ニートな女神と初めての頭突き
次回、また住人クエストを受ける玲愛だったがそこであいつと再会する。
始まりの街に戻ってくるなり私はさっそくギルドへと向かった。
ギルドの受付カウンターは3つあるんだけど、なぜか私はいつも同じお姉さんが対応してくれる。
最初の数回は偶然かなと思ってもいたけど、試しに他の受付の人がいるカウンターに行ってみたらなぜかおなじみのお姉さんにチェンジして対応してくれた。
なんだろう、プレイヤー毎に対応する職員さんが決まっているのか。
それとも、もしかしてすでに私のことはこのギルド内でも有名で、いつものお姉さんがいつのまにか私の専属のような扱いになってたりしたりとか?
まあ別にそうだったとしても私はちゃんと応対してくれれば受付なんて誰でもいいんだけども。
「えっと、こちらが今回の報酬になります。ちゃんとクエスト毎に分けておきましたので」
「あ、どうも」
カウンターの上に置かれたのは5つの布袋であり、それらの中身はそれぞれ受けたクエストのクリア報酬だった。ギルドクエストの報酬はいつもこの布袋に入れて渡される。
今回は中でも、岩場のエリアボスであるストーンゴーレム討伐のクエスト報酬が良かった。
基本報酬として600Gと、初回限定の報酬で守りの種。
もう言わなくてもわかると思うけど守りの種とは食べるとプレイヤーの耐久の値が2上がるというアイテムだ。
これまでの各エリアのボスを倒すクエストの報酬も同じ何らかの能力値が上がる種だったから、もしかするとこの先の階層でもそういうことなのかもしれない。
これで私のアイテムボックス内には今、力、耐久、敏捷、賢さがそれぞれ2上がる種アイテムが1つずつあるわけだけど。そのアイテムをどのタイミングで使ったら良いのかがわからない。
ただ、色々悩んだところで結局使わないんだよね、これ。
私はアイテムボックスの画面を閉じてそこでため息をつくと、ギルドを出た。
ああ、もうすぐ夜になるな。どうしよう、あ、そうだ今のうちに野菜ジュースの材料買っておくか。
と、私は商店街通りの方まで歩いていきまた野菜屋さんと果物屋さんでジュースの材料を買った。
だけど、薬草があまりなかったので作るのはまた今度の機会になりそうだったけど。
まあ岩場には薬草どころかただの草さえほとんど生えてないからまた今度森にでも行くか。
買い物を終えると私はちょっと休もうと思い、噴水のある広場のベンチに腰掛けた。
何気にこの広場がこの街で1番お気に入りの場所だったりする。
野菜ジュースを売りに出そうと思って店開いたのもここだったしね。客は1人しかこなかったけど。
私は赤く染まった街の空を見てまたそこでまたため息をついた。
ため息をついたら幸せが逃げるらしいけど、まあリアルじゃなくVR世界でなら別にいいだろう。
それに夕暮れ時の空って見てるとなんかため息でちゃうんだよね。なんでだろう。
あれかな、子供の時は夕暮れ時って家に帰らなきゃいけない時間で、一緒に遊んでた友達とさよならする時間でもあったからちょっと寂しいというか、切ない思いが記憶として残ってるのかもしれないな。
ああ、そうそう。伝えるのが遅れたけどまたレベルが上がりました。
レベルが13だったのが今ではもう15です。私が作ったこのキャラの設定年齢と一緒。
ストーンゴーレムを30体も倒したし、途中の戦闘もほぼやけくそ気味にモンスター全滅させていったからな。戦闘後にドロップアイテムはちゃんと拾っていったけど。
名前:玲愛
種族:人間 性別:女
恩恵:アストレア
職業:冒険者
レベル15
HP:170/170 MP:106
STR:38
VIT:38
AGI:34
ING:30
DEX:20
LUX:21
「うーん、頑丈Ⅹのスキルの効果でVITは実質57だし。AGIも俊敏Ⅹの効果で51だ」
さらに言うとそこに装備品の装備補正値も加算されるわけで。
私の今の装備は前回と装飾品以外は特に変化はない。
頭:羽根付き帽子(VIT+5、風属性魔法によって与えるダメージ+3%)
体:銀の鎧(VIT+20)
右手:銀の剣(STR+20)
左手:丸い盾(VIT+5、ガード成功率3%アップ)
足:銀の靴(VIT+8)
装飾品1:ウサギのお守り(AGI+5%)
装飾品2:カラスの指輪(AGI+10%、ING+10%)
装飾品3:なし
「ん、あれ?……え、装飾品3って。たしか装飾品って……」
今までの装備画面では、たしか装飾品は2までしかなかったはずだ。
でも今確認してみたらなんと装飾品3という項目、つまり装備枠が1つ増えていた。
…………え、なんで?
「レベルが、15になったから?」
理由としてはそれしか考えられないが、でもそれを知らせる通知画面など出てただろうか。
いや、ストーンゴーレム狩りの最中にたしかにレベルが15に上がった時に何かそれらしい画面が出てきてたような気がしないでもないぞ。
その時はとにかく次のストーンゴーレムを探しにいこうと画面をよく確認もせずに閉じてしまったけどもしかするとあれだったのかも。
「まあ、いいかもう。とりあえず、守りの指輪をつけておこう」
装飾品3:守りの指輪(VIT+10)
さて、そこで私の最終的な能力値についてだが計算した結果こうなった。
STR:58(38+20)
VIT:105(38+なんかいろいろ)
AGI:56(34+なんかもろもろ)
ING:33(30+3〈カラスの指輪の10%アップ値〉)
DEX:20
LUX:21
「うん、おかしいよね。とくにVITとか。もう100超えてるんですけど」
耐久の値が105だとして、それでいったいどれだけのダメージが防げるのか。
魔法攻撃によって受けるダメージは耐久ではなく賢さ、INGの値で決まるのだけど。
そうだな、試しにちょっと無抵抗で攻撃を受けてみるか。さすがに1回でどうこうということはないだろうし。
「よし、決めた」
と、私がベンチから立ち上がった時にちょうど日が暮れて夜になった。
つまりは午後7時となったことを知らせてくれたわけだけど、私はまた岩場へ行く。
まあ、特にモンスターに変化もないんだけど。(ゴブリンがゴブリントーチに変わってるくらい。)
「ストーンゴーレムのたたきつぶし攻撃を直に受けてみよう」
もしもそこに他のプレイヤーがいて今の発言を聞いたとしたら卒倒するものもいるかもしれない。
あるいは正気を疑われるような発言だったとも。
戦闘中に誤ってくらってしまったのならまだしも、自分から攻撃を受けに行くとは。
でも、今の私のVIT値がどれだけ高いのかを客観的に確かめるためだからね。きっと私以外でも同じこと考えて同じようなこと試すプレイヤーだっているだろうし。
<第1階層:岩場>
というわけで戻ってきたよ、岩場に。
またしばらくはザコモンスターの相手をしてたけど、そこでもちょっと発見があった。
ゴブリンメイスのこん棒攻撃や、ゴブリンソードの斬りかかり攻撃とかもうダメージ0なの。
もちろんゴブリンアーチャーの矢とか、ウルフの飛びつきも同じく。
それもこれも頑丈Ⅹの効果で一気に19もVITが上がった結果だろうけどね。
ストーンマンの殴りかかりでさえ1ダメージなのだからこれはもう相当だな。
このフィールドではもう、クロウのダークボール攻撃と、ストーンマンのストーンバレット以外の攻撃では私はろくなダメージを受けずほぼ無敵状態だった。
ただ、そうなってくるともうモンスターとの戦闘に緊張感などは消え去って私はザコモンスターとの戦いを適当にすませるようになった。
いや、適当に済ますというか。だって向こうが何してこようとこっちは無傷なんだもの、なんかそれで真面目に戦って倒すってなったら弱いものいじめみたいだし。
だから、適度に手を抜いて戦うのだ。本当はあんまりいいことではないのかもだけど。
「お、ストーンゴーレム発見。よし、近づいて攻撃だ」
しばらくして遠方にストーンゴーレムの姿を確認すると私は接近した。
そしてすかさず頭部にウィンドボールを打ち込んで見る。命中してダメージを与えるとゴーレムはいつものように激怒して戦闘態勢に。それで両腕を大きく振り上げて……来た!!
私は怒ったゴーレムが両手を組んで腕を振り上げて、私めがけて振り下ろされる腕を思いっきりの頭突きで返したやった。
このゲームは残酷な描写などは極力カットされているのでどれだけ大ダメージを受けたりしても首がもげたり体が潰れたりすることはない。
斬られても血が一滴も流れ出ないくらいだし。斬られた痛みと衝撃はある程度感じるけどすぐに引いておさまるしね。
「ズゴォーン!!……ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!、いったいって!!」
それでも限度ってものはあるみたいだ。
私がほぼ無抵抗で受けた一撃で体力が一気に20も削られた。
この私でさえ一撃で20も削られるということはVITが低い魔法使いなどが今のを受けたら一撃で死ぬんじゃないだろうか。マロンちゃんとか危なさそう。
そして今私の頭に来た衝撃は、きっとこのゲームの中でも最大のものだったに違いない。
もう頭がぐわんぐわんして痛みもかなりの時間残ってた。まったくやるんじゃなかったよ。
さらに再びの両腕振り下ろし攻撃、私は今度はそれを盾で受け止める。
このゲーム内ではプレイヤーの装備している装備や武器には耐久値などはないため、たとえば同じ剣をどれだけ長く使っていても刃こぼれなどしないし、なんでも溶かす酸性の液体を盾で受け止めても溶けてなくなることはないのだ。ダメージは受けるけども。
「ズガーン!……ぐ、う、ううう!」
私は左手の丸い盾で攻撃を受け止めたが衝撃はほぼ先ほどと同等のものが来た。
左手がビリビリとしびれているような感覚がしている。
だけどダメージは軽減されたようで発生したダメージは8。
盾を使って防御してもなおこれだけの体力を削ってくるとは。
やはりエリアボスはそこらへんのザコとは格が違うようだ。
「ふう、うーん。じゃあ今度は剣を試してみるか」
私はいったん距離を置くとまた接近してから今度は剣での攻撃を試してみることにした。
ストーンゴーレムは耐久の値がが高い。でも一応今の私の攻撃力で物理攻撃でどこまでのダメージを与えられるのかということも確認しておきたかったから。
「せや!」
私の剣での通常攻撃がゴーレムの右足に命中した。
結果として削られた体力はゴーレムの最大体力の20分の1、およそ5%程度だった。
「ふうむ。じゃあ別の場所は」
と、さらに私は左足、左手、胴体、右手と斬ってみたが結果はどれも同じ。
そして頭部だが、これは位置が高すぎてまず剣での攻撃は不可能だった。
体長8メートルもあるのだから当然だろう。あ、ちなみに胴長で足はそれほど長くない。
その分腕が長いから接近戦ではその腕の動きに注意が必要というところか。
「でも、この際だし魔法抜きで最後まで剣でやってみるか」
まあ滅多にないだろうけども、この先魔法が使えない状況に陥ったり不測の事態でMPが切れたりすることも考えられるしね。私は時間をかけてストーンゴーレムを剣で斬り続けた。
もちろんその間もストーンゴーレムの殴りつけや両腕振り下ろし攻撃はあったけど、敏捷の値は私の方が高かったのでそれらをかわすのは簡単だった。
それでどうしてもかわしきれないと判断したときは仕方なく盾で攻撃を受け止める。
手がものすごくビリビリしてダメージもあるけどそこは仕方ない。
もう2度と、少なくとももっとVITの値が上がるまではストーンゴーレムの攻撃を素で受け止めようなんてことはしない。ダメージより感じる痛みがやばいから。
そして何度目かの剣での攻撃でやっとストーンゴーレムの体力は0になり倒せた。
石の巨体が地面に崩れ落ちてその体がゆっくり光の粒子となって砕け散っていくのを見るのはプレイヤーにボスモンスターを倒したという実感を沸かせてくれる。
31個目となる守りの指輪とストーンゴーレムの心臓を回収するとそこで私の眼前に通知画面が表示された。
<スキルが成長しました>
片手剣術Ⅱ→Ⅲ
盾術Ⅱ→Ⅲ
「おっと、このタイミングで上がったのか」
私は、ⅠからⅡに上がった時も思ったけどやはりこの武器関連のスキルは相当上がりにくいのだということを改めて理解した。
いや、もしかしたら本当はもっと段階的に上がっていくもので、今この時点でⅢまで成長している私は逆に異常という可能性もあったけど。
スキルレベルの存在するスキルのレベルの上限はⅩだが、まだゲーム序盤の序盤である第1階層ですでにⅢであるのだし。
盾術の方は、スキルが上がっただけでまた特に変化はなかった。
ただ盾術はスキルレベルが上がると盾で攻撃を受けた止めた時に減らせるダメージの割合が上昇するので上げておいて損はないし、むしろ積極的に上げるべきスキルだろう。
片手剣術の方は、今回も新しい技を4つ覚えた。
ちなみにこの武器スキルのスキル成長で覚えたスキルは、当然ながらその武器を装備している時でしか使えない。
槍を装備している時に剣の技を繰り出せないのと一緒である。
剣で攻撃するスキルは剣を装備している時でなければ使えないということだ。
まあ、今の私は武器は片手剣しか装備できないから関係ない話だけど。
「えーと、どれどれ……」
私は新しく覚えた4つの技(=アクティブスキル)を確認していく。
〇回転斬り
剣で自分の周囲を1回転斬りつける。
消費MP:5 再使用可能までの時間:8秒
〇稲妻斬り
雷属性の物理攻撃。雷をまとった剣で斬りつける。
消費MP:3 再使用可能までの時間:5秒
〇水流斬り
水属性の物理攻撃。水気をまとった剣で斬りつける。
消費MP:3 再使用可能までの時間:5秒
〇砂塵斬り
土属性の物理攻撃。土気をまとった剣で斬りつける。
消費MP:3 再使用可能までの時間:5秒
「なるほどね。後半の3つはまあわかるよ。火炎斬りとかと同じ流れのやつでしょ」
スキルレベルがⅡになった時に覚えた技、疾風斬り、火炎斬り、氷結斬りがそれぞれ風、火、氷属性の物理攻撃技だったので今回のもようはそれの雷、水、土属性バージョンということだろう。
消費MPや再使用可能までの時間も同じだからおそらく威力も一緒。
というか砂塵斬りの説明にかいてある土気ってなんだろう。
いや、雷や水気っていうのはなんとなく想像できなくもないんだけど。
「いいや、試してみるか。砂塵斬り!」
答えから言うと、土気というものはなんか橙色っぽいオーラのようなものだった。
ああ、そういえば火炎斬りも火をまとった剣というよりはただ剣が赤っぽいオーラをまとっているように見えなくもなかったし、属性ごとに色が決まっているというか。
「じゃあ今度は、回転斬り!」
私がそう叫ぶと私の体は勝手に剣を構えてそしてその場で1回転ターンをした。
うわ、これちょっと酔いそうになるな。でも技の効果はわかった。
「ようは回りを敵に囲まれた時に使う技か。……まあできれば囲まれないようにするのがいいんだろうけども。あえて囲ませて1度に複数のモンスターを同時に攻撃したりとかも、できそうだな」
私は剣の構えをとくとそうつぶやいた。
そして今回の戦闘で減った分のHPとMPをポーションと聖水を飲むことで回復する。
戦闘中でも飲むことはできるんだけどね。飲んで回復してる最中に攻撃を受けたりすると回復の効果がなかったことになったりして物だけ消費しちゃうんで、出来れば戦闘が終わった後、なんでもない時に回復しておくのが冒険者の心得とされている。
もちろん、ボス戦などHPやMPの消費が激しく、かつ戦闘が長引きそうな場合はその限りではないけど、そういう敵とは基本複数人でパーティを組んで戦うので、他のプレイヤーに攻撃やら防御やらを任せている間に自分は回復する、という連携をとるわけだ。
ビッグポイズンスパイダー戦や、ヤタガラス戦でそのあたりのことも学習したからね、私は。
「明日はいくつかギルドで住人クエストをやった後に午後からダンジョンに行ってみよう。ということで今日はもう帰ってログアウトするか」
明日はついにこの階層のダンジョンに挑戦である。
今日でまたレベルが上がって15になったので、きっとダンジョンの中でもそれほど苦労はしないはず。
私は意気揚々と街まで帰って来ると門を抜けたところですぐにログアウトした。
もしも行けそうなら明日、そのままダンジョンのボスに挑戦してもいいかな。
――神界の私の部屋――
私は現実世界へと帰還するなりゲーム機の電源を切って頭から取り外すと目をしばたかせた。
長時間向こうにいると戻ってきた時に体の感覚がちょっとおかしくなることがある。
視界がぼやけたり、あるいは上手く立てなかったりするのだ。
だから下界でも途中で休憩を挟まず長時間のプレイは非推奨とされていたのだが、まあ私は神様だし普通の人間とは違ってどんなに長時間ゲーム世界にいても現実世界の体がどうこうすることはない。
でも、それでも身体の感覚は人間のそれに近いので影響がゼロではないのだけど。
「よし、今日はお金もあるし外に食いに行こう」
私は、別に自炊ができないわけではない。
やろうと思えば簡単な料理くらいなら自分で作れるし、1人暮らしを始めた当初は作ってた。
でも、だんだんとそれが面倒くさくなってきて最近ではほとんどやってないけど。
お金がある時くらいは外食したってバチはあたらないはずだ。
いつもはコンビニ弁当とか、スーパーの総菜しか食べてないし。
お金がないときはパンの耳と水道水でなんとか凌ぎつつたまに知り合いにご飯をたかりに行く。
不健康の極みだと言われることもあるが別にどうだっていいだろう。
下界の人間たちの中にはもっと酷い食生活しているやつもいるし。
ただ、神界の中では私のこれはまず底辺に近い暮らしなのかもしれないけど。
私はクローゼットの中からジャンパーを1つ取り出しそれを羽織ると、床に放り投げられたハンドバッグの中から財布とスマホだけを取り出しジャンパーのポケットに突っ込んだ。
「さて、どこ食いに行っかな。ファミレス、焼き鳥、回転ずしも捨てがたいな……」
私はそんなことを呟きながら自分の部屋を出て夜の神界を歩く。
神界の夜は、空に星はないけどその分月がすごく近く輝いているのでけっこう明るい。
でも月の光は太陽の光とちがって冷たいし、この時期は夜は気温も低く風も冷たい。
昼はうだるような暑さのくせに。どこの砂漠だよって。
「ほんと、まいっちゃうよね」
私はそう言うと息を吐いた。その息は白い煙となって風に流されて消えた。
……寒いな。もう少し着込んでこれば良かったかもしれない。
<モンスター紹介>
〇ストーンゴーレム
物質族。8メートルほどの巨体を誇る石で出来た巨人。岩場のエリアボス。
人型であり、頭部、胴体、右腕、左腕、右足、左足があって部位ごとに若干の能力の偏りがある。
頭部には顔のようなものがあり2つの穴からは赤い光が目のように輝いている。
また腕の先にはちゃんと5本の指がある。なぜか足先にはないが理由は不明。
能力値は耐久とHPが高いので物理攻撃で倒すことは難しい。
ただ、敏捷と賢さが低いので魔法攻撃はよく効く。
弱点はストーンマンと同じで風属性と水属性。逆に火属性には耐性がある。
プレイヤー側から攻撃をしかけない限りはこちらを襲ってくることはない稀有なモンスター。
プレイヤー間では、今までのエリアでは基本は夜しか出なかったエリアボスが初めて昼にも出現するようになったのでそこで初めてエリアボスと遭遇したプレイヤーが瞬殺されないようにするための救済措置なのではと推察されているが真偽は不明。
攻撃方法は、プレイヤーが近くにいる場合はなぐりつける攻撃と、両手を組んで上に振り上げてから一気に地面にたたきつける攻撃で、後者の方の攻撃力は下手するとこの階層で最高と呼ばれるほど。
また遠距離にいるプレイヤーに対しては両腕を分離させロケットパンチを繰り出して攻撃してくる。
ただし分離させた後は、腕は自動で本体には戻らず本体の方が腕の落ちた場所までやってくる必要があるのでその間は完全に無防備となる。
実は玲愛の行った倒し方は、他のプレイヤーたちも気づいていてむしろ主流だったりする。
倒すと確率で落とすストーンゴーレムの心臓というアイテムが、本当にゴーレムの動力源であるのか、またどのようにしてゴーレムが動いているのかその生態の多くは謎に包まれている。
ドロップ:ストーンゴーレムの心臓、守りの指輪
 




