ニートな女神と初めての街
感想にて総プレイヤー数が3万人というのは人気ゲームと呼ぶのには少なすぎるのではないかというご指摘を受けました。私も調べてみたところたしかに不特定多数の人間がプレイするゲームタイトルとしては新ジャンルであるVRゲームであることを考慮しても少なすぎるということがわかりました。
が、今からその部分の設定を急に変更すると混乱を招く可能性を考慮して今までの部分に関して数字の変更等は行いません。ですが、この先の本編内でできるだけ自然な形で総プレイヤー数に関しては変更するよう修正を行う予定。
第2階層の拠点となる街の名前はフローリアというらしい。
うん、やっぱり街に名前があるっていいことだよね。だって始まりの街ってなんかちょっとおかしいもん。ゲーム的にはそれでいいんだろうけど現実的じゃないっていうかさ。
それでまあフローリアという街の話なんだけどなんかめっちゃ花が多い。
道の途中に花壇や花の植えてある鉢植えがものすごいあって、建物の2階とか3階のベランダとかにも花がすごい目立つ。つまり、この街は花が特産品というか押しなんだろう。
いや綺麗だよ。もちろん、街の景観はすごく良いと私は思うしなんならこの街に家を買ってみるのもいいかもしれないなと思った。
ただ……なんていうか。綺麗なんだけど綺麗すぎて逆にちょっと。
あんまり長くいすぎると目が疲れるレベルの綺麗さっていうのかな。だからまあ家を買うのはちょっと考えた方がいいかもしれない。
「かなり大きな街っぽいけど。えっと、まずは冒険者ギルドを探すか」
私は街の探索を始めたのだがこの街、意外と入り組んでるというか坂が多い。
登ったり下ったりして自分が街のどこらへんにいるのかよく見失いそうになるんだけど、幸いにも街のマップは街に入った瞬間にプレイヤーは全部確認できるからね。
そうして街の中をさまようこと10分、私はようやく目当ての冒険者ギルドを見つけた。
冒険者ギルドは階層ごとに1つしかなく、またこの冒険者ギルドがある街こそがその階層でもっとも大きくプレイヤーが拠点として活動する街ということだった。だからできるだけ早くこの街のどこに何があるのか覚えなきゃな。
フローリアの街の冒険者ギルドも、始まりの街と同じような構造で2階建てだった。
1階にギルドの受付と銀行、そしてクエストの掲示板がギルドと住人のもので2つあり、2階にはプレイヤー達の歓談スペースがあるのも同じ。
私はまず、銀行の窓口に行って第1階層で預けたお金がちゃんとここで引き落とせるか確認した。
22万預けていたからとりあえず2万ほど引き落としてみた。
「こんにちは。あの、お金を引き落としたいのですが」
「こんにちは。あら、あなた見かけない顔ね」
「はい。今さっきこの街に着きました」
「あらそう、それじゃあしばらくはこの街にいるのね?」
「え?、あ、はい。まあ……」
うん、たしかにそうつもりだったけど今の質問はどういう意味だろうか。
まあいいか。私は銀行の受付の中年のおばさんに2万ゴールドと告げてプレイヤー名を言った。
おばさんはその額にも驚いていたけど私の預金額がさらにその10倍あることを確認するとなぜか大笑いしていた。
「あははははは。あなた、すごいわね。さっきこの街についたってことはこれ、第1階層で稼いだ金額ってことでしょう?」
「はい、そうです」
「いやあ、びっくりだわ。この階層で結構頑張ってる人でもここまでため込んでるのはなかなかいないのに、それをまさかもう持ってるなんて」
「へ、へえ。そうだったんですか」
「はい。2万ゴールドね。この階層でも荒稼ぎする気なのかしら?、楽しみね」
「そ、そうですね」
なんと、20万ゴールドという預金額はこの階層でも上位のプレイヤーの預金額と同等らしい。
いや、そのプレイヤーもこの階層に来てからしばらく頑張ったプレイヤーの預金額であって今の時点ですでに20万ゴールドも手にしているのはやはり異常なことだったか。
でも、かといってお金を預けずに大量のゴールドを持ち歩いていて万が一にでも死んだりしたら目も当てられないからね。
この階層を出て次の第3階層に進むときに銀行の預金額がどのくらいにまで膨れ上がっているのかを想像するとちょっと怖いけど。ゲーム内でお金はあって困るものでもないし。
でも、まあこれで銀行はどの階層でもちゃんと預金額のデータが共有されていることが確認できたことだし一安心というところ。
私は次にギルドの受付の前に行ってみた。私が話しかけたのは黒髪ショートヘアのかなりイケメンのお兄さんだったけど、始まりの街の薬屋のリックスといい勝負だ。
「すみません。ちょっと聞きたいことがあるんですけど」
「はい。なんでしょうか?」
「あの、えっと。実は私さっきこの街、っていうかこの階層に来たばかりで。この階層のことについて聞きたいな、と」
「はい。それでしたら少々お待ちください」
と言って黒髪ショートのお兄さんはカウンターの奥から何やら大きめの紙を引っ張ってきた。
それはこの第2階層の大まかな地図のようなものだった。
「まずこのフローリアの街がここ。それでこの階層にはもう1つ村がありましてそれがここになります。次にフィールドですが……」
お兄さんは常に笑顔でかつ丁寧な口調で説明してくれた。うん、イケメンだ。
私はお兄さんからこの第2階層のだいたいの地理情報について教わった。
まず、この階層には街が1つと村が1つあるということ。あ、街はもちろんここね。
それでフィールドエリアが3つとダンジョンが2つあるらしい。
フローリアの街には外のフィールドにつながる門が3か所あってそれぞれ北東門、西門、南東門というらしい。
私がさっき入ってきた門は南東門であり、南東門からは花畑というフィールドに出ることが出来る。
残る2つの門について。西門から先は牧草地帯というフィールドが広がっていてフィールドの途中に牧場もあるらしい。そこの牧場のアイスクリームはおいしいと評判とのこと。
北東門より先は沼地というフィールドがありそこが最後のフィールドでモンスターも強くて厄介なのが多い。沼地の先には第1階層の時と同じで迷宮ダンジョンがある。
でだ、この階層にはもう1つ通常のダンジョンもあるらしくそれは森だった。
うん、森って名前のダンジョンらしいよ。あ、第1階層にあった森林フィールドのあれはあくまでフィールドの一部であってダンジョンではなかったからね。名前も、まあ被ってると思うけどこっちの名前の方がむしろ一文字でシンプルだしね。
そのダンジョン森だが、花畑の奥に広がっているらしい。
そしてその森を抜けた先に、村がある。
「村に行くためには森を抜ける必要があります」
「そうですか。えっと、ちなみに森ってどのくらいの難易度のダンジョンですかね?」
「それは……人にもよると思いますが。ただ、第1階層の迷宮を突破された方でしたらそれほど苦戦はしないものかと存じ上げております」
「……そうですか。あ、ありがとうございます。色々教えていただいて」
「いえいえ。これも僕たちギルド職員の仕事の1つですから。また何かわからないことがあればいつでもご相談にのりますよ」
「あ、ありがとうございます」
お兄さんの最後のイケメンスマイルには私もあやうく顔が真っ赤になるところだった。
いや、現実で恋愛なんて1度もしたことない私でさえこれなんだから普通の一般的な人間の女の子だったなら今ので完全に落ちていただろう。たとえゲームの中のキャラであっても。
くそ、このゲームはいったいどこを目指していると言うんだ!
それから私は受付のカウンターから離れるとチラッとクエストの掲示板の方も見てみた。
この階層ではギルドクエストは全部で45。住人クエストは始まりの街と同じで総数50か。
今は受ける気はないけどまたこの階層の攻略が進んだらいくつか受けていこうかね。
「さて、どうしようかな。うーん、次は祭壇でも探してみるか」
祭壇。それは階層でメインとなる街には必ずあるものでありゲームの始まり、ログインするときのスタート地点でもある。
この街の中に入った時点で、私はこの街の中でログアウトした場合は次回からこの街の祭壇でログインすることになるわけなのでその場所は確認しておくべきだろう。
祭壇にはワープゲートの役割もあって始まりの街の祭壇まで一瞬で移動できるそうだが。
私は冒険者ギルドを出ると街の中の散策を始めた。
途中で武器屋を1つ発見したけど、うーん、別に今はいいか。
というか多分だけど、第2階層の店で売ってるようなどんな武器や防具も、今装備してるドラゴンシリーズのものよりも良い性能のものがあるとは思えないんだよね、実際のところ。
だから武器屋とかは、まあまたエリアボスとか倒した時に手に入る装備品などのレアアイテムを売りに行くところという扱いでも問題はないだろう、今のところは。
まあそれでも今度、一応品ぞろえを一通り確認はしておくつもりだけど。
そしてさらに歩いていくうちに道具屋が2軒、薬屋も発見した。
面白いところでフローリアの街にはなんと花屋さんが存在していた。
いや始まりの街にはなかったんだよね。花屋って。
私はちょっと興味を持ってその花屋さんの店先で花に水をやっていた小学生くらいの女の子に話しかけてみた。
「ねぇ、ここってお花屋さんだよね?」
「うん。そうだよ」
「どんなお花を売ってるの?」
「色々あるよ。うーんとね、パンジーでしょ、コスモス、ラベンダーとかほかにもいっぱい」
「ふうん、そうなんだ。えっと、花っていうのはどうするものなの?」
「どうって、何が?」
「だからあの、お花って何をするアイテムっていうか、使い道を知りたいんだけど」
そう、花屋に花が売ってることは当然なんだけど。
私はそもそもその花というアイテムのゲーム内での使い道がわからなかった。
たとえば肉屋や魚屋、野菜屋などで買える食材アイテムは料理のスキルを持っているプレイヤーが料理スキルのレシピで素材として使うことは想像に難くないんだけど。
花っていうのは、使い道がよくわからないから。
「うーん、そうだなあ。お部屋に飾ったり、あとはお世話になった人にプレゼントしたりとか?」
「あ……ああ、そうかそうか。そうだよね。花だもんね。ごめんね変なこと聞いちゃって」
「ううん。別にいいよ。お姉さんもお花好きなの?」
「あー、うん。割と好きな方、かな?」
「そう。うちの店はこの街でも1番人気のお店だからもしもお花を買いたかったらうちに来てね」
「うん。わかったよ」
そうだよね。何もすべてのアイテムがゲーム的になんらかの意味があるってわけでもないんだ。
花は、普通に現実と同じような感じの用途でただ花として使われるもの。きっと、家を買ったら家の中に飾ったりできるとかそれくらいのアイテムなんだろう、うん。
というか、この街ってそんなに花屋あるの?、1番人気ってことは少なくとも最低でも3軒はあるんだろうし(2軒しかなかったらあっちの店よりもって言うだろうから。)
「やっぱり、この街は花が売りなんだな。うん、間違いない」
ここまで来るともう疑いようもないだろう。
私は女の子に笑顔で別れを告げるとまた街を歩いて回る。その途中でさっきとは違う花屋を発見したけどもういいよ花屋は。もうわかったから。
それで探していた祭壇の場所だったけどこの街の北側にある公園にあった。
その公園には大きな花時計があってきっとそれが街のシンボル的なやつなんだろう。人が多い。
プレイヤーだけでなく街の住人もけっこういるみたいだし。
「一応祭壇に乗って階層の移動も試しておくか」
私は公園内の祭壇の上に登った。すると祭壇の上、私がいる地面に円形の光で出来た緑色の紋様が現れると私の視界に画面が開かれた。
『階層を移動しますか?』
はいorいいえ
私は゛はい゛のボタンを手でタッチした。すると画面が切り替わった。
『移動先を選んで下さい』
第1階層:始まりの街
私はまだ、ここと始まりの街の祭壇しか使ったことがないから移動先は1つしか表示されてなかったけれどこれはこの先増えていくのだろう。
私が第1階層:始まりの街の項目をタッチすると画面は消えて次いで光とともに私の視界が真っ白に。
そして次の瞬間にはもうそこは始まりの街の見慣れた祭壇の上だった。
「問題はなさそうだな、よし、戻ろう」
私は一旦祭壇を降りてからまた祭壇に乗り、階層移動をしようとした。
階層移動自体は出来たよ。でもちょっと笑っちゃったというか、気になったのは移動先の街の名前表示だった。
始まりの街の祭壇に乗って第2階層に戻ろうとした時に表示された街の表示はこうだった。
『移動先を選んで下さい』
第2階層:花の都フローリア
私はフローリアの街の祭壇の上に戻ってきてから心の中でこう言った。。
いやいや、花の都って。この街そんな別名あるの?
プレイヤーがゲーム画面で開いたマップでは、現在地点の欄には単にフローリアという街の名前だけが表示されているのでわからなかったのだが。
おそらく、街の名前としてはフローリアだけでいいし伝わるんだろうけど、ゲームシステム的にはそういう別名がある、ということなんだろうか。
じゃあなんで始まりの街には逆に街の名前がないんだよとも思ったけど、そこはもういいか。
とにかくこれで決定的になったな。いやもう疑ってなかったけどさ。
「この街、すごい花を押してくるな」
きっとそう思ったのは私だけではないだろう。というか絶対プレイヤーは皆思ったよね?
<第2階層:花の都フローリア:南東門>
というわけであらかた街の探索も終わった私は、また花畑に行ってみることにした。
とりあえずグリーンスライムは100体。ホワイトバタフライに関しては300体ほど倒して手に入れたスキルのレベルをⅩにして置きたかったし。
ああ、そうだ。ちなみにこれはギルドであのお兄さんに聞いた話だけど迷宮を突破して移動した次の階層の最初のフィールドの難易度は低く設定されているみたい。
階層を移動していきなり敵の強さが格段に上がっていたらプレイヤーは苦戦すること必至だろう。このゲームもさすがにそこまで鬼畜仕様ではない。
せいぜい階層最初のフィールドはその1つ前の階層の中盤から後半のフィールドくらいの難易度。つまり第2階層の場合は第1階層の森林から岩場フィールドくらいの攻略難易度なんだとか。
「それにしては敵が弱すぎる気もするけど。これは敵が弱いんじゃなくて私が強すぎなんだな」
だって花畑ではきっと力が強い方であろうゴブリンランスやコボルトの物理攻撃を素で受けてもダメージはほぼ0だったからね。魔法攻撃してくるモンスターがいない以上は花畑で私が死んだりする可能性は万が一にもないだろう。
それはすごく安心なんだけどでもやっぱりちょっとつまらないよね。張り合いがないっていうか。
「スキル成長終わったらすぐに森に向うか。ダンジョンなら少しは骨のあるモンスターとも出会えるだろうし」
それまでは我慢だ。幸いにも花畑は景色が綺麗だから半ば作業のように戦闘をこなして精神的に疲れていったとしてもそれで一定の癒し効果はある。
もしもそこが墓場とか、あるいは砂漠地帯とかだったならすぐに嫌気がさして放り投げていただろうけども。
「ああ、変な想像してたら現実になりそうだ。あんま考えないようにしなきゃ」
けれどもきっとこの先の階層でいつかは出てくるんだろうなぁ。そういうフィールド。
<第2階層:花畑>
花畑の探索を本格的に開始して、花畑の中にもちゃんと採取できる草花のアイテムを見つけることができた。
それまで私は道に生えている草花なんて色くらいしか見てなかったけどよくよく観察して見たらその違いに気づくことができるようになった。
第1階層の草原および森林では、赤い花、白い花、黄色い花という色付きの花が採取できたけれどこの花畑ではそれに加えさらに青い花、紫色の花、ピンクの花という草花の採取が出来た。
でもこの花。現実には存在しない架空の品種の花なんだろうか。
だって花屋の女の子はパンジーとかコスモスってちゃんと現実でも存在してる花の名前言ってたしね。
まあ、ゲーム内のアイテムの名前なんでそんなこといちいち気にしてたらダメか。
花畑の探索を開始しておよそ2時間ほど。その間も遭遇したモンスターを簡単に蹴散らしながら進んでいくうちに100体目のグリーンスライムを倒した。
案の定と言うか、スキルが進化して風魔法無効へと変わり、私は水属性の魔法攻撃に引き続き風属性の魔法攻撃も完全にダメージ無効化できるようになった。
もしもこれから先、1階層ごとにこうやってある属性の魔法によるダメージを無効化できるようになっていったのだとしたら10階層に着く頃には私はもう一切の魔法攻撃によってダメージを受けないなんていう完全なチート性能になっている可能性も否定はできない。
もしそうなっていたとしたらそこからはもう半分以上無双だろう。今の私はただでさえ物理攻撃のダメージが通りにくい状態なのだから、それでさらに魔法攻撃のダメージまで無効化していったらもう私はダメージを受けないということになりはしないだろうか?
もっというと絶対に死亡しない、不死の状態になりはしないだろうか?
「自分で言うのもなんだけど、そうなったらもうチートどころじゃない。完全にエラー、バグ扱いだろうな」
チートがあくまでずるいと思えるほどの強さになっているのに対しバグとは故障のことだ。
ゲームのシステム上絶対に倒せないプレイヤーなんてものが存在していたらアウトだろう。
そういうのはあれだ、ゲームのストーリー上で立ちはだかる強敵とかにあるやつだよ。
ここはどうやってもプレイヤーが負けちゃう。負けることでストーリーが進みます的なやつ?
「うーん。ま、そうなったらなったでまたその時考えようか。スキルも、個別にオフにすることもできるんだしね」
RPGをやっていてプレイしてる側がゲームに合わせてハンデを設定しなきゃならないなんて、その時点でゲームとしてはダメというか、終わってる気もしなくはないけどね。
ちなみにこの時点でホワイトバタフライは173体倒していた。
意外と出現率が高いモンスターで良かった。もしもホワイトバタフライがワイルドボア並の出現率のモンスターだったとしたら300体倒すのにいったい何時間かかることやら。
それでまあ、そこからさらに1時間半ほどで私は300体目のホワイトバタフライを倒した。
時刻はもう完全に夕方だったけどまだ夜にはならなさそう。
第2階層は午後8時で夜になる。第1階層が午後7時で夜だったのに対し1時間ほど遅い。そして夜明けは午前5時30分だという話も、ギルドのお兄さんに聞いていた。
〇HPドレインⅩ
敵に物理攻撃でダメージを与えた時に与えたダメージの50%の量自身のHPを回復する。
「いやー、やっぱりこれはさすがに無理があるよな。ただでさえダメージ受けにくくなってるのにダメージ受けてもこれならすぐに回復できるわけだし。モンスターから見たら鬼か悪魔レベルだろう」
仮に私が20ダメージを受けたとしても即座に反撃して敵に40以上のダメージを与えられれば先に受けた私への20ダメージは回復されてダメージなど最初からなかったことになるわけだ。
「ボス戦とかならつけておくべきだろうけど、普段は外しておこうかな。これ」
私はその場で少し悩みはしたけど結局つけたままにしておくことにした。
いや、まだこの階層に来たばかりだしこの先どんなモンスターが出てくるかわからないから念のためにね。
「さて、どうしようかな。このまま森へ行くか。それとも夜を待って夜の花畑を先に攻略するか」
昼間では遭遇しなかったことからこの花畑のエリアボスは夜に出現するのだろうけど。
そうだな、それなら今日は夜まで待つことにしようか。
そう考えた私は再びフローリアの街に戻って街の中をもっと見て回ることにした。
<モンスター辞典>
〇コボルト
獣族。RPGでは有名なモンスターの1体。犬の獣人であり頭部は完全に犬である。
2足歩行で手に武器は持っていないが格闘技に通じておりただのパンチに加えて回し蹴り攻撃もしてくるので接近戦をする場合は注意が必要。
スライムはスライム族、ゴブリンはゴブリン族という種族名があるのに対しなぜコボルトはコボルト族ではなく獣族に分類されているのか。その疑問を抱くプレイヤーも多いという話だがとくに理由はない。
このゲームのコボルトは頭部の犬部分がすごく可愛い感じでデフォルメされておりそれによって倒しにくい、倒すのに抵抗があるから別のデザインに変えてほしいという苦情が一時期殺到したのだが、ゲーム運営会社はそのクレームに対し一貫して無視を決め込んだ。(今なおクレームはきてるらしい。)
なお、玲愛の読み通りこのコボルトのキャラクターデザイン担当の人間はゴブリンのキャラクターデザインを担当した者でもある。彼がデザイン担当したモンスターは先の階層でもたびたび登場する。
ドロップ:獣の皮
〇ハニービー
昆虫族。ミツバチを模したモンスターで容姿もそのままミツバチをでかくした感じ。
昆虫族のモンスターには現実に存在する昆虫のデザインをそのまま採用していつことが多いということは有名な話。
戦闘中にHPが減ると自身が所持しているはちみつのアイテムを使用して1度だけHPを回復する。はちみつを使用後のハニービーをいくら倒してもはちみつはドロップしないが、代わりに基本的なアイテムドロップ率は高く設定されている。
ちなみにこのハニービーが落とすはちみつ、プレイヤーが食べてもHP回復の効果はないのだがそれでも食べ物アイテムとして普通に食べて美味しいので旅の友として持ち歩くプレイヤーも多いのだとか。
ドロップ:はちみつ




