表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第1階層―始まりの街―
PR
45/171

ニートな女神と初めての不動産

第1階層編が終わる1個前の話のタイトルにしては、渋いなと思った方。

奇遇ですね。筆者もそう思いました。

 午後10時前、私は始まりの街の薬屋へとやってきた。

 そうだな。明日には第2階層へ行くからアイテム、特に聖水は多く買っておいた方がいいかな。

 と、思いながら薬屋の扉を開けたら、どうやら中には客がいたようで。


「正解です。これで全問正解!」

「や、やったぁ~!」


 ん、あれこのやりとり。前にも聞いたな。

 私は扉を少し開けて店内から聞こえてきた声で、そんなことを思った。

 そして扉を完全に開けて店の中に入ると。


「「「あ!」」」


 私は目が合ってお互いに声をあげた。店の中にいた2人の客と。

 いや、もう言っちゃうけどそれはマロンちゃんとラフィアちゃんだった。


「お姉さん!」

「マロンちゃん!?、と、ラフィアちゃんも?」


 私は2人と意外なところでの再会に驚きを隠せずにいた。

 いや、この街には武器屋も、道具屋も、薬屋も少なくとも3つずつくらいあるし、だけど同じ時間にこうして同じ店で鉢合わせることは少し珍しい。

 っていうか、マロンちゃんたちって寮住まいだったよな。こんな時間にログインしても大丈夫なんだろうか。


「いらっしゃい。あ、君か。いや、ちょうどいいところに来たね」

「え?」


 そして先に私に話しかけてきたのは店員のお兄さんだった。


「今ね、なんとこの女の子が薬屋の試験を受けて見事に合格したところなんだよ」

「え……ああ、なるほどね」


 私はそれを聞いて納得した。たしかに先ほど聞いたやりとりは前に私が薬屋の試験を受けた時のものと同じだった。

 っていうことはつまり、2人も調合のスキルを手に入れた、いや正確にはこれからギルドに報告に行ってからだけど手に入れるわけか。


「あ、私はえっと。付き添いです。試験を受けたのはマロンちゃんだけで」

「あ、そうなの」

「うん。お姉さんが前に教えてくれたでしょ。街のクエストで調合のスキルがもらえるやつがあるよって」

「あー、そういや教えたな。私」

「だから私もやってみようかなって思って」

「それで、やってみたわけね」

「うん。でも難しかった。とくに最後の問題は」


 最後の問題ってなんだっけ?、あー、そうかポーションの材料はなんでしょうだったな。

 でも店の中にある商品棚のポーションの説明欄の下にちゃんと答えが書いてあるんだよね。


「ラフィアちゃんが答えを見つけて私に教えてくれたんだよ」

「いえ、私はただ。店員のお兄さんが店内にヒントがあるって言ったので」

「ふふふ。でもそのおかげでラフィアのおかげで正解がわかったんだよ。私、最初はDを選ぼうと思ってたけど。答えはCだったんだね」


 あれ、ちょっと待てよ。最後のあの問題って答えはたしかDだったんじゃ。

 まさか店員のお兄さん、サービスで答え正解にしてやったなんてこと……いや、それはないか。

 多分だけど、あの質問の選択肢の内容は同じでも答えとなる記号、その配置は毎回ランダムで決まるのだろう。

 前に受けたことのあるプレイヤーから問題の答えだけ聞いたプレイヤーが受からないために。

 まあ、もっとも。このクエストを受けるプレイヤーなんてほぼいないはずだからあまり意味はないようにも思えるけど。だってゲーム始まってからたしか私で10人目。マロンちゃんを入れても調合のスキル持ちは11人しかいないのだ。


「でも、2人ともこんな夜遅くによくログインできたね。たしか学校の寮で暮らしてるんでしょ?」


 私が2人に疑問をなげかけるとラフィアちゃんが答えてくれた。


「ええ。でも寮と言っても部屋の中で何をしてても基本は自由ですし。もちろんゲームの類も、音が大きくて他人に迷惑をかけたりしなければ許可されてます」

「だからVRMMOはおすすめなんだよ。私たちの寮でも、他の部屋でこれとは違う別のゲームとかやってる子もいるし」

「ふうん。学校の施設なのにゲーム可なんだね」

「まあ、寮暮らしだとどうしてもその、ストレスがたまるっていう子もいますし。それに最近ではVR学習といって。ようはVR空間でお勉強するというのも流行っているんです。私たちの学校ってそういうのにも結構敏感で」

「だから本当は部屋でのVRゲーム機の使用も、学術目的がメインって言われてるけど。でも外からじゃ何やってるのかなんてわからないしね。そこらへんは別にいいの」


 なるほどな。私が知らない間に下界では私の想像以上にVRという技術が浸透していたみたいだ。


「あ、もちろん私たちも勉強はするよ。でも、今は夏休み期間中だし」

「あ。あー、そっか。夏休みね。そうだよね、うん」


 夏休みとか、私久々に聞いたな。私も神界の学校に通ってた時はテンション上がりまくってたけど。

 ああ、でもそれをいうなら私の今の日常って、毎日休日みたいなものだしな。

 休みとか、そういう概念がもはやなくなっていた。そうだよ、中学生なんだし普通は学校の長期休暇があるんだよな。


「長期休暇中は、寮も閉鎖されて寮生は一度実家に帰るんですけど」

「私とラフィアちゃん、李ちゃんは家が近いから夏休み中も会えるんだ。ローズだけはかなり遠くに住んでるんだけど、でもゲームの中で会えるしね」


 そっか、今まで考えたこともなかったけどこのVRゲームっていう空間はようはテレビ電話みたいな一面があるんだ。

 相手の姿、もちろんゲーム上のアバターの姿だけど、それを見ながら遠くに住んでいる人たちとゲームの中でこうやって会って話すことができる。

 なんていったって神界と下界がつながってるくらいなんだし、下界の中なんて世界中どこの誰とでも話せるだろう。

 このゲームには自動翻訳機能もあるから、別の国の人とも意志の疎通ができるって話だったし。


「ふうん。そうなんだ」

「お姉さんの方は?」

「え?」

「高校ってまだ夏休みになってないの?」

「あー、うん。私も夏休み中だけど」


 高校生も、たぶん夏休みだよね、今は。

 あー、でもこんなことならもっと下界のことについて調べておけば良かったかな。なんて。


「あ、そうだ。ラフィアちゃん。今日、李ちゃんから聞いたんだけど」

「え、お姉さん李ちゃんに会ったの?」

「あ、うん」

「そっか。それでさっき李ちゃんがなんかご機嫌だったんだね」

「あ、そうだったんだね。えと、あれ、なんの話だったっけ?」


 マロンちゃんが余計な情報ぶちこんできたせいで私は話そうと思ってた内容を忘れてしまった。

 そしてそれを見てラフィアちゃんにくすくすと笑われた。くそ、マロンちゃんめ!


「えっと、アイテムの件ですよね。あの、それじゃあ今少し。あっ、えと今あるだけでお譲りしていただける分いただけたらなと」

「うん。ちょっと待ってね」


 私はそして、ラフィアちゃんにとりあえずとしてポーション☆と野菜ジュース(オレンジ)☆をそれぞれ30個ずつ渡した。


「ポーションが1個50G、野菜ジュースが1個80G。だよ」

「ええっと、それではポーションが合計で1500G。野菜ジュースが2400Gでそれを合わせて3900Gですね。それを玲愛さんに先払いしていた13000Gから引いて……残りはあと9100G分ですね」

「う……まだそんなに残ってるのか。ていうかラフィアちゃん計算早いね」

「そうですか?、これくらいなら誰でもパッとすぐに出来ると思いますよ」


 うわー、これ本当に素で言っちゃってるよ。でも、まあ今のは比較的簡単な計算だったけど、たぶんラフィアちゃんなら4桁の掛け算とかでも答えを即答してきそうだから怖い。

 4桁の掛け算って、できる人ならできそうだけど。


「でも、これからは私も調合スキルで皆の分の回復アイテム作るから。お姉さんから買うこともなくなっちゃうかもしれないね」

「あ、そうか」

「いいえ、マロンちゃん。それは違うよ。玲愛さんからはちゃんと先払いした代金分のアイテムは受け取らないと。ね?」


 というか、残り9100Gならもうこの場で代金を返済しても私的には別に構わないのだけど。

 さっきの武器屋でアイテムを卸したおかげで私は今、その10倍以上のお金を持ってるんだし。

 でも、まあそれはやめておくか。私も、自分が作ったアイテムが人に必要とされるのは悪い気分じゃないしむしろ嬉しいから。


「そうだね。私もまだ調合のスキル、あ、そうだ。まだ私もらってもないんだった」

「ふふふ。この後でギルドに報告に行ってちゃんともらったら。続きは明日にしましょうね。今日はもうさすがに遅いですから」

「はーい」

「あ、ごめんね2人とも。長々と引き留めちゃって」

「ううん。私もまさかこんなとこでお姉さんと会うなんて思ってなかったし」

「私もです」

「あ、うん私も」


 3人がまったく予期していなかった出会い。私たちはそれで笑いあった。


「じゃあ、私たちはこれで」

「お姉さん。今度また皆で一緒にクエスト挑戦しない?」

「う、うん。機会があればね」

「ほんと。じゃあ約束しよう」


 おっと、マロンちゃんが小指を差し出してきたぞ。これは、あの、あれだ。

 今日まさに李ちゃんに教えられたやつ。指切りげんまん!


「「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーます。指切った!」」


 ああ、これでもしマロンちゃんと李ちゃん、2人と交わした約束を2つとも破ってしまったら私は合計で針を2000本も飲まなきゃならないわけか。まったく、なんて恐ろしい。

 さっきも思ったけどこれ、本当に下界で主流の約束のおまじないなんだよね?

 もしこれが本当だったなら。下界の人間たちってけっこう残酷なんだな。

 でも、今まで針を千本も飲んで死んだなんて人間の話、少なくとも私は聞いたことがないから皆きちんと約束を守ってるんだな。

 だって普通に考えて針を千本も飲んだらたとえそれがまち針程度の小さなものだったとしても確実に死ぬかただじゃすまされないはずだもの。


 下界の人間って、すげぇな。これはたしかに約束を守らせるには最上級の方法だ。

 私は残酷だと思いつつも素直にこのおまじないを考えたやつに感心させられた。


「はい。約束したからね。それじゃあお姉さんまたね!」

「う、うん」


 そうしてマロンちゃんとラフィアちゃんは薬屋を出て行った。

 ラフィアちゃんは、最後に私に向ってペコリとお辞儀したけれどそれがまじで可愛かった。

 なんかこう、狐の獣人だからか耳と尻尾も揺れていてそれで可愛さが倍増してて。

 私は思わず抱きしめてしまいそうなったけど我慢した。くそ、あれは反則だろ。


「ふふふ。話は終わったのかい?」

「え?、あ!!、ごめんなさい。つい、盛り上がっちゃって」


 私はそこで薬屋の店員のお兄さんに話しかけられて今の今までこの人の存在をまったく無視してたことを詫びた。いや、お兄さんがあえて私たちの仲良さげな会話に水をささないでくれていたのだろう。

 それを考えるとむしろ感謝すべきだったろうか?


「いや、いいんだよ。それにしても、あの女の子。えっと、マロンちゃんって言ってたかな」

「え?」

「ああ、ごめんね。話を聞くつもりはなかったんだけど」

「いえ、私たちも店内でけっこう大きな声で話しちゃってましたし。本当にすみません」

「ふふふ。というよりか、僕は君の名前もさっきの会話で知ったくらいだし。玲愛さん」

「あー、そうですよね。なんか今までけっこうお世話になってたけれど」

「いや、僕も聞かなかったしね」


 私は、それで逆にお兄さんに聞いてみることにした。


「あ、お兄さんの名前ってなんていうんですか?」

「え?、ああ、そうか。でもギルドにあった薬屋の試験の依頼書に、ちゃんと依頼人として僕の名前も書いてあったはずだけど」

「すみません。あの時はそこまで見てませんでした」

「そう。僕はリックス。この店は僕の父から譲り受けたものでね。店員も僕だけなんだよ」

「へえ、そういえばたしかにいつもお兄さんしかいなかったですね」


 このお兄さん、リックスっていう名前だったのか。へえ。やっぱりイケメンは名前も恰好いいな。


 でも、そうだな。これから先、第2階層以降では定期的にお世話になりそうな店の人の名前とかとかは最初に聞くことにしようかな。最後にではなく。


「それで、今日は何のご用件で?」

「あ、聖水をたくさん買いに来ました」

「へえ。またかい。この前もかなり買って行ったと思うけど、玲愛さんって魔法使い……じゃないよね。どうみても」

「はい、剣士です。でも、一応魔法も使えます。戦闘中にMP切れになるのはどうしても避けたいことの1つですからね」

「まあ、そりゃそうか。それで、いくつ買って行く?」

「うーん、これで最後なんで。100個で!」

「おお、それはまた大量に。ん、最後って言うのは?」


 私はリックスさんに明日私が第2階層に進むことを伝えるとお兄さんは微笑んでこう言った。


「へえ、ついに君も第2階層に行くんだ。じゃあもうドラゴンは倒したんだね?」

「ええ。だからこの店にも、もう2度と来ないってわけではないんですけどしばらくは」

「ああ、うん。わかってるよ。でも、やっぱり寂しくなるね。玲愛さんは久々に薬屋の試験のクエストを受けにきてくれた人だったから」

「ふふふ。でも今度はマロンちゃんがここに来るかもしれませんよ?、奥のスペース使わせて下さいって」

「はははは。そうなったら面白いね。できればそれからも定期的にあのクエストを受けにきてくれる人が増えてくれるともっと面白いんだけど。さすがにそれは欲張りすぎかなぁ?」

「いえ。きっとそうなりますよ。あ、なんなら私がもっと広めておきましょうか。調合のスキルが手に入るクエストの話」

「ああ、そうだね。そうしてもらえると助かるよ。ただ、それで人が殺到されても困っちゃうけどね」

「そうですね。もしそうなったら謝りに来ます」


 私とリックスさんはそう言って笑いあった。

 そして私が最後に今までお世話になったことの感謝の言葉を述べてから私はリックスさんから聖水を100個受け取るとお辞儀をして薬屋を後にした。もちろん代金も払ったよ。5000G。

 リックスさんは最後に、出来ればこれからも調合を色々試してみてと言っていたけど、私はもちろんそのつもりだったし、そのことを伝えると笑顔で見送ってくれた。


 さて、それで私はその日はそこで本当にログアウトしたわけだ。

 明日は朝に、この街の不動産屋さんを探してみてプレイヤーホームってどんなのがあって値段とかどれくらいするのか聞いてみてから。

 それから、道具屋さんにも寄ってお別れをすませて。ギルドに行って銀行にお金を預けて。


 そうしてから第2階層へ向かおう。よし!


 ――そして翌日――


 昨日は結局ログアウトして現実世界に戻った後ですぐに寝ちゃったからな。

 今日の朝起きて、パン屋で買っておいたバタールをまるまる一本食べ終えてそれをまあ昨日の夕食と、今日の朝食の代わりにした。


 なんだっけ、下界じゃそれをブランチっていうんだったっけ?

 ああいや、あれは朝食と昼食を一緒に食べることだったか。じゃあ、前日の夕食と翌日の朝食をまとめて食べることはなんていうのだろうか。

 ブランチがブレックファーストランチの略だとするなら、私のは……


 夕食は英語でディナーだから、ディナーブレックファースト。略してディスト!

 おお、ディストってなんか恰好いいな。まあ私の造語だけど、この言葉も流行らないかな。

 流行ったら、ああでもそうね。不健康が過ぎるから流行らないか。


 でも、1人暮らししてたら夕食を食べ忘れて次の日の朝食とってこと、割とあると思うんだけどな。


 え、ない?、これってもしかして私だけ?


「まあいいか」


 ということで朝食の片付け(パン屋の紙袋をまるめてゴミ箱にポイ)を終えると私はその日もゲーム機を頭に装着してゴッドワールドオンラインにログインした。


 ――第1階層:始まりの街――


 そういえば、朝早くにログインしちゃったけれど不動産屋さんって何時からやってるんだろうか。

 ということをまったく考えていなかった私。そうして探し出した不動産屋さんはギリギリで開店していた。

 はからずも朝一番の客というやつになってしまった。


「いらっしゃいませ。ずいぶんお早いですな」


 始まりの街の不動産屋は小太りで眼鏡をかけたおっさんだった。


「おはようございます。えっと、今日はちょっと物件を見に来ただけで」

「おお、そうでしたか。お客さんは、ホームの購入はこれが初めてで?」

「はい、そうです」

「ではご説明いたしますね」


 と言って私は不動産屋のカウンターの前の椅子に座らせられて説明を聞いた。

 正直、説明が長かったのと朝早くて私もまだちょっと眠かったこともあったけど要点は理解した。

 ホームは、プレイヤーの到達階層が5階層分増える度に持てる数が1つずつ増えていくらしい。

 つまり最初の時点ではプレイヤーはホームを1つしか持てない。けれど第5階層にたどりついたらホームは最大で2つ、10階層までたどり着いたら3つと増えていく。


 ホームからホームへは、街の祭壇と同じように転移が出来るようになっているらしく、プレイヤーは基本的に自分がよく行く階層、よく行く街にホームを購入する。

 まあ、単純に家のデザインやその階層の景色が好きだからという理由で買う人もいるらしいのだが。


「でも、家って。少なくともこのゲームにはプレイヤーがたくさんいますよね。もしもそのプレイヤーが全員同じ街にホームを持とうと思ったりしたら。大きな街でも家、足りなくなりませんか?」


 そう、私が最も疑問に思っていたことはそこだった。

 たとえばこの街でも、そもそも普通にゲームキャラが住んで生活してる家を入れても3万戸もないのは明確だった。


「ああ、お客さんは何か勘違いされてますね」

「え?」

「では、まずはそこからご説明いたします」


 ということで再開された説明、要約するとこういうことだった。


 プレイヤーが受け取るのはその家の鍵であるとのこと。


 たとえばある街の物件AをプレイヤーAが買ったとする。

 しかし不動産屋のリストから物件Aがなくなることはない。

 まったく同じ物件をプレイヤーBもプレイヤーCも購入することができる。


 なぜかというと、秘密は家の鍵にある。物件を購入することでプレイヤーはその物件、家の鍵をアイテムとしてもらえる。この鍵はたとえば戦闘中に死亡しても落としたりすることはなく、また他のプレイヤーに譲渡も出来ないらしい。


 そして……


「つまり、プレイヤーAさんに渡した鍵でその家を扉を開けますと、そこにはプレイヤーAさんの部屋が。そしてBさんに渡した鍵で扉を開けると、Aさんの部屋とまったく同じ間取りではありますが、別の空間。Bさんの部屋につながるというわけです」


 なるほど。つまりはあのダンジョンのボス部屋と同じ仕様なわけか。

 同じゲーム内でも同じだけど別の空間が複数存在できるということ。

 だから同じ物件の同じ部屋が、便宜上は購入したプレイヤーの数だけ無限に存在できるというわけか。


「じゃあ、いつでもどの物件でもプレイヤーは購入できるんですね?」

「はい。中には例外もありますが基本的にはそれで合ってます」

「ふうん。そっか、そういうことか」


 私は腕を組んで考えた。そう、それなら何の問題もないだろう。

 ただ、それって結局は同じ家を見知らぬ誰かと共同で使ってるってことで。

 でもそれは外観だけ。部屋の中まで共有してるわけじゃないから別にいいのか?


「それで、どうされますか?」

「うーん。とりあえずこの始まりの街にある物件を全部見せてもらってもいいですか?」

「わかりました。では少々お待ちください」


 そう言って不動産屋のおっさんは店の奥に引っ込んでいったけど。

 さて、ではその物件とやらは実際にはいくらくらいのものなのだろうか。楽しみだな。



そして次回。ついに第1階層編が終わりを迎える。

最後の最後に玲愛はある人物と戦います。そうして玲愛は第2階層へと旅立つ。


さて、前回の後書きにも書きましたが次回の後で一話分、これまでの玲愛の取得したスキルの一覧表を掲載したいと思います。ええ、筆者もですね。それをどこかに作っておかないとまじで忘れていってしまうんですよ。

そして、物語本編についてですが、この物語はあくまでも玲愛=アストレアがゲームを通じて成長していく様を描いたものでありゲーム攻略がメインの話ではありません。

なのでこの物語も、まだどうなるか具体的に決めてはいないのですがおそらく第10階層まで行くかどうかというあたりで結末までたどり着く、予定です。

あるいはどこかで大きく階層を飛ばして一気に最終階層の手前あたりまで話が飛ぶかもしれませんが。


現段階として、一応は第3階層の中盤あたりまではプロットの方が出来上がっており、その時点でもうけっこう玲愛がチートの鬼と化してしまっているのですが。

(いや、もう今の段階で十分チートな気もするのですが)


ただ、本編内。とくに神界でのアストレアの話の方が、実はこの物語の主軸だったりするので。ということを今このタイミングで言うことになったのは筆者のミスです。すみません。


また次回の後書きでそのあたりのことを説明しようと思いますので、今回はここまで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ