した色々あって今5つ持っている耐麻痺の指輪も売ってしまおうかと思ったけどそれはまだやめておいた。そういうのは今度まとめて売った方がいい気がして。


「また今度、もっといいの売りに来ます」


 私はアイテムの売却が済んだ後で店のおっさんにそう言った。


「おお、そうかい。じゃあ金を用意しとかないとだな。はははは」


 それでおっさんはそう答えたけど、私が次来た時に売りに出す品物を見てどれだけの値段をつけてくれるのかね。というか金は足りるのか。


 私は武器屋を出るとそれから街の北東門へと向かった。

 そこから先が最後のフィールドである沼地になっていて、それを抜けた先にこの階層の迷宮ダンジョンがあるわけだが、今日は迷宮までは行かずに沼地の攻略に留めておこうと思う。

 沼地で新しいスキルが手に入ってスキル成長のためにモンスターを狩りまくる必要もあるかもしれないし。事前に情報収集とかもしておきたいから。


「いざ!」


 私は門の前で深呼吸を1回してから門をくぐり抜けた。

 新しいフィールドに初めて出てみる時はいつでも緊張するものだ。


<第2階層:沼地>


 それで門を出た先はそこはまさに沼地と呼ぶにふさわしいフィールドだった。

 まず門の外がすぐに森のように木々が生い茂り暗い感じになっていて、そして地面に泥のような色をした水たまりが点在している。


「うわぁ。これもしかしたら底なし沼とかあるのかな。入ったら即死的なトラップとか」


 私は一応警戒しながらもその水たまりに足を入れてみたがどうやらそれは本当にただの水たまりだったようでちゃんと地面に足もついた。

 しかし靴を履いていているとはいえ精神的な気持ち悪さは拭えず、さらにこのフィールドではそれまでのフィールドよりも地面がやわらかく歩くたびにグニャリといった感じでそれが気持ち悪さを倍増させていた。出来ることなら長居はしたくない場所だったが、そんなことを言っていても始まらなのでとりあえず私は歩き出す。


 さて、この沼地フィールドにはさっき私が警戒したようにトラップがあった。

 ダンジョンではなくフィールドで初めてトラップがあることを確認した私だったが、しかしそのトラップは今の私には何の脅威もなくて。つまりはそれは毒沼だった。


 他の泥みたいな色の水たまりとちがい紫の毒々しい色をした水たまりを見つけた。

 きっとそこに足を入れたらプレイヤーは程度は知らないが毒の状態異常になるんだろう。ただ、私はもう何度なく言った通りすでに毒無効のスキルを持っている。

 そのためその毒沼も普通の水たまりと同じように足を踏み入れることができた。


「ああ、普通に歩いてたらまず足を踏み入れないけど。戦闘中になったら混乱してうっかり足を踏み入れたり、あるいはふっとばされたりしてここに落ちたりとかするんだろうな」


 私はもはや他人事のようにそう呟きつつ沼地の探索をしていた。

 というところで沼地に出現するモンスターについて紹介していこうと思うが、ここの新モンスターについてはどいつもこいつも非常に厄介でうざったい攻撃をしかけてくるモンスターが多いとだけ、最初に言っておこう。


 まずは1体目だが、これはおなじみゴブリンの新種で名前はゴブリンシャーマン。

 シャーマンとは、呪術師のことでゴブリンメイジの仲間かと思ったら全然違った。


 ゴブリンシャーマンは顔に何か仮面のようなものをつけて頭には羽根突きの帽子、そして手には木の杖を装備していて愛嬌のあるゴブリンの顔を仮面で隠してくれていることには助かった。

 しかしこいつは、直接攻撃は杖による打撃のみだったのだが今までで一番厄介な魔法を使ってきた。


「ゴブゥ~!」

「え、なに?……うそ、これってまさか」


 それは弱体化の魔法だった。しかもこいつが下げてくるのは私のとりえでもある耐久の値。

 つまり耐久低下を引き起こす魔法を使用してくるのだ。そしてこの魔法、どうやら対象が目視できてさえいれば問答無用でかけることができるようでソロだと回避することはほぼ不可能。

 本来であれば数人のプレイヤーでパーティを組んでいたら1人が耐久低下の魔法を食らったとしても他のメンバーでそれをカバーしていけば問題はないのだが、私はソロだからそれだけでも結構致命的な問題になりかねない。

 なので私は戦闘になったらまずこいつの有無を確認し、いた場合はまっさきに狙いをつけて倒すことにしていた。それでも食らうことはあったけど、そこはもう仕方ないと割り切った。

 ちなみにゴブリンシャーマンを倒しても件の弱体化の魔法はもらえなかった。くそ、これだからゴブリン族のモンスターは嫌なんだよ。倒してもスキルも魔法もくれない。

 ドロップしたのはゴブリンの仮面というアイテムで、初めて武器以外の装備品を落としたゴブリンだったけど、正直この仮面のデザインはださいし、装備の質も悪かったのでこれも売り払う用だな。


 新モンスターの2体目。これはスラッガーと言って黄色いナメクジのモンスターだった。

 ナメクジなので敏捷がまあ低く、ブルースライムと同じレベルで移動は基本しないのだけど。

 こいつの厄介な点は2つある。1つは粘液を飛ばす攻撃をしてくること。

 この粘液飛ばし攻撃を食らうと、プレイヤーは敏捷低下になる。第1階層のポイズンスパイダーのクモの糸攻撃と同じだったけどこちらの粘液攻撃はダメージ判定がある分さらに厄介だった。

 しかもこの粘液、仮によけても地面に落ちてから10秒くらいはその場に残るためフィールドの足場を占領してくる。


 そしてもう1つの厄介な点はというと……


「せいやぁぁぁぁ!……あれ、なんで?」


 このナメクジ。粘液攻撃以外にも、物理攻撃をしかけてきたプレイヤーに対して一定の確率で敏捷低下のバッドステータスを引き起こすのだ。きっと体表面がぬるぬるしてるから、そこに直接触れても粘液をくらうよってことなんだろうけど。

 だからこいつは基本的に魔法攻撃で倒す必要があり、プレイヤーはこいつのためだけにMPを消費することになる。まあ賢さは低いみたいでファイアーボール1発で倒せはするんだけど。


<新しいスキルを入手しました>

 スキル:ぬるぬるボディ


「うわー。これって……」


 〇ぬるぬるボディ

 効果:物理攻撃をしてきた敵が自身に触れた時に20%の確率で敵の敏捷を20%低下させる。効果時間は15秒。重ねかけは不可。


「いや、効果はすごく使えるんだけどね。だけど、なんか……嫌」


 私はそれが有用な効果のスキルであることは十分に理解していた。

 しかし私はそのスキルに関しては入手した直後にすぐにオフにした。もちろんパッシヴスキルだったこれは……だってなんか嫌だったから。

 だってなんか、このスキルをオンにしたら体がぬるぬるになりそうだったし、たとえ実際にそうはならないのだとしてもスキル名がねぇ……うん、嫌。


 それでスラッガーのドロップアイテムはスラッガーの粘液っていうね……拾いたくないな、マジで。


「なんか、このフィールドのモンスター。こっちの能力下げてくるやつが多いけど。やっぱり第2階層の最後のフィールドだけあってモンスターも、厄介なのが多いな」


 モンスターのレベルも高めだったし、それでも今の私よりは下なんだけども。


 新モンスターの3体目だが、これは比較的楽に倒せた。

 名前はポイズンバタフライで、花畑にいたホワイトバタフライの強化版かな。

 名前の通りこちらを毒の状態異常にしてくるであろう紫色の毒鱗粉をまき散らす攻撃をしてくるけどもこれについてはもう説明不要だよな。私は瞬殺したよ。

 ドロップアイテムは毒の粉っていう紫色の粉で、まあこの先何かに使えそうなアイテム名だったけど。


 そして新モンスターの4体目。まだまだ新しいモンスターが出てくる出てくる。


「おおっと、あれは蛙だな。名前は……ブルーフロッグ、か。いや、ブルーっていうよりは……」


 それは体長1メートルほどの蛙のモンスターだった。

 ただ、モンスター名がブルーフロッグ、直訳して青い蛙というわりには体色はむしろ水色に近かった。

 そう、水色の蛙。……ちょっと気持ち悪いな。


「なんか、ここのモンスター。見た目気持ち悪いのも多いけどこれはあれかな。ゲーム制作者たちのちょっとした悪意だろうか」


 ブルーフロッグはホーンラビットのように跳躍しながら移動するモンスターだ。

 ただホーンラビットが跳んでもせいぜい1メートル程度だったのに対しこちらは普通に3メートルくらいの距離を一気に飛び越えてくるし、その跳んだ時の高さもホーンラビットとは比べものにならないほど高いために、私の頭上を飛び越えていきなり背後に回られることがあったりしてよく後ろから攻撃されることもあったんだけど、私はバックガードのスキルで背面からの攻撃はダメージを少し減らせるから。後ろに回られてもそこまで焦りはしなかったよ。


 それでブルーフロッグの攻撃方法についてなんだけど、3種類ある。

 至近距離まで跳んできてからのジャンプ体当たり。口を開き長い舌でこちらをつつく攻撃。

 前者は盾で受けて弾き返せる。問題は後者の方でこの舌によるつつきがすごく速い。本体の敏捷の値とは別に攻撃の速度自体が速いため回避も盾も間に合わずに素で受けてしまうことも結構あった。

 しかもブルーフロッグは力が意外と高くて軽微ではあるがダメージを受ける。ゴブリンシャーマンとセットに出てきて耐久低下の魔法をかけられている時は割と馬鹿にならないダメージになるし。


「ライトヒール!……うん。やっぱこの程度のダメージにはこの回復魔法で十分だな」


 私は唯一覚えている回復魔法、ライトヒールでブルーフロッグから受けたダメージを回復した。

 本当はHPドレインのスキルがあるからそっちで回復した方がMPの消費を抑えられるからいいのだろうけど。でもHPドレインの効果は私の物理攻撃にしか適用されない。

 ブルーフロッグは絶えず飛び跳ねているせいでなかなか物理攻撃を当てるのが難しいのだ。だから私はより確実に回復できる方を選んだ。


 そしてブルーフロッグにはさらにもう1つ攻撃手段があって、それは泡だった。

 口から放たれたのは大きな泡の塊で、それがしばらくフィールドに残りふよふよと浮いていた。

 ただ、別に私の方に飛んでくるというわけでもなさそうだったけど、それが逆に厄介だった。


「あー、もう邪魔臭い」


 そう。空中に漂うそれがただただ邪魔臭くてしかたないのだ。

 だから私はその泡が出たらすぐに攻撃して割った。すると泡は割れた瞬間に周囲に水をまき散らして私はそれを直撃してしまった。だけども私にダメージはなかった。


「あ、そうか。これ水属性の魔法攻撃だ」


 私がこのゲームで最初にモンスターから手に入れたスキル、水魔法耐性(現:水魔法無効)がこの時ついに効果を発揮したのだ。私はたしかに泡を割って飛び散った水しぶきの攻撃を受けたが、それは水属性の魔法攻撃だったのでダメージは100%カットされて0に。


「ふ、ふはははははは。なんだよ。じゃあもうあの泡は無視していいな」


 私はそれからブルーフロッグのその泡攻撃はすべて無視することにした。

 無視というのは、回避しないということだ。自分から割りに行ってもいいし、別に動いてる途中で体にぶつかっても気にしない。だってダメージないからね。

 ……まあそれで破裂した瞬間にちょっと驚きはするけども。


<新しいスキルを入手しました>

 魔法:アクアバブル


 〇アクアバブル

 水属性の初級攻撃魔法。大きな泡を発生させる。泡は発生した後で3分間その場で漂い敵が触れた瞬間に破裂して周囲に水をまき散らし攻撃する。

 消費MP:5 リキャストタイム:10秒


「この魔法って、ようは空中に罠というか、機雷を設置するようなものだよな」


 効果時間が1個の泡につき3分で、リキャストタイムが10秒。

 ということはリキャストタイムが過ぎて再使用できるようになる度にこの魔法を使っていけば最大でも17個までこの泡はフィールドに発生させられるということだ。

 そうなれば敵はまず身動きはとれないだろう。プレイヤーでもダメージ覚悟で突っ込んでこない限りまず移動することを躊躇するかもしれない。


「遠くから弓とか魔法を使って割られたらそれでおしまいだし、しかも消費MPが1回で5もあるから。大量に出すのは現実的じゃないかな」


 せいぜいがこちらに直進してくる相手をちょっとひるませる程度の魔法かもしれない。

 せめて1度に1個ではなくもっとたくさん出てくるなら使いようもあるんだけど。


「あれ、でも。フィールドとかに罠を設置するのって特殊魔法って言うんじゃなかったっけ。でもこの泡、攻撃魔法って……ああ、そうか。相手にすごく近いところでこれ使って、それで自分で割れば飛び散った水で相手を攻撃できるから、か」


 つまり、特殊魔法で言われるところの罠とは、あくまで相手が何かした時限定で発動するものに限られるということだ。アクアバブルの泡に関して言えば、やりようによっては普通に攻撃手段としても用いることができるから攻撃魔法の扱いになるんだろう。


「そこら辺はちゃんと考えてるんだな」


 私はアクアバブルの魔法の説明画面を閉じるとそうつぶやいた。

 ちなみにブルーフロッグだが、雷属性の魔法がよく効いたのでそれで倒した。

 ドロップアイテムはまさかのカエル肉だったけど。これはきっと料理で使うんだよね?


「……別にさっさと売ってしまってもいいかな」


 なんだろうね。普段は食べないものだからかやっぱりちょっと抵抗あるんだ。

 でも食べてみたら意外と美味しいって話は前に誰かから聞いた気もするけど。


 ――それから3時間――


 実はまだもう2体、このフィールドには新モンスターが出現した。

 そのうちの1体はもちろんここのエリアボスなので後回し。先に残りの1体について紹介しておく。


 モンスター名はマッドマン。第1階層の岩場に出現したストーンマンが体が石で出来た人型のモンスターであったならこちらは泥で出来た人型のモンスター。

 弱点はストーンマンと同じで水属性の魔法だったけど、こいつはストーンマンの使ってきたストーンバレットよりも厄介な魔法を使ってきた。


 〇マッドショット

 土属性の初級支援魔法。泥の塊をなげつけて当たった敵の敏捷を30%低下させる。効果時間は1分。

 消費MP:6 リキャストタイム:30秒


 マッドマンはストーンバレットは使ってこなかったんだけども、スラッガーと同じようにこちらの敏捷の値を低下させる効果のある魔法を使用してきて、私がマッドマンを倒すとその魔法が手に入った。


「効果時間が1分しかないけど、結構使えそうだなこれ」


 ウィンドステップが自分の敏捷を上げる魔法だとして、こちらは相手の敏捷を下げる。しかも下げる割合は30%とそこそこ良い。

 私がウィンドステップを使ったうえで敵にマッドショットを当てられれば私は敵に対して速さの上で相当アドバンテージを取れる。でもこの魔法、問題点が1つだけあって。


「射程距離が短い!」


 この魔法は使ってもせいぜい2メートル先くらいまでしか飛んでいかないのだ。これではまず当てる時にかなり敵に接近しなければいけない。加えて泥の塊の発射速度も遅いから放ってもよけられてしまう可能性が高い。


「だからまず最初にウィンドステップでこっちの速さを上げてから確実に敵に当てていかないといけないけど。うーん……まあ普段はあまり使わないかも。ボス戦とかでは役立つコンボだけど」


 コンボとは、複数のスキルや魔法の効果を組み合わせる合わせ技のことで、これはプレイヤー自身が生み出し、発見していくことが常となっている。

 たとえばこちらの攻撃力を上げてから、敵の防御力を下げて大ダメージを与えることを狙ったりだとか、そういうやつだ。


 ゴッドワールド・オンラインの世界にはスキルや魔法は本当に無数に存在しているんじゃないかと言われておりいまだに全部でいくつあるのかその全容は知れないらしい。

 だから必然的にプレイヤーたちの考え出したコンボも、それこそ無数に出来て行くし今なお現在進行形で生み出されては攻略サイト等にこんなのどうかなという感じで書き込まれていくわけだが。


「まあこれも、きっと先にどこかの誰かが見つけた組み合わせのはずだしね」


 こっちの速さを上げて相手の速さを下げるなんて、ゲーム内ではむしろ常套手段もいいところだ。

 でもシンプル故に強力なコンボだとも言える。


「迷宮の中ボスとか、ボスに土属性の耐性がないようなら1回試してみようかな。このコンボ」


 ……え?、どうして迷宮の中ボスかボスなのかって?

 沼地のエリアボスにでもさっそく試してみればいいじゃんって?


 いやいや、君。それは君がまだここのエリアボスの姿を見てないから言えるんだよ。

 だって、そいつ絶対に土属性に耐性あると思うんだ。というかそもそもそこまで素早くもない敵に使ってもあんまり効果を実感できないと思うし。


 え、この沼地のエリアボスはどんなやつなのかって?


 いやいや、それはもうわかるでしょう。だってマッドマンがいたんだよ?

 それなら当然ここのエリアボスとなるモンスターはさ……


「ああ、マッドゴーレム。ストーンゴーレムの泥バージョンだな」


 沼地のフィールドに登場する最後に紹介するべき新モンスター兼エリアボスはマッドゴーレムだ。

 マッドゴーレムはストーンゴーレム同様にこっちから攻撃をしかけない限り向こうから攻撃をしてくることもないモンスターだった。あるいはこの先の階層でも〇〇ゴーレムって言うのでエリアボスのモンスターであれば全部そうなのかもしれないな。まだわからんけど。

 さて、こいつもストーンゴーレムみたいに腕をロケットみたいに射出してくるのかね。


<モンスター辞典>

〇ゴブリンシャーマン

ゴブリン族。木製の仮面で顔を隠し、杖を持ったゴブリン。

シャーマンの名の通り、プレイヤーに対して回避不能の耐久低下を引き起こす呪いをかけてくる。

実は仮面をつけている理由はただ恥ずかしがりやなだけであり、仮面を集中攻撃して壊すと一目散に逃げだす。(その場合経験値やゴールド、ドロップアイテムはなし。)

ドロップアイテムであるゴブリンの仮面については、このデザインが恰好良いと言うプレイヤーもいるとかいないとか。しかし多くのプレイヤーはダサいと言っているのでどうだろう。

ドロップ:ゴブリンの仮面


〇スラッガー

水族。黄色いナメクジのモンスターで、口から粘液を飛ばして攻撃してくる。

詳細は本編にて記述した通りでゲーム内で初めて登場する水族のモンスターでもある。

余談だが、このモンスターに調味料アイテムの塩をなげつけて当てることによって、物理攻撃をしてもこちらの敏捷を下げてくる効果がなくなるらしい。(体の粘液が消える。)

ただ、わざわざそんなことしなくても魔法攻撃で普通に倒せるから、興味があるなら1回試しにやってみればいいんじゃないかなという程度の情報。

ドロップ:スラッガーの粘液


〇ポイズンバタフライ

昆虫族。ホワイトバタフライの強化版でこちらは羽が薄紫色をしたちょうちょのモンスター。

プレイヤーを毒(微小)の状態異常にする紫色の鱗粉を飛ばして攻撃してくるので毒対策はしっかりしておかないといけない。耐久もHPも低いので倒すこと自体はさほど難しくはない。

ドロップ:毒の粉


今回登場した他の新モンスターについては次回紹介。


(※本来はポイズンバタフライからも毒耐性のスキルを得る可能性はあったのですが、玲愛はすでに第1階層でポイズンスパイダーを100体倒してしまっていたことで、毒無効のスキルまでスキルを成長させていたから何も得られず。この先も玲愛がすでにそのスキルや魔法をすでに習得していることによって倒しても何もないモンスターとか、増えていきます。)

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