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ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第2階層―GREEN―
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ニートな女神と初めての提案

クリスマスですね。筆者は今年も1人でパソコンに向かってカタカタと小説を打ち込んでいます。

物語の中では現在季節は夏まっさかりです。ああ、早く年が開けて、冬も開けないかなと思う日々を過ごしています。(ちなみに筆者が一番好きな季節は秋。)

 牧場内には建物が4つあった。

 1つはさっきまでいた観光客や冒険者用に作られた休憩所。

 休憩所は2階建てであり牧場内でも最も大きい建物だ。

 1つはアーネルさんと娘2人が暮らしてるだろう家でありそれは休憩所に隣接する形で建っている。

 そして残りの2つだが建物の大きさが大きい方が牛舎、そして小さい方が養鶏場だった。

 ただ鶏の方はそれほど多く飼育していないのか養鶏場というよりは鶏小屋に近く、その分牛舎の方は立派できっと多くの牛が飼育されているに違いない。


 私はシアに教えられた通り、休憩所を出て建物をぐるっと回りこんで牧場の裏手までやってきた。

 するとそこには家畜用の餌であろう草の他に野草が生えている区画があった。


「お、ここだな。おおお、そしてこれはもしかすると……」


 そこに野草は大量に生えていた。薬草と魔力草が多めでそこに麻痺消し草、麻痺草も少しだが生えていたのでとりあえず今生えている分を全部手で引っこ抜いて採取しておいた。

 草系のアイテムだが、誰かプレイヤーが採取しても早ければ数時間でまた同じ場所に同じ野草が生えてくるので取るときも特に他のプレイヤーのことを考えて遠慮する必要はない。(あまりにも貴重な野草とかなら別かもしれないが。)まあ、生えている草の種類や場所にもよるけど。

 というかそもそも、草系のアイテムって調合のスキルがないと持っていてもあんまり意味ないし、店で売ってもどれも安いものばかりで稼ぎにもならないからよほど金に困ってるプレイヤーでもない限りはまず取ったりしないのだ。

 もっと言えばここはモンスターの出現しない安全地帯の中だから、こんな場所でわざわざ地面に生えている草を採取していくなんてやつはそれこそ私のような調合スキル持ちくらいのものだろう。


 そして、この牧場の野草群生地帯には私の望んでいたあの草も発見できた。


「これが、眠り消し草か」


 眠り消し草。緑に白い斑点模様がついている草だった。

 全部取った後で確認したが、眠り消し草は全部で22本生えていたようだ。

 うーん、そうだな。できればまたここに復活するのを待って40個くらいになったら一気に眠り消し薬を作る方がいいかな。その方が分かりやすいし。

 それに眠り消し薬は私はまあ絶対に使わないというか、ソロプレイヤーには持っていてもそれこそ意味のないアイテムだからいますぐ作る必要はないし。


「ふーむ。今までの流れから察するに、調合が次のレベルになったら眠り薬とかできるのかな」


 ようは敵を眠りの状態異常にする薬だ。それにはおそらく眠り草という草が必要になるはず。

 そして眠り草は、きっと真っ白な草なんだろうな。


 だって毒草は紫一色で毒消し草は緑の葉に紫の斑点模様。

 麻痺草は黄色一色で麻痺消し草が緑の葉に黄色の斑点模様。

 ということは、同じであれば眠り消し草が緑の葉に白い斑点模様の野草だから眠り草は白一色の草なんじゃないかと予想することができる。

 もちろん確証はどこにもないが、その可能性は高いだろうと私は思う。


 理由は簡単で、きっとそっちの方が分かりやすくていいから、だ。

 少なくとも私がこのゲームを作る側の人間だったら、そうするような気がする。


「あの~。そこで何されてるんですか?」

「え!?」


 私が野草を全部取り終えたタイミングで背後から声をかけられた。

 慌てて立ち上がり振り返るとそこには私と同じくらいの年(見た目)の赤毛の女の子が立っていた。

 女の子は手に家畜用の餌である草が詰まった籠を持っていたが、きっとこの子はシアの妹、アーネルさんの下の娘に違いない。


「あ、ごめんなさい勝手に。一応シアさんにここの場所を聞いて、えっと」


 私は今のこの状況をNPCにどうやって説明しようかと考えを巡らせていたけど、私がそこでシアの名前を出したところで向こうが先に反応した。


「え、お姉ちゃんにですか?、あ……もしかしてお客さんですか?」

「え?……うん。そうだけど」

「あ、ごめんなさい。私ったら、えっと。ちょっと待ってて下さいね」


 シアの妹(確定)はそう言うと籠を持ったまま牛舎の方へと歩いていき牛舎の入り口に籠を置くとすぐに私のところへ戻ってきた。


「すみません」

「うん。えっと君は?」

「私はレベッカっていいます。シアお姉ちゃんは私のお姉ちゃんで。えと、ここの牧場を経営してるのは私のお父さんなんですけど……」

「ああ、うん。大丈夫。それもわかってるしお父さんにも挨拶したから」

「あ、そうですよね」


 どうやらレベッカはちょっとそそっかしいというか、シアも明るくて元気だったけどやはり妹の方が元気いっぱいという感じでしゃべり方もはきはきしている。

 シアとアーネルはどこかおっとりしてるような印象があったのでちょっと面白かったけど。


「えと、それでお客さんはここで何をしてたんですか?」

「んー、まあちょっとね」

「ここってたしか野草が……あれ、ない。もしかしてお客さんが全部抜いてくれたんですか?」

「うん。そうだよ」

「ああ、すみません。でもここに生えている草は、抜いても燃やしてもまたすぐに新しいのが生えてくるんです。だから……」


 うん、レベッカちゃん。それは私も十分知ってるから。

 あ、でもそうだな。それならちょっと聞いてみるか。


「あ、そうなんだ。えと、ちなみにどのくらいの期間で生えてくる?」

「えーと、そうですね。まあ半日もしたらまたすぐに一杯生えてきてます」

「半日、か」


 それじゃあまあ明日にならまたこの群生地帯はさっきと同じくらいの状態になっていることは間違いないだろう。うん、それならまた明日ここに草を取りにこよう。

 ここには魔力草もたくさん生えてたし、魔力草は聖水の元となるからたくさんあって困りはしない。

 明日ここで野草をまた採取したらまた村に行ってクローディアの薬局で調合をさせてもらうことにしよう。


「あ、そうだお客さん。もううちのソフトクリームは食べました?」

「うん。さっきシアに頂いたよ」

「味はどうでしたか?」

「すごく美味しかったよ。今まで食べたソフトクリームの中で一番美味しかった」

「でしょでしょ~!、えへへへ。うちのソフトはこの階層以外でも有名なんですよ。わざわざ他の階層から噂を聞きつけて食べにくる人がいるくらい」

「へぇー。そうなんだ」


 その食べにくる人というのはプレイヤーの話だろうか。

 いや、第3階層以降の生まれのNPCも祭壇を使えば自分が生まれた階層よりも下の階層には自由に行き来できるだろうから案外NPCも来るのかもしれない。

 というか噂って。NPCたちの情報網って階層を越えているの?


 そうしてその後、私はレベッカと一緒にまた休憩所まで戻ってくるとそこでシアにちゃんと野草の生えている場所が見つけられたことと、生えていた野草はとりあえず全部取ってしまったことを告げた。

 本当はわざわざ言う必要性もないが、まあ野草とはいえ土地の持ち主の許可なく取ってしまったことには少しだけ罪悪感があったから一応。


 シアは私の話を聞いた後でさっきレベッカが言ったことと同じ事、つまりまたすぐに生えてくるんでと言っていたので私はシアにそれじゃあ明日また野草を取りに来てもいいですかと告げたらもちろん許可をもらえた。まあ、ゲーム的にはこの許可とかも別にいらないし、プレイヤーは地面に生えている草なら勝手に取っていって何も問題はないのだけども。


「あの、ちなみに取った草ってその後どうしてるんですか?」

「え?」

「やっぱり、街のお店に売るとか?」


 シアにそう言われた私は少し考えた後でこう答えた。


「あの、生えている草とか君たちにはたぶん何の意味もないただの雑草なんだろうけど。私は取った草と、あとは他にも色々材料を組み合わせてポーションとか回復アイテムが作れるスキルを持っててね」


 私が正直に言ったのは、まあここの野草を取っていくことを快く許可してくれたシアたちへのお礼もあるし、NPCだから別に言っても大丈夫だろうという思いもあった。


 NPCたちの多くは、私たちプレイヤーのことは主に冒険者と呼んでいる者が多いが、NPCの中にもフィールドに出てモンスターを倒したり迷宮を攻略したりして階層を進んだりする者もいるため、冒険者=プレイヤーというわけではない。まあプレイヤーは全員冒険者であることは間違いはないけど。

 実は街にいる普通のNPCたちにもレベルやスターテスが個々のキャラごとに設定されており魔法やスキルという概念も理解しているし、NPCの中にもスキルや魔法を使える者もいる。

 というか、きっとそういうNPCが冒険者とかやってるんだろうけど。

 NPCたちのレベルはプレイヤーは基本確認することは出来ないが、それは確認する必要がないからでもある。だってNPCの多くは街や村にいるからモンスターとの戦闘なんて起こりえないし、そうなると一応設定されているはずのステータスもあってもなくても同じだろうから。

 もっとも、クエスト等でプレイヤーと一緒にフィールドに出たりするNPCなど一部例外的にプレイヤーがNPCのステータス等を確認する機会もあるが、それも本当に一部だしね。


「へぇ、そんなスキルがあるんですか。初めて知りました」


 そしてNPC毎に、知っているスキルの知識や情報等に偏りがある。

 まあ生まれてからずっとこの牧場にいたと思われるシアとかなら、調合なんてスキル知らなくても当然だと思うし。逆に薬屋を経営してるリックス、ルドルフ夫妻、クローディアさんなどは調合のスキルのことは当然知っている。たぶん他の薬屋さんも。


「まあ、マイナーなスキルだしね。知らなくても当然だよ」


 私はそう言うとシアに本日3個目となるソフトクリームを注文した。

 うん、本当に美味しいよこのソフトクリーム。これは第3階層より先に進んでもたまに思い出して食べに行きたくなる味だ。

 私はソフトクリームを食べ終えるとシア、レベッカの姉妹にお礼を言ってからまた明日も来るからと言って休憩所を出た。

 牧場を出る前にまだ畑にいたアーネルにも挨拶した。ソフトクリームが美味しかったと言うとアーネルは笑顔になってまたいつでも食べにくるといいと言ってくれた。


 牧場を出た時点で時刻は午後2時過ぎ。今日は5時にはログアウトする予定だからあと3時間か。

 スリープシープもすでに100体倒して眠り無効スキルを手に入れたしな。他に成長させるべきスキルが特にないし、でもただモンスター倒して経験値稼ぎするのもな。


「1度街まで戻って冒険者ギルドに行くか」


 冒険者ギルドのギルドクエストで、この牧草地帯のモンスターの退治とかの依頼を今のうちに済ませておこう。たしか牧草地帯で受けられるギルドクエストも9つあったっけ。

 というか、この階層の冒険者ギルドのギルドクエストって総数が45だったけど。

 花畑、森、牧草地帯、沼地、迷宮の五か所でそれぞれ9個ずつの依頼に分かれたんだよね。

 私はすでに花畑と森にある18個のギルドクエストのうち17個はクリア済みだった。

(残りの1個はクイーンビーの討伐だが今はまだ行く気はない。)


「1度に5つ受けるとして、9つなら1往復でって。あ、そうだったエリアボス」


 私はそこでこの牧草地帯というフィールドのエリアボスの存在を今まですっかり忘れていたことに気がついた。昼間の時点では出現しなかったようだから出るとしたらまた夜か。

 今日の夜、ヤヌスの部屋で一緒に夕食を食べてから自分の部屋に戻ってきて、それからゲームをして夜の牧草地帯をちゃちゃっと片付けてしまおう。

 エリアボスがどんなやつなのかは知らないけど、ギルドで聞けば名前くらい教えてくれるかな。


 冒険者ギルドは一応私たちのようなプレイヤー、冒険者の互助組織という設定だが職員に直接モンスターの攻撃方法や弱点等を聞いても教えてもらえないことが多い。

 職員曰く、それはご自分で実際に戦っていく中で見つけられた方がよろしいでしょう、とのことだが、まあそれはその通りだと私も思う。

 どうしても知りたければ他のプレイヤーか情報屋にでも聞けばいいのだしね。

 ただしポイズンスパイダーやキラービーなど階層に出現するモンスターの中でも特に厄介な攻撃をしてくる一部のモンスターや、あるいはそこのフィールドに出現するモンスターの種類や名前程度であれば教えてもらえたりもする。


「よし。そうと決まればまず街に戻るか」


 というわけで私は牧草地帯を抜けてまたフローリアの街へと戻ったのだった。

 あ、もちろん道中もモンスターとか出たら全部蹴散らして行ったよ。あとちょっとでレベルアップしそうってとこで街に着いちゃったから少し引き返そうか迷ったりもしたけど。

 まあどうせまたすぐにこのフィールドには戻ってくるしね。


<第2階層:花の都フローリア:冒険者ギルド>


 それでまあ私は冒険者ギルドにやってきたわけだけど。

 まず受付に行きそこでイケメンのお兄さんに牧草地帯のエリアボスについて聞いてみたら驚きの答えが返ってきた。


「ああ、そのご質問はよく受けるのですが答えは、いません」

「……はい?」

「ですから、牧草地帯にはエリアボスに相当するモンスターは存在しません」


 おっと、これはまた初めてのパターンだな。

 あ、でもそういや別にすべてのフィールドに必ずエリアボスが存在するなんて決まりもなかったし、そういうフィールドもあるわけか。


「ですが、牧草地帯は昼と夜とでモンスターの分布と行動パターンが大きく変化するのでその点には注意が必要かと」

「というと?」

「あまり具体的には申し上げにくいのですが、まあこれまでのフィールド同様に夜はフィールドの攻略難易度が上がるとだけ。出現するモンスターのレベルも上がりますし」

「もしかして夜にだけ現れるモンスターとかもいたりする?」

「そういうことになりますね。出現するモンスターの名前程度であれば、今お教えしてもよろしいですけどいかがいたしましょう?」

「あー、うん。いいや、エリアボスがいないってことを教えてもらっただけで十分」


 それに出現モンスターの名前なら実はギルドクエストの依頼書とかに書かれてたりするからね。

 〇〇っていうモンスターを〇体討伐せよとかいう感じでさ。

 モンスターの名前って、まあ今までに遭遇したやつに関してはだけどだいたい名前からそれがどんなモンスターなのかということは想像できてたし、相当特殊というか、このゲームオリジナルの単語とかのモンスター名でもなければ大丈夫だろう。

 それでも、あくまで想像ができるってだけで実際遭遇して戦ってみたりしたら全然違う感じだったなんてこともあるのだけどね。


 受付のお兄さんにお礼を言った私は、それでギルド掲示板の前までやってきたのだが。

 掲示板の前になにやら見覚えのあるプレイヤーたちの姿を発見した。


「ちょっと課長。それ本気で言ってるんですか?」


 ……あれ、この声どっかで聞いたことあるな。


「大丈夫だって。今の僕たちなら行けるって」


 ……この声も聞き覚えがあるぞ。というかつい先日聞いたな。


「まあまあ、一応念のため金は全部銀行に預けたんだし、回復アイテムも十分に余裕があるんだ。ここは課長の言う通り1回挑戦してみても良いんじゃないか?」


 そうそう。3人組のパーティでね。男2に女1の構成で全員プレイヤー名が麺の名前っていう。


「そうだよ。それにほら、森の熊だって倒せたじゃないか」

「あれは事前にあの子に色々聞いていたから……って」


 あ、気づいた。


「ど、どうも」

「あーーーーー!、玲愛ちゃん!」

「あ、本当だ」


 私の視線の先、ギルド掲示板の前でまた何かを言い争っていた3人組。

 パス太、ナポリたん、ペペロンチーノは私に気づくとそれぞれ一様に驚いた表情をした。

 いや、うん。同じ階層を攻略中だし、冒険者ギルドはプレイヤーもそれなりに多く集まるから知り合いと出会う確率も大きいとは思っていたけど。

 まさかこんな短期間にまたこの3人と遭遇することになろうとは私も思わなかった。

 時間加速機能が存在しないこのゲームでは、同じ時間にログインして同じ場所にいなければあらかじめ示し合わせでもしない限り滅多に知人と出会うことはないというのに。


「やあ、また会ったね。それと昨日はありがとう。君の教えてくれた情報のおかげで熊はなんとか無事に倒せたよ」


 まずそう言ってきたのはパーティリーダーの小柄な男性、パス太。


「そうそう。初見であれと戦ってたら絶対に返り討ちにあってたわ。もう、だからやめておこうって言ったのに」


 メンバーの中で唯一の女性プレイヤー、ナポリたん。


「まあ、君の情報込みで戦っても結構苦戦したからな。あの遠距離からの風の刃みたいな魔法攻撃は反則だろう。事前に聞かされた時も思ったが」


 そしてパーティの壁役で大柄な体躯から歴戦の戦士かと思われる風貌の男、ペペロンチーノ。

 彼らはリアルでは同じ食品会社に勤めてる会社員であり、リーダーのパス太は課長。他2人は平社員だと思われる。


「へぇー。でも勝てたんですよね?」

「ああ、おかげで全員のレベルも上がったしね」


 そうか。それは何よりだな。


「えと、それで皆さんは何をしていたんですか?、なんだかまた言い争いをしていたように聞こえましたけど」


 私がそう尋ねるとナポリさんが答えた。


「そうなのよ。課長ったらまた無茶なこと言いだして」

「無茶?」

「無茶じゃないよ。行けるって。今の僕たちのレベルなら絶対クイーンビーを倒せるって」


 あーーーー。そうか、うん。


「クイーンビーの討伐にむかわれるんですか?」

「ええ、まあ一応ね。だけど私は絶対にまだ早いと思うのよ。たしかにレベルはそこそこ上がっているから一方的にやられることはないと思うんだけど。他のプレイヤーの人たちに話を聞いていたら絶対にやめておいた方がいいと思って」


 なるほどね。そうか、うーん。3人であのクイーンビーを倒すのは無理ではないだろうけど、でもまだ難しい気はする。倒したときに耐麻痺の指輪が4つドロップしたから本当は4人以上で戦うことが推奨されているっぽかったし。

 私は3人のレベルも知らないし直接戦闘してるところは見たことないけど事前情報込みでフォレストベアと戦ってまだ苦戦したというならあまりオススメはできないかな。


「ペペロンチーノさんはどう考えているんですか?」

「俺も正直今の状態で挑んで勝てる確率は低いと思う。しかし1度戦ってみて傾向と対策というか、とにかく負けを覚悟で1度戦ってみてもいいんじゃないかと思ってる。それに今の状態で勝てる確率がゼロではないとも思うし」

「えー、2人ともつれないな~」

「逆に私はどうして課長がそこまで楽観視できるのかがいつも不思議でならないです」


 なるほど。つまりはまあ意見の上ではクイーンビーに挑む派が多数なわけか。

 ああ、そういうことなら、ちょっと提案してみようかな。


「あの、それじゃあこれは提案なんですけど、私も一緒に行きましょうか?」

「「「……え?」」」

「今回だけの臨時メンバーというか、助っ人として。クイーンビー討伐に」


 私がそう提案すると3人はお互いに顔を見合わせた後で私に向き直り、声をそろえて答えた。


「「「是非お願いします!」」」


 面白かったのは割と3人で挑んでも大丈夫だとか言ってたパス太もそう言ったことだ。

 なんだお前、口ではそう言いつつもやっぱりちょっと不安だったんじゃないか。


 まあ、そんなわけで私は臨時に麺類トリオ(仮称)のパーティに参加しトリオはカルテットになった。

 あ、私のプレイヤー名は麺類とは何の関係もないよ。もちろんわかってると思うけど。


12月の26日から1月の初旬くらいまで、つまりは年末年始ですが筆者は実家に帰省してのんびりと過ごす予定なのでその間物語の更新はしません。(決してネタ切れではありません。)

第2階層編も今ちょうど半分くらいか全体の4割ほど書き終えたというところですが続きは新年になってからになることご容赦ください。

更新再開は1月の10日前後になる模様。出来れば1月中に第2階層編を終わらせてしまいたいと思ってはいますがまあ無理でしょうね(笑)


ということで一応、今後の第2階層編の大きな流れを言っておきます。

まず麺類カルテットによるクイーンビー戦(次回)。調合のスキルレベルがⅣに上がる。最後のフィールドである沼地とラストは迷宮の攻略。その間に住人クエスト、とくに第2階層でも第1階層のヤタガラスと同等レベルのボスが待ち受けるボスクエストがあるのでそこはまた長引きそう。


そして神界の方でもアストレアとヤヌスの恋愛模様……あ、違った。アストレアの神としての成長ぶりとかを書いていく予定。

※前にも言いましたがこれは予定なのでもしかすると書かれない可能性もあります。


2018年もニートな女神はニートなまま頑張っていきますのでどうかよろしくお願いします。


アストレア「いや、そこはニートを脱せろよ」

筆者「無理だね」

アストレア「なんでだよ!?」


皆さん良いお年を!!!!


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