ニートな女神と初めてのカラス退治
この話の最後の方で、ローズがある単語を口走りますが。
その単語を検索すると実はローズの神様の恩恵がわかっちゃったりします。
もしもまだ知りたくないという方は決して検索なさりませんように。
今回のクエスト攻略に当たって役割分担は2つに分かれている。
ようはゴミ山を破壊するメンバーと、その間にカラスの注意を引きつけておくメンバー。
そして前者は李ちゃんとマロンちゃん、後者はローズとラフィアちゃんの2名態勢で行う。
……え、私の名前がないって?……ああ、それは。
「玲愛さんはどちらでも構いませんので」
「え?」
「玲愛さんはメンバーの中で1番強いですし、なのでその時その時の判断でどちらに加わっていただいても構いません。もちろん全員でお互いをカバー、サポートしますので安心して下さい」
「あ、うん。そりゃあそっちの方が助けるけど」
私は遊撃要員となった。つまり何でもあり、好きに動いていいと。
クエスト開始前、公園でその公園の管理人であり、今回のクエストの依頼人であるおじいさんの話を皆で聞いた後で開かれた作戦会議で私はローズにそう言われた。
そしてそれはローズだけでなくメンバー全員の総意らしかったので私は文句も言わなかったし、正直その方がのびのびと行動出来るので助かった。
「あ、そうだ。戦闘始める前に皆にこれを渡しておくよ」
そうして私は4人にそれぞれポーション☆と野菜ジュース(オレンジ)☆を3つずつ譲渡した。
「足りなくなったら言ってくれればまだあるからね」
「え、あの玲愛さん。この、ポーションはわかるのですけど野菜ジュースというのはいったい?」
ああ、そういやローズには前の戦いの時に渡してなかったから知らないのか。
「あのね、ローズ。とりあえずアイテム画面で確認してみて」
「え?……ええ。……!?、これは……凄いアイテムですね」
おや、ローズは驚いていたけど反応が薄いな。
まあ客観的に見たらそれほど劇的な効果ってわけでもないから仕方ないか。
「あれ、玲愛さん。こちらのポーションの方も」
「ん、何?」
「えっと、普通のポーションってたしかHPを50回復してくれるはずですよね。でもこの渡されたポーションはその、回復量が80ってなってますけど」
「うわ、本当だ!、しかもなんか名前の最後に☆マークついてる」
ああ、それね。1から全部説明するの面倒だな。
「皆、このアイテムはお姉さんが自分で作ったアイテムなんだって」
「ええ!?」
「そう、なんですか?」
おや、先にマロンちゃんが説明してくれぞ。
「う、うん。その最後についてる☆のマークは、普通のやつよりも良い効果だよっていう証みたいな」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ大切に使わないとな!」
「ええ、HPを80も回復してくれるのでしたらギリギリで使ってもいいですしね」
「いや、さすがにHPギリギリで使うのは危険だから。大ダメージ受けた直後くらいには飲んでよ」
まあ、ラフィアちゃんの意見ももっともだと思うんだけどね。
「あれ、でもお姉さん。この野菜ジュースは売り物だったんじゃないの?」
「あ……あー、そうだった。うーん、と」
「あら、それならクエストが終わった時に使った分のアイテムの代金は私が……」
「ダメですよ。それは皆でお支払いすることにしましょう。ね?」
「う……まあ、ラフィアがそういうなら」
おっと、どうやらこのパーティーのお金の管理的なことではラフィアちゃんが担当のようだ。
今の言葉だけ普段のオドオドした感じではなくはっきりとものを言っていた。
ローズの方も、きっと気前よくお金を支払ってリーダーっぽく振舞おうとしたのだろうけど失敗して落ち込んでしまっている、うん、まあドンマイ。
「さて、それじゃあそろそろ始めます。皆さん、いいですね?」
「「「はい」」」「は、はい」
あ、また掛け声ずれちゃった。慣れないな、このやりとり。
そうしてローズが公園の中にあったゴミ山というオブジェクトに触れて現れた画面から、クエストを開始するというボタンを慎重に押した。
するとすぐに私の視界に変化が起きた。
まずはそれまで公園内にまばらにいたと思う街の住人達が消えてなくなった。
そしてフィールドに出て戦闘になった時と同じように視界の下に自分のHPとMPのケージ。
視界の端には他のメンバーの名前、HP、MPの表示が見えている。
私の右手にはもはや愛用となった銀の剣、左手には丸い盾が装備されていた。
なるほど、事前に言われた通りだ。これでクエストをクリアするまでは公園から出ることもできなくなったと。
ちょっと気になったけど、私たちがこのクエストやってる間って外から他のプレイヤーはこの公園に入れなくなってるのだろうか。
それとも見た目は同じマップでも戦闘フィールドになってない普通の公園に入れるようになってるのか、そこのところはどうなんだろう?
いや、今はそんなことどうでもいいか。
「玲愛さん、あれですわ。あれが破壊対象のゴミ山です」
「お、意外と小さいんだね」
だけどそのオブジェクトの耐久力ケージの上にはオブジェクトの名前としてこう書いてあった。
ゴミ山(小)、と。
小ということは、もしかするとこのクエスト内で中や大が出現する可能性もあるということか。
「それであれが問題の」
「うん、カラスだね」
そのゴミ山の上に1羽のカラスが止まってこちらを見ている。
HPケージはかなり短く、多分マロンちゃんの杖でなぐっても一撃で倒せそうだったけどここから数が増えていくのだというから今のうちに動きの癖などを見ておきたかった。
なので私は最初はカラスを蹴散らす方のポジションにつくことにした。
そして戦闘が始まった。
ローズの合図でまずはローズが1羽のカラスを瞬殺。
そして3秒後くらいに今度はカラスが2羽フィールドに出現した。
李ちゃんとマロンちゃんは魔法や槍でゴミ山を攻撃しているがゴミ山は結構しぶとそうだった。
「ファイアーアロー」
「せや!」
そうしているうちにラフィアちゃんとローズがまたカラスを2羽瞬殺した。
そしてまた3秒後くらいに今度はカラスが4羽になって出現した。倍々で増えてくのかよ。
と、思ったいたらさらにカラスがもう1羽出現した。
なるほど、そっちは時間経過で増えた分か。
そしてその時点でゴミ山(小)の耐久力は半分を下回ったというところ。
うーん、これはそっちを手伝った方がいいのかな。
と、私は考えつつもカラスを何羽か斬り倒していく。
カラスは素早いと聞いていたけど、でも私からしたら全然遅く感じた。
これくらいならウィンドステップを使わなくても楽に倒せるはず。
ただ、問題は数なんだよね。
ほら、そうこうしているうちにカラスが15羽に増えた。ここから先は数えるのが面倒だしやめよう。
で、そこでようやくゴミ山(小)が破壊された。
しかし次の瞬間には公園内の別の2か所に同じゴミ山(小)が出現した。
でも、あのゴミ山ってどう見ても燃えるゴミっぽいよな。
見た目廃材とか段ボールとか汚い布の寄せ集めみたいだし燃えるんじゃないか?
私は試しに一方のゴミ山にファイアーボールを打ち込んで見た。すると……
「え?」
「「「「え?」」」」
ゴミ山(小)はそれだけで消し飛んだ。
ああ、これは決まったわ。私のポジションは絶対にゴミ掃除の方。
ということを私は他の4人に首を縦に振るだけで伝えたし、伝わった。
「ファイアーボール!」
そして再びのファイアーボールで残ったもう一方のゴミ山も消し飛ばす。
ここからはしばらくダイジェストでお送りしよう。
ゴミ山(小)×3が現れた。カラスはけっこういる。クリアまでの所要時間1分。
ゴミ山(小)×5が現れた。カラスはたくさんいる。クリアまでの所要時間2分。
ゴミ山(小)×7が現れた。カラスはすでに100羽を超えたかな。クリアまでの所要時間3分。
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
「李、落ち着いて!、大丈夫。冷静に対処していけばまだいけるわ」
「そんなこと言ったって多すぎるよ!」
「ラフィア、野菜ジュースを飲んで。あと聖水でMPも回復」
「は、はい!」
もうこの時点になるとゴミ山は基本私1人で潰して回っていた。
その分他の4人がカラスの相手をしていてくれたけどカラスはまあどんどん増える。
そして……
ゴミ山(小)×10が現れた。カラスは……いやというかもう空が黒いわ。
「無理無理無理、もう無理だって」
「玲愛さん急いで!」
「きゃあぁぁぁぁぁぁ!」
「ラフィア、ポーション!」
うわあ、これこそ地獄というべきだろうか。うん、プチ地獄だよ。
でも結局私が頑張ったおかけで5分もかからずに10個のゴミ山は片付いた。
そして私が10個目のゴミ山を片付けた時だった。それまで空を埋め尽くさんとしていたカラスの大群がいっせいに逃げ出して空が元の色に戻った。綺麗な夕焼けだよ。
「え、終わったの?」
李があまりにあっけないその終わり方にきょとんとした顔で首を傾げた。
しかしもちろんこのクエストはそんなに甘くないわけで。
「いいえ、きっと今は休憩時間です。視界の端に時計のカウンターのようなものが」
「あ、本当だ。あと1分ってこと?」
「この間に回復をすませて置きましょう。1分後に何が始まるのか、未知数ですから」
「了解」
そうして迎えた1分後。それはクエストの最初の状態に似ていた。
公園内に1つだけ出現したゴミ山、だけど今度は最初からカラスが10羽もいた。
なぜならそのゴミ山が先ほどのものより大きくなっていたからだ。
ゴミ山(中)。うん、そしてまあこれでだいたいの予想は出来た。
ああ、きっとこの後ゴミ山(大)のゾーンもあるに違いないと。
「しかも耐久力も増えてるし」
ゴミ山(中)は私のファイアーボール1発だと耐久力を8割削るに留まっていた。
なので残った2割は李ちゃんとマロンちゃんにどうにかしてもらうことにして私もカラス散らしの方に加わることにした。
そして……
「よっしゃ。1個壊したよ。今度はまた2つか。ん、どしたの皆?」
「あ、あれ……」
「うわ、何あれ。ちょっとだけでかいカラス?」
そう、ゴミ山(中)を1個壊した当たりで敵のカラスにも変化があった。
カラスの中に他のものよりもちょっと大きい個体が交じり始めたのだ。
名前はなんとオオガラス。うん、そのままだけどHPケージがちょっとだけ増えてた。
それでもまだ一撃で倒せるレベルだったけど。
「あんなの出てくるなんて聞いてないよ」
「ええ、だけどこれも退けるしかなさそうね」
李ちゃんとローズの会話を皮切りに戦闘が再開された。
ここからはまたしばらくダイジェストでお送りいたします。
ゴミ山(中)×2が現れた。オオガラスは普通のカラスよりも素早いようだ。3分でクリア。
ゴミ山(中)×3が現れた。普通のカラスも順調に増えてきた。5分でクリア。
ゴミ山(中)×5が現れた。どうやらオオガラスは攻撃力も高くなってる模様。
「ちょっとちょっと、痛い痛いってわぁー、なんで私のところにだけくるのさ~」
「ラフィアは大丈夫?」
「う、うん。ちょっと、疲れただけ」
「少し休んでてもいいのよ。MPも尽きかけてるじゃないの」
「ごめんね。アイテム飲んでる暇、なくて」
「いや、ねぇちょっとー。私のこと無視しないで誰か助けて~!」
なぜかしらカラスの大群は李ちゃんの方に集まっているようだったけどもしかしてカラスたちの攻撃対象って何か法則性でもあるのかな?
それとも李ちゃんはカラスに好かれやすい体質とか?
ゴミ山(中)の5個目をマロンちゃんがダークボールで破壊した。
すると先ほど同様それまでに集まったカラスが方々に散っていき今度は3分の休憩時間。
「だぁ~。ちょっと、もう勘弁してほしんだけど」
「うん、私も」
「皆、頑張って。多分次のやつで終わりだと思うから」
「次のやつって言っても、今度はゴミ山(大)がくるんだろ、どうせ」
「あの、だけど。ゴミ山の出てくる数は減ってきてるんじゃ……」
最後にラフィアちゃんの言う通りだった。
最初のゴミ山(小)が10個まで出現したのに対して、ゴミ山(中)は5つまで出てきたところで終わった。
ということは普通に考えてこの後出て来るであろうゴミ山(大)は出てきても5個よりは少ない数で終わるはず。
しかし油断は禁物である。なによりもこの時点でもう皆疲れてきていたから。
そして迎えたクエストの第3段階。(勝手に私が言ってるだけ)
「出たわよ」
「うん、予想通りではあるけど」
公園内に出現したゴミ山(大)はすでに8メートル近く積みあがっていた。
そしてそこに初期配置として30羽ほどのカラスと10羽のオオガラス。
ああ、大変だこれは。
「ファイアーボール!」
そしてもちろん耐久力もアップしており私のファイアーボールでも1発でおよそ5割削れるかというところだった。
なので私はもうゴミ山だけを攻撃していきカラスの処理は他の4人に任せることにした。
ゴミ山(大)を1個破壊すると今度はまたゴミ山(大)が2個公園内に出現した。
さらにそこでカラスたちにも変化があって……
「きゃあ!」
「何あれ」
「うっそ、またデカくなってんじゃん!」
「これは……さすがにきつそうね」
ローズが最後にそう言ったのもわかる。
カラスの中からオオガラスよりもさらに大きなカラスが登場してきたのだ。
名前は、なんとキョダイガラス。もうネーミングセンスは捨てたとしか考えられない名前だった。
その大きさはもうウルフと同じくらいで、つまりは普通にモンスターだった。
ただ、オオガラスもそうだったけど見た目はただのカラスのまんまなんだよね。
特に変化もない、黒い羽に黒い目をした鳥。
「速い!?」
「うわわわっと!」
キョダイガラスになるともう私でも速く感じられた。
といっても私目線でレベル1の時のウルフくらいの速さに見えてたんだけど他のメンバーからしたら体当たり攻撃を避けるのが精一杯という感じだった。
ああ、これは急いでゴミ山の方を片付けないと行けないな。
ということで私は途中で襲い掛かってくるカラスたちを撃退しつつもキョダイガラスもたまに倒していきつつゴミ山を破壊していった。
ああ、カラスよりもオオガラス、オオガラスよりもキョダイガラスの方が数は少なかったよ。
だから皆もキョダイガラスには注意しながらもなんとかカラスたちを撃退していったみたいだけど。
私がゴミ山(大)×2を破壊すると、おそらくこれで最後だろうか。
ゴミ山(大)×3が出現した。私はもう速く終わらせるべくMP残量も気にせずに無茶苦茶に魔法を連射して速攻でそれを片付けた。
最後のゴミ山が破壊されたのを見た時、誰もがようやく終わったと思った。
カラスたちが去った後で5分の休憩時間に入るまでは。
「ねぇ、意味がわからいんだけど」
「うん、今ので終わりじゃないの?」
「もしかして、最後の最後にゴミ山(特大)というのが1個だけ出てくるとかですか?」
「わからないわ。でも、あるとするならラフィアの案が1番ありそうね」
すでに全員疲れ切っていた。
いや、回復アイテムにまだ予備は十分あったし今の時点で私含む全員はもうHP、MP両方ともに全快状態ではある。
あるのだけど、それはゲーム内での体力であって連戦に次ぐ連戦で疲労したのはむしろ精神の方だったろう。大量のカラスに襲われるというのも精神的にきついものがある。
「さすが、この階層で最高難易度のクエスト。さて、たぶん次が最後だと信じたいけど何が来るか」
私はそう言いながらも皆に使って減った分のアイテムを配って歩いた。
ローズも含めて全員地面にへたりこんでいたけど休憩時間10秒前くらいになるとおのおの立ち上がって気合を入れなおした。
そう、次が最後だった。ただおそらくその最後は誰も想像していなかっただろう。
「あれ、休憩もう終わってるよね?」
「うん。でもゴミ山が出てきてない。けど終わってもいない?」
「カラスの姿も、見えませんけど」
「いったい、なにが?」
と、最後にローズが口走った時だった。それが起きたのは。
空が、いきなり黒く染まった。と、思ったらその黒はある1点に集まり凝縮されていく。
これは、もしかして……
「うそでしょ」
「お、おい。冗談だよな?」
「いやぁぁぁぁ!」
「あれって、モンスター?」
このクエストが最高難易度と呼ばれる理由がよくわかったよ。
クエストの最後に待ち受けているのは巨大なモンスターだった。つまりはボスだ。
その巨大さはさっき倒したビッグポイズンスパイダーと同じくらいで体長は10メートル近くあった。
それは黒い鳥の形をしていたが、ただのカラスではなかった。
2つの目の間にあるのはもう1つの目。その3つの目は血のように赤く染まっていた。
さらにどんなものでも切り裂いてしまいそうな爪が生えた足が3本生えている。
夕日を背にして現れたそのボスモンスターの名前は……
「ヤタ、ガラス」
それはそこらへんのザコモンスターとは比べ物にならないほどの迫力を持っていた。
ヤタガラス、それはきっと漢字で表記すれば八咫烏となるはずだ。
その化け物の名前は下界のとある国が発祥の神話の中に登場する。
あのモンスターはこれまでのどのモンスターよりもやばいものであると私は全身で感じていた。
ゲームの中の仮想の肉体であるのにもかかわらず悪寒がしたくらいだ。
「ああ、これは死んだかもしれないな。私、初めて」
しかし私は足掻くつもりだった。
やれることは全部やってやろうと思い私は剣を構えた。
そして3つ目3つ足の巨大な烏のような化け物は私に目をつけるとけたたましい咆哮を上げるのだった。
「……うるさいな」
もはや私は怒ってさえいた。
こんなのあまりに理不尽すぎるだろう、と。
このゲームの運営はいったい何を考えているんだ馬鹿じゃないのか、と。
いくら最高難易度だって言ってもさすがにこれはやりすぎじゃないか、と。
私の中でふつふつとこみあげてくる何かが限界に達した時、それは起きた。。
「え?」
「玲愛さん」
「お姉さんどうしちゃったの!」
「この光、私の守護神光と同じ……」
私の体が急に光り輝きだしたのだ。
私も何が起こっているのかまったくわかってなかったよ。
ただなんか、急に私の体が金色に光りだしたと思ったらすごく力が沸き上がってきて。
「おお、なんかよくわからんけどいけそうな気がするぞ。力が、みなぎってくる!」
ああ、今のセリフは何でもないよ。ただ、言ってみたかっただけのやつ。
うん、言ってからちょっと恥ずかしくなっちゃったんだけどね。
<モンスター辞典>
〇カラス
鳥族のモンスターで見た目も普通に鳥のカラス。大きさも普通のカラス。
つまりはまあ、都会などによくいるただのカラスである。
HPが極端に低いためにどのような攻撃でも、たとえ素手で殴っても倒せるモンスター。
主な攻撃方法は体当たりとくちばしでつつく攻撃。このうち後者の方は地味に痛い。
〇オオガラス
カラスをそのまま大きくしただけのモンスター。もちろん鳥族。
カラスよりも力と敏捷の値は高いがHPは低く耐久も低い。
攻撃方法もカラスと同じだがこちらのくちばしはくらうと結構痛い。
〇キョダイガラス
オオガラスをさらに大きくしただけのモンスター。くどいようだが鳥族である。
このモンスターの名前に関してはゲームの企画段階ではジャイアントカラスだったが、それではあまりにもださいということでこちらの名前が採用された。どっちもどっちだろう。
力と敏捷がさらに上がっているけどもHPはまだまだ低い。相変わらず耐久も紙装甲である。
攻撃方法もまったくの変化なしでありそもそもなぜ大きなカラスが出現していく仕様になったのか今となっては謎に包まれている。
こいつのくちばし攻撃をくらうとタンスの角に小指を思いっきりぶつけたレベルの痛みが襲ってくるのでなんとしてでも回避しなければならない。(ダメージも大きい)
なお、以上の3体のモンスターは倒しても経験値やゴールドは落とさないしドロップアイテムもない。
それどころか倒してもリザルト画面に倒したモンスターとして表示もされない。
不遇な扱いを受けている彼らだがクエストの最中だけ戦えるモンスターとして実はレアな存在だったりする。
カラス好きのプレイヤーがこのカラスを見たいためだけにクエストを受けては諦めるを繰り返しているという噂もあるらしい。ちなみに筆者も鳥は好きですがカラスも割と好きです。




