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ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第1階層―始まりの街―
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ニートな女神と初めてのダンジョン

ついに玲愛は第1階層のダンジョンに挑む。

具体的な攻略は次回からです。

ちなみに、まだダンジョンのボスをどんなやつにするか決めあぐねています。やばいです。

 私は気持ちを何とか落ち着かせるとこちらを心配そうな顔で見つめている老婦人に急に叫び声を上げてしまったことを謝罪した。

 そしてそろそろ行きますと言うと見送りもほどほどに老婦人の家から外に出た。


 うん、まあなんだ。

 よくよく考えたら私がクエストをクリアした後で、また別の誰かが洋館クエストを受けて私と同じ謎解きをすれば同じものがあの宝箱から手に入るんだろうしね。

 ということは今の私がつけている装備がイコールあの老婦人の亡くなったご主人が生前つけてたものってわけでもないだろうから。


「装備の質は申し分ないからこのまま着けてよう」


 だって銀の装備より白金の装備の方が断然強いのだもの。

 少々のいわくがあったとしてもそこら辺はまだ大丈夫だ。

 聞くところによれば亡くなったご主人も最期は病死で、この装備をつけたままモンスターに殺されたとかいう話でもなかったしね。

 気にしない気にしない。……でもできればまた早いうちに別の装備に変えたいかも。


 それでだ。私はその後でギルドへと向かいちゃんと依頼達成書を処理してもらって晴れて今回の洋館のクエストをクリアした扱いになった。

 ちなみにこの依頼達成書。クエストをクリアしたのにも関わらず1週間以上ギルドに提出することを忘れていた場合は自動で提出処理されるのだがその場合ペナルティーとしていくらかの罰金があるらしい。

 なのでクエストをクリアしたらたとえ報酬をもうもらっていたとしてもギルドへの報告は忘れてはいけないのだ。


「さて、んー。もうお昼か。一旦ログアウトして昼飯にするか」


 と、私はギルドを出たところでメニュー画面を開きログアウトを選択した。


 ――神界の私の部屋――


 現実世界へと帰還してきた私はゲーム機を頭から外すとテーブルの上にゲーム機を置いた。

 このヘルメット型のゲーム機。もっと風通し良くもらいたいな。むれるんだよ。

 とくに夏場、今の時期だと日中のログイン中は汗がやばいことになるので。

 もうね、ゲーム機外した瞬間に滝レベルの汗がどばって流れ出るの。


「ふう、あー。たしかパンの耳が残ってたっけ?」


 本日の私の昼食。パンの耳と水道水。

 それを私の中では『いつもの』と呼んでいるのだがそれはまあ置いといて。

 親からの仕送りで金があるならもっとまともなもの食えよって思った人ね。

 いやいや、そういう時でも節約しないとお金はすぐに無くなってしまうんだよ。


 でも、食費を切り詰めた結果がパンの耳っていうのはさすがにどうかと思うって?


 うるさいな。いいじゃないか別に。私は好きなんだよパンの耳が!


「ヘスティアちゃんのお店のパンは耳だけでもおいしいんだぞ」


 私はリスのようにほっぺたいっぱいにパンの耳を頬張るとモグモグとそれを租借して飲み込む。

 そしてコップ一杯の水を一気に飲み干すと一言。


「よし、これで夜まで持つだろう。ゲーム再開しよう」


 それを、下界の人はゲーム廃人と呼ぶ。


 <第1階層:始まりの街>


 再びのゲーム世界へのログイン。

 まず私はおじいさんの武器屋へと足を運んだ。

 そうだよ。もうアイテムボックスに31個もあるあれを売るんだ。


「いらっしゃい。おお、お嬢さんか。よく来たね」

「うん。おじいさん。今日も……」

「わかっておるよ。そろそろ来るんじゃないかと思って店の奥にある金庫から金を下ろして用意しておったよ」

「え、うん。……それは、どうも?」


 わお、私ったらついにそのレベルにまで行ってしまったのか。

 ああでも、考えてみたら私ってこのおじいさんのお店に毎回のごとく大量のレアアイテムを売りに来てはお金をもらっているからね。

 さすがにもうこれ以上はなんか、ちょっと悪いかもしれないな。

 次からは別の武器屋さんで売りに出すことにしようか。


「えっと、今日はまず……」


 そして私は武器屋のおじいさんにまずはゴブリンたちからドロップした木のなんちゃらという武器類を全部売った。

 数が多かったために一個一個は安いけどこれだけでもそこそこの金額になった。


「それと、あと。これなんですけど……」

「おお、それはまさしく守りの指輪。ということはストーンゴーレムを?」

「はい、倒しました」

「おお、おお。いや、お嬢さんならもう驚きはせぬよ。それでいくつ売ってくれるんじゃ?」

「えと、今回はいつもよりも多いですよ?」

「ふむ?、10個くらいかね?」


 いや、おじいさん。残念ですけどその2.5倍です。


「25個!!?」


 私のアイテムボックスには守りの指輪が合計31個入っている。

 そのうち1個は現在私が装備中であるので売れない。なので実質30個なんだけど。

 それでまあ30個全部売ってもいいんだけどね。ほら、また誰かにあげる機会があるかもしれないから。

 だから5個ほどは念のために取っておこうと考えた。

 それでも、また数が必要になれば簡単に手に入るからね私の場合。


「ふうむ。これは1個2000Gじゃ。それが25個だとすると……5万Gじゃな」

「ご、5万ゴールド!!」


 森の洋館のクエストの報酬が3000G。

 そのクエストで戦ったボスゴキブリ、計4体分の戦闘でもらったお金が3000G。

 この店でさっき売った木のなんちゃらシリーズの売値と、さらに今日の洋館へ行く行き帰りの道でのモンスターとの戦闘などで得たお金を合わせたらざっと6万ゴールドになる。


 果たしてこの第1階層で、1日に6万ゴールドものお金を稼ぐ冒険者がどれだけいることか。

 いや、いないだろうな。絶対にとは言えないけど多分そんなの私くらいだ。


「どうするね、お嬢さん」

「もちろん。それでお願いします!」

「ほっほっほ。わかったよ。それじゃあはい、5万ゴールド」

「たしかに、いただきました」


 しかし、このお金って本当にもらっちゃってもいいんだろうか。

 このお店で売ってる武器や防具なんて1番高いものでも1000Gするかどうかというものだ。

 それなのに5万ゴールドとなると、かなりの痛手になりはしないか。

 ん、いや違うな。そういえば私……


「あの、おじいさん。そういえば1つ気になっていたことがあるんです」

「おや、なにかな。お嬢さん」

「私がこの店に売ったレアアイテムって、その後どうなってるんですか?」


 いや、もちろんこれが普通のゲームだったとしたら物は売った時点で消失扱いになるだろう。

 でも、フルダイブ型のMMORPGでリアリティーを変に追求しているこのゲームならあるいは……


「ほっほっほ。もちろん売りに出しておるよ。ほら、店頭に並んでおるじゃろ?」

「え!?、うそ!?」


 私が慌てて店の中を見渡したが店内のある一画に最初にこの店を訪れた時にはなかったとあるコーナーがあることに気がついた。

 そのコーナーは壁に打ち付けられたコルクボードのようなもので、そこに何やら見覚えがありまくりの品がかけられていた。


 たとえば、それはレッドウルフから低確率でドロップする狼のストラップだったり。

 たとえば、それはビッグホーンラビットから低確率でドロップするウサギのお守りだったり。

 たとえば、それはビッグポイズンスパイダーから極低確率でドロップする耐毒の指輪だったり。


「あ……しかもあれ、売れてませんか?」

「もちろん。数量限定じゃし効果は凄い。なにより装飾品を売ってるのはこの街じゃわしの店くらいだろうからのう。最近はあれ目当ての客も来るくらいじゃよ」

「え、どうして私がこの店でレアアイテム売ったってことが皆に知れ渡っているんですか?」

「それはほら、わしが店に装備を買いに来た客にいまだけこんなのもあるぞと勧めてから。多分その客が言いふらして広まったんじゃろう」


 おじいさん、それって店としていいんですか?

 あ、でもそうじゃないと確かにおかしいよね。いつも私がお店で売った分のお金はこのお店から出されてるわけだし。

 その分出したお金をどこかから持ってこないと店側は損するだけだろう。


 ……いや、でもよくよく考えるとRPGでは珍しいことかな。

 客が店に売ったアイテムがそのまま店の商品として店頭に並ぶなんてこと。


 私はため息交じりにおじいさんの方を見ながら、そしてその店の一画にある装飾品のコーナーに言ってみた。

 店では、このように店頭や店内に並べられた商品に手を触れたりすることでも商品を買うことが出来る。購入しますかという画面に表示されたはいのボタンをタッチすればいいだけ。

 ただ普通は、店員さんに話しかけて店の商品カタログを一覧で見せてもらって買った方が確実だし早いのだ。

 でも店によっては店員が1人しかいないところもあって、もしもその時店が混んだりしたら店員1人で大量のプレイヤーの相手をするのはさすがに酷な話だろう。

 だからたとえばいつもの薬屋さんでも、店が混んで店員のイケメンおにいさんが忙しい時でも店内の壁や棚にそなえつけてあるアイテムに触れたらそれでプレイヤーはそのアイテムの購入が出来る。

 ただし、アイテムを売ることについてだけは店員に直接話しかけた時しか出来ないのだが。


<武器屋:装飾品(※数量限定品)>

 狼のストラップ STR+5% 2000G (残り2個)

 ウサギのお守り AGI+5% 2500G (残り4個)

 耐毒の指輪   毒耐性+50% 4000G (残り2個)


「おおい!!、え、これちょっと高くない!!?」


 私はその値段を見てびっくりした。

 だってたしか狼のストラップって売値は1個500Gだったはずなのに。

 まさかの4倍のお値段である。

 ウサギのお守りだって、たしか1個750Gだったのに3倍近い値段に。

 耐毒の指輪なんて、1個1500Gで売れたけど買い値が4000Gって、暴利もいいとこだよ!!


「そうかのう。それでも買ってくれるお客さんはいるけどのう」

「いや、たしかに売れてるみたいだけど……」


 私は記憶を掘り起こした。

 たしか、狼のストラップとウサギのお守りは共に8個ずつこの店に売った。

 いやもう売ったというか卸したといった方が正しいかこの場合。

 そして耐毒の指輪は3つ卸した。それを全部店に出して売りに出したとしたならたしかに売れている。

 とくに最初に売った狼のストラップは値段も安いし、売った時から1番時間が経っているので6個も売れている。


「ほほほ。もっと値段を上げても良いかどうか考えてたんじゃよ」

「いやぁ、おじいさん。おじいさんって結構、鬼ですね」

「そうかのう。これでもかなり勉強した方だと思うんじゃが」


 え、マジで言ってるの?

 あの値段だったらきっと皆……いや、でも実際に買った客がいるみたいだしなぁ。

 まあ、ゲーム序盤で出てくるエリアボスから低確率で手に入るドロップ品を、お金出せば買えるんだから妥当な値段なのだろうか。その金を稼ぐためにモンスター倒していたらレベルも上がると思うし。


 でも、これって大丈夫なんだろうか。

 なんていうか、ゲームバランス的にちょっとおかしなことになってはいないだろうか。

 うーん、でもゲームの運営元の人もたぶん気づいてるっていうか、むしろゲームの運営側の人が問題ないって判断したうえでのことなんだろうし大丈夫なんだろう。問題があったらすぐにどうにかしてると思う。


「そこでなんじゃがな。お嬢さん」

「はい、なんですか?」

「もしもまた手に入ったらでいいんじゃが。狼のストラップと耐毒の指輪があればまた売りに来てはくれんかのう」

「え……いや、まあいいですけど。ウサギのお守りはいいんですか?」

「ああ、そっちはいまいち売れ行きが良くなくてのう」

「そうなんですか」


 どうしてだろう。あんなに可愛いのに。

 やっぱり値段がちょっと高いのか、それともゲーム序盤だとAGIの値はあまり気にしてないのか。

 でも、デザイン的に女性プレイヤーには売れそうな気がするんだけどなぁ。


「わかりました。でも、それなら今度はもっと高く買い取ってもらいますから!」

「おお、おお。しまったわしとしたことが。お嬢さんには値段は黙っておけば良かったかのう」

「ふふふ。今さら後悔しても遅いですよ」


 私はとりあえず狼のストラップは今度からは1500Gくらいで買い取ってもらおうと決めた。

 だって、店売りが2000Gなのに卸値が500Gっていうのはあまりにもおかしいからね。

 それでも売れたら店側に500Gもの利益が出るのだし文句はないだろう。


「それじゃあおじいさん。また来るよ」

「おお、またアイテムを売りに来るのを待っておるからのう」


 うん、なんだろうね。もう私ってばこの店にはアイテムの売りに来る専門業者みたいになってる。

 だけど、たしかにいまさらこの店で買うようなアイテムなんてないからそれも仕方ないか。


「あ、前までつけてた装備売るの忘れた」


 と、私は店を出てから銀の鎧やら古くなった方の装備の売却を忘れたことを思い出した。

 でも、まあそれはまた今度でもいいか。戻って売るのもバツが悪いし。


「よし、次は薬屋に行って野菜ジュースの調合だ」


 洋館のクエストで森林エリアを散策した際にまた大量に拾った薬草と、前に買っておいた野菜や果物でまた野菜ジュースを作っておく。

 薬草は62個あったけど野菜類はどれも50個ずつしか買ってないので今日は50個作る予定だ。


「それが終わったら待ちに待ったダンジョンだ。ふふふ」


 私は軽快な足取りで薬屋へと向かった。


 ――それから約1時間後――


 休憩しつつも薬屋で50個の野菜ジュースを作り終えた私。

 また薬屋さんにお礼を言うと共に、その野菜ジュースを20個ほど売った。

 なんと薬屋ではその野菜ジュースが1個120Gで買い取ってくれたけど、果たしてその値段は妥当なものなのか。

 そして薬屋さんでは売ったその野菜ジュースをどれくらいの値で客に卸すのか。

 気にはなったけどあえて聞かないことにした。レアアイテムと違って薬屋に卸売りしたアイテムは全部私のオーダーメイドだしね。気にしないし、好きに売ってくれてかまわない。


 薬屋を出た私はまたギルドの方へ向かった。目的は銀行である。

 あの、ヤタガラス戦の前にたしか3万5000Gほど預けたと思うんだけど。

 私は今の所持金を見てびっくり。具体的にいくらあったのかはあえて伏せておくけど凄い金額を持ち歩いていた。


「はい、いくらお預けになられますか?」

「えっと、じゃあとりあえず6万5000Gで」


 あ、銀行の受付のお姉さんが倒れた。

 それで代わりにやってきた年配の男の人も私の預け金額を聞いて驚いていたけどなんとか受付してもらえた。

 あのお姉さん、大丈夫だったろうか。なんか目を回して口から泡とか吹いてたけど。


 でも、これで私の銀行への預け金額はちょうど10万ゴールドになった。

 うん、ここらで何かでかい買い物でもしたいよね。ちなみに、それでもまだ私の所持金は1万G以上あったんだけども。まあ、これは誰にも言うまい。


 そしていろいろと準備をしたのちに私は始まりの街の北門の前にいた。


「まずは岩場を抜けて、その先にある神殿っぽい建物がダンジョンの入り口なんだよね」


 私は前に酒場で情報屋のアイリッシュから聞いた情報を思い出していた。

 実はあの時、私は岩場のモンスターのことだけでなくダンジョンのこともちょっとだけ聞いていたのだ。

 もちろん別料金を要求されてちゃんと情報料は払ったけど。


「でもあいつの情報も、100%じゃないからな」


 事実としてアイリッシュは、ストーンゴーレムのロケットパンチ攻撃については私に教えてくれなかったというか、知らなかったっぽいし。

 まあ、どんな情報も疑ってかかるべきだということはわかった。


「じゃあまあ、行くか」


 私は北門から街の外に出てまずは岩場を抜けようと歩き始めた。


 ――そこからさらに1時間後――


 岩場はわりとすぐに戦闘が起きるので道中のモンスターを全滅させながら歩いていくと意外と時間がかかるのだ。

 マップ自体はそれほど複雑でもないし、道中のモンスターを全部無視して駆け抜ければダンジョンの入り口までは走って20分くらいの時間でたどり着けるらしいけど。

 私はとくに急いでるわけでもなかったのでゆったりとスタスタ歩いて向かった。


 それでやってきたダンジョンの入り口。

 そこは本当に神殿のような建物で、中に入るとそこに下へと続く階段があった。

 その階段の前に木で出来た看板があり、その看板にはこう書かれていた。


『第1階層迷宮への入口』


 どうやらここで間違いないみたいだ。

 この階段を降りた先がこの階層唯一のダンジョン、迷宮。

 正確には第1階層迷宮なのだけどつまりこのダンジョンに限らず、階層ごとに最後のダンジョン。

 次の階層へと向かうためのゲートがあるダンジョンはすべて迷宮と呼ぶらしい。


 第1階層迷宮を突破したら第2階層へ行ける。

 そして第2階層でも最後のダンジョンは迷宮でありそこを突破すれば第3階層という具合だ。


 そしてこの迷宮に限らずダンジョンには普通のフィールドと違う点がいくつかある。


 まず、ダンジョン内ではログアウトができない。

 代わりにエスケープというコマンドがメニュー画面には表示される。

 エスケープをするとダンジョン内のどこにいてもまたこの入口の神殿内に戻ってこれる。

 ログアウトしたい場合は一旦エスケープでここまで戻ってくる必要があるということだ。


 もちろん、エスケープしてここに戻ってきた場合は次にダンジョンに入った時はまた最初からやり直しになるのだけど。


 そして死亡について。

 ダンジョン内で死んだ場合は、プレイヤーは問答無用でこの場所まで転移で戻される。

 あ、ほら。言ったそばから誰か帰ってきたみたいだ。男3人のパーティーかな?


「くそ、油断した!」

「あーーー、途中で手に入れたアイテムがー!」

「所持金まできっちり半分にされてやがる!」


 とまあ、彼らが今説明してくれたのだけど。

 ダンジョン内で死亡した場合はまず普通時と同じで所持金は半分に。

 そしてダンジョンに入ってから死亡するまでに手に入れたアイテムをすべて失う。

 これはダンジョン内のモンスターを倒して落としたドロップアイテム等も含まれる。

 これがかなりの鬼畜仕様だった。


 ただし、もちろんそれまでに倒したモンスターから得た経験値とお金はなくならない。

 まあお金はそれでも半分にされちゃうから実質減ってはいるんだろうけど。


「おい、見ろよあれ」

「まさかあの子、ソロプレイヤーか?」

「信じられねぇ。絶対にやられちまうぞ」


 おおっと、なんか戻ってきた3人の男どもが私を見て何か言ってるぞ。

 たしかに私はソロプレイヤーでこれから君たちがやられたダンジョンに入るところですけど?

 別に私はダンジョンのことをなめているつもりはない。

 モンスターは強いんだろうし、トラップだってあるに違いない。

 それになにより、私は見た目は15歳の女の子なのだ。


 大の男3人がパーティー組んでも全滅するようなダンジョンに女の子が1人で挑む。

 普通であればそれは自殺行為にも思えるし、事実他のプレイヤーからはそう見えているだろう。


 でも、私はそんなことは気にしない。

 ダメだったらまたレベルを上げて再挑戦すればいいだけのことだ。


「私はそんなつもりは毛頭ないけど」


 私はそれだけ言い残すと目の前に続く階段を駆け下りていく。

 その先に何が待ち受けているのかも知らずに……



ダンジョンのボスが決まりました。おさわがせしました。

ええ、それはもう強いですよ。なんていったってボスですからね。


え、今の玲愛の方が強いんじゃないのって?


それはまだ言えないよ。ネタバレになっちゃうから。

でも、玲愛は現時点でまず間違いなく第1階層にいるプレイヤーの中では最強である、とだけ言っておきます。

さて、次回は本格的にダンジョン攻略開始です。

おそらくあと2話か3話でボスまで行けるかと思いますが、頑張ります。

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