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ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第1階層―始まりの街―
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ニートな女神と初めての情報屋

岩場にはRPGでおなじみのあのモンスターが出現。

ただ、岩場に行くのは次回になってしまったけど。

 私の両親の話をしよう。

 両親、とは言っても生みの親ではなく育ての親のことだが。


 私の父の名はアストライオス。「星空」を司る神にして天文学者。

 母の名はエーオース。「あかつき」を司る女神にして今は専業主婦をしている。

 2人の仲はとても良好であり、私はこれほど仲の良い夫婦は他にいないのではないかと思う。


 父は、天文学の世界では権威と称されるほどの学者でいくつもの論文を書いては数々の賞やら功績を残し、今は神界にある有名大学で名誉教授の仕事をしている。

 母は、父と結婚する前はOLをしていたらしい。

 ただ、父と母がどのようにして出会い、どのように結婚までこぎつけたのかということについては私はまだ聞かされていない。

 2人は私がそのことを聞くと妙にそわそわして話題を変えてくるので、もしかしたら子供に聞かれたくない何かがあったのかもしれない。


「ああ、そういやお母さん。結婚のことも言ってたな」


 私は起床して、服を着替えた後にゴミ出しを終えて、久々に部屋に掃除機をかけながら思い出す。

 先月の末にかかってきた母からの電話で、たしか母があなたもそろそろ結婚がどうのこうのって話をしてたな、と。


「ていうかお見合いとか。絶対に嫌だし」


 私には残念なことに兄弟姉妹はおらず一人っ子だ。

 そして一人っ子というものは両親からの愛を一身に受けるわけだ。

 周囲からはなかば過保護だと思われんほどに。


 前は母がうちにやってきた時に、洋服ダンスの中に入っていた服を見て地味だのダサいなど言ってきたし、驚いたのはその時一緒についてきた父が私の普段はいている下着を見て、過激すぎると言って勝手に処分しようとしてきた。

 後日、実家の方から下着やら洋服が送られてきたものの私はまだ送られてきたその段ボール箱を2箱とも開けていない。部屋の隅で今もほこりをかぶっている。


「服くらい好きなの着させろっての」


 この調子だと私には自由な恋愛など許されないかもしれない。

 まず間違いなく親が選んだ相手と結婚させられるだろう。

 もしそうなるくらいなら一生独身で……あ、でも……うーん、どうだろうか。


「……まだ恋も経験したことないのに」


 私は掃除機をかけおわるといつものハンドバッグを持って外に出かけた。

 そして直近の銀行のATMで今月分の仕送り金のうちからいくらか引き落とすと財布にしまってそのまま財布をバッグにしまった。

 いつもならこれで家にかえるところだけど、最近のゲーム三昧で運動不足になっていた私は少し運動しようと離れたところにある公園まで足を運んだ。

 公園で、しばらく散歩を楽しんだ私は自販機でミネラルウォーターを買うと公園のベンチに腰掛けてそれを飲んだ。


「今は、恋愛なんかよりも大事なことがある。そう、まずは仕事を見つけないと」


 私はそう言ってまた一口水を飲むとペットボトルのフタを閉めてそれも鞄の中に。


「そのためにはまず、私が司るものをちゃんと理解しなければいけない」


 自分の司るものがなんであるのかはすべての神は理解している。

 ただ、司るものによってはその解釈が多様で、あるいは抽象的な概念であるが故にこうして頭を悩ませる若者が増えている、とスマホのニュース記事で読んだな。

 たとえば「戦争」や「戦」などを司る神。


 神界にはもちろん、神同士のいざこざや喧嘩などが起こることもあるが戦いとまではいかない。

 だから神界には軍隊が存在しないのだ。いつだって神界は基本平和なのだ。

 ではそうした戦いなどを司る神はいったいどんな職につくのか?


 まずは警察官。神界にももちろん下界と同じようにルール、法律があるのでそれを破ったものなどを取り締まる仕事だ。

 他に刑務官、ボディーガード、あるいは力が優れているのであれば引っ越し業者などにも多く見られる。

 それらはすでに司るものから逸脱してはいるものの、別に絶対的に司るものに関係のある仕事をする必要もなく、職業選択の自由は神界にもある。

 あるのだが、そのような場合まず長続きしないのだ。

 それはつまり自分の本質を理解したうえで、あえて違うことをするようなもので。

 そのせいで近年、神界の若い神の離職率、辞職率は増加の一途をたどっている。

 それでも多くの神は、アルバイトや派遣登録などで食いつないでおり私のような、まあ下界でいうなら完全に何もしないニートはごく少数派なのだ。


 これでも私も、しばらくはコンビニや飲食店でアルバイトをしていた時期もあった。

 ただ、なぜかどのバイトも長続きしなかったので嫌になってそれもやめてしまった。


「だけど、やっぱこのままじゃいかんよな。……またバイト探すかな」


 私はベンチから立ち上がり、公園を出て家までの道を歩く。

 でも、それはゲームの方が一段落してからでいいか。今日は新しいフィールドにも行くし。


「ふふふ、第1階層を突破するのも時間の問題かな」


 私は帰り道、ニタニタ顔で道を歩いていたのだが道ですれ違う神たちが何か見てはいけないものを見たような顔をしてさっと顔をそらし、足早に横を通り過ぎて行ったが私はそんなことなど気にしない。

 いや、ゲームのことで夢中になっていたからではなく、もう慣れたからね。


 そして私は自分の部屋に帰ってくるなりハンドバッグをいつものように放り投げるとさっそくゲーム機を頭に装着してベッドの上に横になった。

 別に焦っているわけでもないけど、でもあんまり同じ階層に長々といるのもつまらないからな。

 まあ、といっても第1階層を抜けるのはまだもう少し時間がかかりそうだけど。


 <第1階層:始まりの街>


 私は祭壇の上から降りるとまずは薬屋へと向かった。

 調合でアイテム作成をするという目的もあったし、それに昨日のヤタガラス戦では回復アイテムをけっこう使ってしまったのだ。


「いらっしゃい。お、今日も来たんだね」

「はい。えっと、まずは聖水を30個下さい」

「30個だね。何か消費MPが大きい魔法でも覚えたの?」

「あ、はい」


 正直大きいどころではない。

 魔法ではないが、あのヤタガラス召喚のスキルは非常に燃費が悪い。

 だからMPを回復させるアイテムを過剰に買っておいて損はないと思ったのだ。

 それに、私は剣と同じくらい魔法の使用頻度も高いから。


「はい、聖水が30個で1500Gだよ」

「はい、これで」


 私は薬屋の店員から聖水を受け取ると今日もまた薬屋の奥のスペースを借りさせてもらった。

 そしてポーションと、毒消し薬を大量に作っておく。野菜ジュースは商店街で色々買う必要があるんで面倒だからパス。

 フィールドから帰ってきた時にでも材料を買っておくか。


 そして1時間後、それぞれ50個ずつ作っておいたポーションと毒消し薬。

 毒消し薬は、正直私はもう使わないけどマロンちゃんたちにおろす分もあるし、今後他のプレイヤーにも売りに出してもいいかと考えている。

 マロンちゃんたちから13000Gものお金を先払いで支払ってもらっているからそれはまだ先のことになりそうだけど。


「あ、そうだ。私これから岩場に行こうと思ってるんですけど」

「うん」

「そこって、何か厄介なモンスターとかいます?」

「うーん、僕はあんまりモンスターのこととか詳しいわけじゃないけど、あ、でも状態異常にするような攻撃をしてくるモンスターはいないと思うよ」

「そう、ですか」


 私は店を出るときに店員さんに聞いてみた。

 先の楽しみを奪うようだが、でもポイズンスパイダーのようなキモイやつと初見で戦うのも嫌だ。

 情報収集もプレイヤーにとっては必須のことなのだ。とくにそのフィールドのエリアボスや、ダンジョンのボスなどについての情報は。


「情報がほしいなら酒場に行ってみたら?」

「え、ああ、はい。そうですね」


 このゲーム内にも酒と呼ばれるアイテムはある。

 それを飲むと現実世界と同じように酒によった感覚が味わえるというだけのアイテムであるが、それはれっきとした酩酊という名前の状態異常でありこれから冒険に行くというプレイヤーはまず飲まない。

 ただし、現実世界で禁酒したいと考えている人間には絶大な効果があるという話も聞く。

 こちらの世界でいくら酒を飲んでも、現実の肉体は酔うことはないのだし。

 でも飲みすぎると、現実世界に戻った時にも脳に影響を与えるとかでしばらくふらつくなんてこともあるからそれが今、下界で社会問題になってたりするようだ。

 トトおじさんに前に会いに行った時にその話を聞いたから間違いない。


 ちなみに私は、神界ではそれほど酒を飲む方ではない。

 別に嫌いなわけでもないのだけどね。


「わかりました。行ってみます」


 私は店員に礼を言うとアドバイス通りにこの街の酒場に行ってみた。

 だけど、酒場は基本的に夜に営業しているのでほとんど昼間は閉店中だった。

 しかし1軒だけ、昼間であるのにも関わらず営業してる酒場があった。

 酒場の中に入ったらまあいるよね、昼間から酒にいりびたっているおっさんが、多数。

 中には雰囲気づくりのためにゲーム内のキャラもいたけどここにいる大半はプレイヤーだった。


「いらっしゃいませ。何を飲まれますか?」

「あ、えと私お酒は……何かジュースを」

「かしこまりました」


 私は店に入るととりあえずカウンター席に座った。

 すると店のマスターであるNPCが注文を聞いてきたのだけど。

 私は、さすがに酒場にきて何も注文しないなんてことはしない。

 ただこれから冒険に行くので酒は飲むつもりはなかった。


「どうぞ、オレンジジュースです」

「あ、どうも」


 そもそも私は、こうした酒場とかバーとかいう場所に行ったことがほとんどない。

 1度だけバイト先の先輩と一緒に神界のバーに行ったことがあるくらいだ。

 いつもは近所の居酒屋かなんかで安酒をちびちび飲んで楽しむくらいなのだし。


 私はオレンジジュースを飲みながら改めて店内を見渡す。


 さて、情報収集とは言ったが誰に話を聞くべきか。

 まず店の主人や、店内にいるゲームキャラはパスだ。

 いや、ここはゲームの中だし普通はその人たちに話を聞くものだ。

 だけど私はここはプレイヤーに話を聞いてみたかった。


 でも、昼間から酒をのんだくれているおっさんプレイヤーはなしだな。

 下手すると岩場まで行ったことないプレイヤーかもしれないし、話の信憑性も低そう。

 なにより、酔っ払いに不用意に話しかけてからまれるのは絶対に嫌だった。


 と、なると私のように1人で寂しく飲んでいるやつ……ん?


 そこで私は店のすみっこの方で1人で酒らしきものを飲んでいるプレイヤーを見つけた。

 ただ、その容姿がどうみても幼いというか、小学生に見えるのだ。

 昼間の酒場にいるには明らかに場違いなプレイヤーの姿。

 私はオレンジジュースの入ったグラスを持ってそのプレイヤーのいる席に向かった。


「あの、ここいいですか?」

「うん?、ああまあ、いいけど」


 向こうの許可を得たので私はそのプレイヤーの向かいの椅子に座り、テーブルの上にオレンジジュースを置いた。

 今の声でわかったが、女性だ。身長も低いので小学生だろう。

 いや、リアルが小学生ということはゲームの年齢制限があるからまずないのだけどね。

 頭からひざまでを覆うフード付きの緑色のローブ、たぶんマロンちゃんが着てたやつの緑版だろう。

 そして口元にはマスクをしてかろうじて目元だけが見える。

 瞳の色はブルーであり、肌の色はやや白かった。


「さっきからじっと見てるようだけど、何か用?」

「あ、いえ、あの……少し、話したいかなって」


 でも、なによりもなんかその女の子、めっちゃ高圧的というか偉そうなんだけど。

 あと、最初お酒だと思ってたけど近くにきたらこの子が飲んでたのもただのジュースっぽかった。


「話って、私に?」

「はい。あの、情報……」


 という言葉を言いかけた時だった。

 目の前の彼女の目が変わったことに気づいた。

 なんていうか、今までの高圧的な視線から一気にやわらかくなったというか。


「へえ、あんたみたいな子にも知ってもらえてたとはね」

「え?」

「いや、私もあんたが店に入ってきた時にはまさかとは思ったんだけどね。だってあんた、どうみても見た目通りの女の子って感じだったし、私とは違うでしょう」

「違うって、何が?」

「お、それは聞いてないのかい。じゃあまずは自己紹介がてら……」


 何やら話がトントン拍子に進んでいる気がするけどそこで目の前の女性は頭に被ったフードと口元のマスクを外した。

 するとどうだろうか、そこには北欧の美少女と呼ぶにふさわしい顔があった。

 整った目鼻立ちに流れる金髪、ブルーの瞳がまたそれに映える。


「私の名前はアイリッシュ、この街で情報屋なんてやってるもんさ」

「じょう、ほう、や?」

「おや、なんだい。知っていて私に声をかけたんじゃなかったのかい?」

「え、いや……はい、まあ」

「なんだ、そうだったのかい。こりゃあ失敗しちまったかね」


 と、アイリッシュと名乗った女の子はそこで肩を落とした。


「えっと、情報屋って?」

「ん、ああ、そうさね。まあ言っちまえば様々な情報を売ったり買ったりしてるのさ。情報っていってもそれはもう色々で、ゲーム内のモンスター、プレイヤー、クエストのクリア方法とかね。あとは巷で流れる単なる噂話までとにかく何でも、さ。リアルじゃゲームの攻略サイトの管理人やってるやつなんてのもいるけど」

「へえ、そんな職業があったんですね」

「お嬢ちゃん、そりゃ間違いだ。これは職業っていうか趣味の話さ。ただ、物知りが自分の知識をひけらかしたいだけってわけ。もちろん情報料はいただくけど」


 なるほど。でもそれなら私は運が良かったのかな。

 にしてもお嬢ちゃんって、見た目はアイリッシュの方が断然若く見えるのだが。

 中身は案外年くったおばさんなのかもしれないな。


「それで、あんたの名前は?」

「あ、玲愛です」

「ふうん、聞かない名だね。最近このゲームを始めたばっかりかい?」

「そうですけど、あの」

「なら他を当たりな。っていうか序盤なら街の連中にでも聞けばだいたいのことは……」

「あの、えっと、岩場について聞きたいんですけど」


 私はアイリッシュの言葉を遮るようにして言った。

 するとアイリッシュの顔がまた変わった。今まで私のことを小馬鹿にいたような態度だったのが目がシュッと細くなり真剣な表情になった。


「は、今なんて?」

「いや、だから岩場の情報を」

「岩場って、あんたそれわかって言ってるのかい。あそこはこの階層でもっともむずいフィールドだよ?」

「はい、知ってます。でも、もう森をクリアしちゃったんで」

「え、ちょっと待って。あなた今レベルいくつ?」

「え、昨日1つ上がって今は13ですけど」

「13!?」


 おや、何やらアイリッシュの顔が驚愕に染まった。

 ふむ、なかなか顔芸が得意なようで。というかいちいちオーバーな人だな。


「え、待って。ゲームを始めて今日が何日目?」

「えっと、今日で……うん?、何日目だろう。でも1週間はまだたってないはず」

「冗談でしょ」

「いえ、事実ですよ。ほら……」


 私は自分のステータス画面を開いてこれが証拠とばかりにアイリッシュに見せた。

 そこには表示された私の現在レベルを確認するとアイリッシュはいよいよ驚いた様子で。


「ちょ……あなた、何者?」

「え?」

「あなたみたいなプレイヤーがいるって話、私初耳なんだけど」

「ああ、えっと。ずっとソロプレイだったから」

「ソロプレイでしかも短期間にここまで……わかったわ。私が間違ってたみたい」

「え?」

「あなたは私の客。それで、聞きたいのは岩場についてだったっけ?」

「あ、はい」


 どうやら認めてもらえたようだ。

 相手のレベルを見て態度を変えるなんて、現金なやつだと思ったけど。

 でも、きっとその分自分の仕事、ああ、趣味には自信があるということか。

 完全な初心者は相手取らず、あくまでゲームに慣れてきたプレイヤーが利用するような情報屋。


「具体的には何を?、出現モンスター、マッピング、ダンジョンについて、他にも色々あるけど」

「えと、じゃあ出現モンスターを。今までのフィールドに出てこなかったやつと、エリアボスについて」

「そう、それならちょっと高くつくわよ。1500G」

「え?」

「えって何だよ。言っておくけど私は値段はまけないよ」

「いや、まあ払いますけど……」


 私が驚いたのはむしろその料金の安さにだった。

 1500Gといえば、ビッグホーンラビットを2体倒して手に入るウサギのお守りを、2個売れば手に入る額だった。……いや、その考えができるのは私だけか。

 もちろん情報料は先払いだったけど私はもちろん1500Gを払ったよ。

 でも、私はその情報の価値というか相場なんてしらないからもしかしたらふっかけられてるのかもしれないけれども。ゲーム内で1500Gくらいなら別に詐欺られてもいいか。


「はい。たしかに。それじゃあ話すけど、1度しか言わないからよく聞いてね」

「はい」


 そして彼女が話し出した情報を私はふむふむと相槌を打ちながら聞いた。

 さすがに1500Gも払った情報だったからか、彼女も奮発してものすごく丁寧に詳しく話してくれたおかげですごく役に立つ情報を聞くことができたと思う。

 もちろんそれが嘘である可能性もあるんだけどね、まだ今この段階だと。


「色々教えてくれてありがとうございました」

「ふふふ、何か知りたいことがあればまた来なさい。今度は情報を売りに来てもいいよ?」

「そうですね。何か面白そうな話でもあれば……あ、そうだ。最後にもう1つ聞いてもいいですか?」

「何?」

「えっと、アイリッシュさんって……」


 リアルではおいくつなんですかと聞こうと思ったけどやっぱり聞くのはやめにした。

 口調と態度などからもアイリッシュがゲーム内の見た目通りではなくおそらくは見た目よりもだいぶ上であることがうかがえたから、むしろそれを聞くのは怖いなと思った。


「あの、いえ、やっぱり何でもないです」

「そう。それじゃあもう行きな」

「はい、ありがとうございました」


 私は深々と礼をすると店のカウンターでマスターにオレンジジュースの代金を払って店を出た。

 うん、まあああいう人もいるんだな。やっぱり人は見た目より中身だ。

 このゲームをプレイしていると、本当にそう思う。


 もちろん、見た目と中身がもっともかけ離れているであろうプレイヤーは、私なんだろうけど。

 だって神様だしね、私は。



<情報屋について>

ゴッドワールド・オンラインのプレイヤーの中には、自らを情報屋と称するプレイヤーたちがいる。

情報屋とは文字通り、様々な情報を売ったり買ったりするのだが、職業ではない。

情報は、自分で仕入れたりすることもあるが誰かから買った情報をまた別のプレイヤーに売ったりする。もちろんその情報の裏取りはする。

情報はゲーム内のフィールドやダンジョン攻略によるものから、有力プレイヤーの情報、果てにただの噂話レベルのものまで基本はなんでも取り扱っている。

中にはゲームの攻略サイトなどにも書かれていない裏技などの情報を持っていることもあるので、意外と利用するプレイヤーも多いようだ。

情報料は、その情報の価値と信憑性が高いほど売買の値段も高くなる。

ただし値段を決めるのはあくまで情報屋の方であり、高額な値段をふっかける者や嘘の情報を教える者などもいるためプレイヤーはそれを見極める目を持たなくてはならない。


ちなみに玲愛が声をかけたアイリッシュという情報屋は、その筋で情報の信憑性においては一定の信用があり、客は選ぶが値段も適切で良い情報屋として有名なプレイヤーだったりする。


アイリッシュは第1階層だけでなく第3階層までのあらゆる情報を網羅している。

中の人の年齢?……じゃあ1000万ゴールドです。

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