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ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第1階層―始まりの街―
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ニートな女神と初めてのリアル談義

 ギルドで受けるクエストは、別に個人ではなくパーティーで受けることもできる。

 ただしクエストによっては受けられる人数に制限があるものもあるらしい。

 私を誘うということはそのクエストには人数制限がないのか。


「え、クエストって。私と?」

「ええ、実は前に一回受けた時に大失敗してしまったのですが、玲愛さんがいればいけるのではないかと皆で話していたのです」

「ちょ、ちょっと待って。その前に1つだけいい?」

「あ、はい。どうぞ」

「なんで、私?」


 いや、別に一緒に行く分には何の問題もないのだ。

 今回1回だけということなら別に、ああでもそれもどうかな。


「えっと、理由というとまあ実力ですかね」

「そ、そう。ちなみにそのクエストって、ギルドと住人どっち?」

「住人クエストの方です。先ほど掲示板を確認したところ今はまだ誰も受けていないようでした」


 この街の住人クエストは全部50種類ある。

 私はもうすでにその内の31種をクリアしており同じ人間が同じ依頼を2度は受けられない。

 なのでそのクエストを私がすでにクリアしていた場合この話はなしとなるのだけど。


「それで、どうでしょうか。もちろん無理にとはいいませんし、玲愛さんにクエストの同行を頼むのはこの1回だけです」

「クエストの名前と、内容次第かな」

「あ、はい。そうですよね、すみません」


 ローズは私が当たり前のことを言うとさすがに話を急ぎすぎたのかちょっとだけ顔を赤らめた。


「うーんとね、クエストの名前はなんだったっけ?」

「クエスト番号は044で、クエスト名はカラスの群れとゴミの山、ですよ」

「うっへぇー。ラフィアよく覚えてるな」

「いえいえ、私はこれくらいしか取り柄がないので」


 おっと、そのクエストはまだ受けていないぞ。うん、受けていなかったはず。

 少なくとも名前から察するに私はカラスの群れともゴミの山とも関わるようなクエストを受けた覚えがないし、これならとりあえず私はクエストを受けること自体は出来る。


「えっと、色々聞きたいんだけど。まず、そのクエストって5人でも受けれるの?」

「はい、それは大丈夫です。クエストの人数制限の欄は最大の6人までとなっていましたので、ただ……」

「ただ?」

「えっと、それが少々厄介といいますか。まあとりあえず前回失敗した理由も含めてお話を……」


 そうしてローズ達から聞かされた話によるとどうやら本当に大変なクエストだったようだ。

 まず、このクエストは始まりの街の住人クエストの中でも最高難易度の依頼であるということ。

 この前受けた時はそのことは知らずに受注したために悲惨な結果になったということを聞いた。


 肝心のクエスト内容についてだが、簡単に言ってしまえばゴミ掃除。

 依頼主は始まりの街の北西にある大きな公園の管理をしているおじいさんで、最近許可なく公園内にゴミを不法投棄する住人がいて困っているとのこと。

 住人の方はなんとかなったのだが今度はその不法投棄されたゴミに街のカラスが大量に集まってしまいゴミの処理が思うようにいかないというストーリーらしい。

 それで代わりにプレイヤーがゴミの処理を引き受けることになるのだが。


「このクエストは、街の中ですが戦闘になります」

「え?」

「クエストを開始しておじいさんに話を聞いた後で、公園内にそれまでなかったゴミ山のオブジェクトが出現するのですが、それに触れて現れる画面でクエストを開始するを選択すると、その……」

「全員が武器と防具を身に着けて戦闘になったんだ」

「しかもクエストが終わるまでは公園内に私たち以外の人影はなくなって公園内から出ることも出来なくなってしまうのです」

「出るには、クエストをクリアするか。諦めるか。全滅するかしかなかった」

「それで前回は全滅してしまいました」


 んん?、うーん?、え、つまりはどういうことだ?


「え、えっとちょっと待って。もっと詳しく。その、全滅ってまず敵が現れたんだよね」

「はい、そうです」

「その敵は?」

「カラスです」

「え?」

「カラスです。あの、街中でもたまに見かける黒い鳥のです」


 いやカラスが何かについてはもちろん知ってるけども。

 私がそのあとで更に詳しく話を聞くとどうやらそのクエストはこういう流れのものだったらしい。


 まずは戦闘が開始されると公園内のある1か所にゴミ山というオブジェクトが出現する。

 オブジェクトっていうのは建物の柱とか、樽とか木箱とかフィールドにある障害物というか触れられる物質のことでオブジェクトにもそれぞれHPケージと同じような耐久力ケージというのが存在する。

 そのクエストの目的は出現したゴミ山に攻撃してダメージを与えながらゴミ山の耐久力を0にすることだという。

 耐久力が0になったオブジェクトはモンスター同様光の粒子となって砕け散り消え去る。

 ゴミ掃除というのはこういうことらしい。


 それでだ、問題はそのゴミ山を攻撃している最中にモンスターの襲撃があるということらしい。

 襲ってくるモンスターは1種類だけでモンスター名はカラス、そう、カラスである。

 カラスは、HPも攻撃力も対したことはないものの素早く、何よりも空を飛ぶ。

 まあ鳥なのだからそれも当然なのだけど一番の問題点は数だった。


「数?」

「ええ、最初はたったの1羽だけだったんです。それは私がすぐに倒したのですけどそうしたら今度は2羽に増えてしまって」

「じゃあ、倒さなければいいんじゃ?」

「それがどうやらそうもいかないらしく。カラスは放っておくと時間経過でさらに大量に増えて行きました。そしてゴミ山を処理しない限り無限に出現しては襲い掛かってくるのです」

「何それ、超面倒くさいじゃん」


 つまりカラスの相手もしつつゴミ山の破壊もしなければいけないと。

 ああ、これもしかすると本当にソロプレイだときついクエストだったのかも。


「でもそれだけじゃなかったんだよな」


 そこでさらに李が口を挟んできた。


「私らも増え続けるカラスをなんとかしながらもゴミ山を壊したんだ」

「おお、じゃあクエストクリアなんじゃ」

「そうしたらフィールドに今度は別のゴミ山が出現したんだよ。しかも今度は2個も!」

「え?」

「さらにその2個までは処理出来たのですが、そこで今度はさらに3個のゴミ山が現れて」

「ああ、なるほどね」

「それでそこらへんでカラスの数も50羽以上に増えててさ。猛攻撃をくらいまくって皆で仲良く死んじゃったんだ」


 それは、なんというかプチ地獄だな。

 壊しても新しいゴミ山が数を多くして復活し、その間もカラスは増え続けて攻撃をしかけてくる。

 そのカラスも倒しても倒しても別の個体が次々フィールドに現れては襲い掛かってくる。

 ああ、都会ならでは恐怖というやつか。


「正直、あのまま続けても最終的にゴミ山がどこまで数を増やし、さらにはカラスもどこまで増えて行ったのかは見当もつきません。しかも聞くところによると、このクエストはさらに最後にとんでもない展開が待ち受けていると攻略サイトには書いてありました」

「とんでもない展開?」

「はい。ネタバレ防止のためにあえて何が起こるのかはかかれていませんでしたが、なんと過去にこのクエストをクリアしたのはたったの5パーティーだけで後は全滅してるという話もあって」


 おおおお、それはまた凄い話だな。さすがこの階層の最高難易度のクエストってところか。


「色々他のプレイヤーの方たちにも話を聞いてみたのですが、どの方もこのクエストを受けたことがないと仰られて」

「えと、でもそこまで難しいなら私が加わったところで」

「いいえ、きっと違います。私たちもこの前受けた時よりもレベルが1つ上がっていますし、それに実は先ほどのビッグポイズンスパイダーを倒した時の経験値で……」

「あ、私とマロンちゃんのレベルが8にあがりました」

「私も7にあがったよ」


 ふむ、たしかローズもレベル8だったっけ。

 レベル8が3人にレベル7が1人、そしてレベル12の私が1人。それでいけるだろうか?


「ローズは、それでこのクエストをクリアできると思う?」

「え、そ、それはもちろんです。と、言いたいところなんですけど」

「うん、最後までやってみないとわからないよね」

「なるほど……」


 どうしようかな。もしかすると私もこのクエストでゲーム内で初めて死ぬかもしれないし。

 でも、話を聞く限りだとこのクエスト。私1人だとまず絶対にクリアできそうにないしな。


「うーん、そういうことか。じゃあ、まあわかった。いいよ、一緒にやってあげる」

「本当ですか!!」

「うん、ただし今回だけね。そして今回たとえクエスト失敗しても次回の挑戦はなしで」

「は、はい!、その、ありがとうございます。じゃあ早速私、依頼書を取ってきますね!」


 そう答えるとローズは椅子から立ち上がり駆け足で階段を降りていく。


「本当にいいの?、もしかしたらお姉さんも死んじゃうかも……」

「うーん、まあその時はその時だね。それに最高難易度のクエストなんて言われたらちょっとワクワクしてきちゃったよ」

「そう。お姉さん変わってるね」

「え?、そうかな。これって割と普通のことだと思うけど」


 私は残された3人の顔を見たけどだれも微妙な表情をしてた。

 え、あれ。もしかして私だけなの?


「すみません、遅くなりました。掲示板の前が混み合っててって。何かあったの?」


 戻ってきたローズは先ほどまでとは違って微妙な空気が流れていることを感じ取ったようだけど、まあ理由は言わなくてもいいだろう。


「では、皆さん。この依頼書を提出しに行きましょうか」


 そして全員で1階へと降りてくると、受付に代表してローズがクエストの依頼書を出した。

 そしてそれからそのクエストに参加するパーティーメンバーがそれぞれ名前を入力して依頼書は受理された。もちろん私も名前を入力したことで、このクエストは5人で受けることになった。


「では、各自30分後に例の公園の前で集合しましょう」

「「「「はい」」」」


 ということで私たちはそれぞれ散り散りになった……はずだった。

 しかし何故だろうか。皆ばらばらにギルドを出たはずなのにいつの間にか私のとなりにはマロンちゃんがぴったりとついてきていた。


「ええっと、何か用?」

「ううん、ただお姉さん公園の場所わからないかと思って」

「いやわかるよ。あの、だから北門の近くにあるでっかい公園でしょ?」

「うん。あ、なんだ知ってたんだ」

「いや、あの……ならなんでついてきてるわけ?」

「ダメ?」

「ダメってわけじゃないけど」


 正直ちょっと困った。

 というのも私はこれから武器屋に行っていくつかドロップアイテムを売ろうかと考えていた。

 さすがにマロンちゃんと一緒だとどうしてそんなに大量のドロップアイテムがという話になりかねないから出来れば今は離れてほしいのだけど。


「ふふふ。私もっとお姉さんと話がしたくて。クエストが終わったらパーティー抜けちゃうんでしょ?」

「うん」

「なら今のうちにもっと話聞かせてよ」

「話って言っても、具体的には何?」

「んー、例えばリアルの話とか」

「え?」


 リアル、つまり現実世界の話についてか。

 それはオンラインゲームなどでは人に聞いてはいけないタブーとされている質問ではなかったっけ?

 いやそれ以前に。リアルって言われても私は神様なんだけどな。


「あ、言いたくないなら別にいいよ」

「いや、いいよ。答えられる範囲であれば」

「ほんと。じゃあじゃあ、お姉さんって本当にお姉さんだよね。えっと、つまりリアルでも女の人?」

「うん」

「じゃあ年は、えっと高校生?」

「うん、高校1年生だよ」


 はい、嘘1つ吐きました。


「そうなんだ。やっぱり年上だったんだね」

「うん。そういうマロンちゃんは、小学生……なわけないか」

「うん、私たちは皆同じ中学校の同級生だよ。2年生」

「へえ、そうなんだ。……ん、私たちって?」

「だから私たち4人」

「4人…………え!?、じゃあローズも!?」

「あはははは。うん。ローズは背が高いし大人びてるから年上に見られがちなんだけどね」


 てっきり私はローズは高校生だと思ってたけど、どうやら彼女も中学2年生らしい。

 というか、マロンちゃんの背が少し低いのだろうか。

 ラフィアちゃんと李ちゃんはマロンちゃんよりも少し背が高くて同じくらい、それでローズが皆よりも頭1つ分くらい高かったんでてっきり年上なんだと思ってた。


「そういえば、どうしてマロンちゃんはローズだけ呼び捨てなの?」


 マロンちゃんは他の2人についてはちゃんづけで呼んでいるのに、ローズも同い年のはずなのになぜローズだけ?


「ああ、それはね。最初はもちろんローズちゃんって呼んでたんだけど、本人がちゃん付けはやめてって言ったから」

「ああ、なるほどね」

「お姉さんは1人でこのゲーム始めたの?、それとも誰かに誘われて?」

「あー、私は1人だよ。でもこのゲームのことを教えてくれたのは友達、かな」


 はい、これで嘘2つ目。ヤヌスは友達じゃないただのアパートの隣人だから。

 というかゲーム機ごとくれたわけだしね、ヤヌスは。


「ふうん、そうなんだ」


 マロンちゃんはそれだけ聞くとどうやら満足した様子だったので私は歩きながらも今度はこちらから質問してみることにした。

 ただ、リアルのことについてじゃないけど。


「あ、じゃあ私からも質問してもいい?」

「うん、もちろん」

「リアルのことと関係ないけども大丈夫?」

「うん」

「じゃあさ、あの。マロンちゃんって闇属性の魔法が使えるんだね」

「あ、うん。まだそんなにたくさん使えないけども」


 そう、ビッグポイズンスパイダー戦ではマロンちゃんはただひたすらダークボールだけを使っていた。

 けども使える魔法、少なくとも攻撃用の魔法はそれだけだったということなのだろう。


「それって最初から?」

「うん。あの、私の神様の恩恵の効果でレベルアップした時に闇属性の魔法が覚えられることがあって」

「そうなんだ。……あの、ローズが途中で使った青白いオーラみたいなやつをまとった技は?」

「あれもローズの神様の恩恵の効果だよ」

「マロンちゃんたちはお互いの神様の恩恵の効果を教えあってるんだ?」

「そうだよ。本当はあんまり人に言わないほうがいいって聞いたけど、でも仲間だし」


 まあ、そりゃあそうか。

 正式に仲間としてパーティーを組む以上は互いの恩恵の効果は教えるのが普通だろう。


「あ、でももちろんお姉さんのは言わなくてもいいからね!」


 そしてそこで私が何を言いたいのか察した風のマロンちゃんがそう言ってきたけど、いや別にそういう意味で聞いたわけではなかったんだけども。

 それからしばらく話したけれど、マロンちゃんは結構おしゃべり好きな性格のようで自分以外のメンバーのことも割とすんなり話していた。

 いや、さすがにこれ以上は聞いたらだめだなってときは私もさりげなく話題を変えたりしたけどね。

 でもそんなやりとりをしているうちにあっという間に30分が経過してしまった。

 まあ、ドロップアイテムの売買はまた後でもいいか。


 ちなみに私はギルドを出る前に銀行で所持金の大部分を預けておいた。

 いや、だってクエスト内容によっては死ぬ可能性も十分あったし、死んだらお金は半分になっちゃうからね。

 私と同じ考えだったのはラフィアちゃんで、あの子は気弱でオドオドしているような感じだけどそういうところはしっかりしていた。記憶力もいいみたいだったし。

 ローズはもう事前に預けていたらしい、というか普段から万が一のことを考えてお金は預けておいて必要になったらその分だけ引き落としてるらしい。堅実だと思う。

 李ちゃんは逆で、むしろ死なない自信がありまくっているのでほとんど銀行にお金は預けていないのだとか。そしてマロンちゃんはと言うと……


「ああ、私はお金がたまったらすぐに使っちゃうんだ。お洋服買ったり、あとはゲームの中で食べ歩きしたりとか。だから普段からあんまり持ってないの」


 まあそこらへんの財布事情は人それぞれといったところか。

 私の場合は神界では親から送られてきた仕送りは大事に大事に使うようにしている。

 それでも月末になるとお金が底をついてひもじい思いをすることもあるのだけど。

 ゲーム内ではもはや第1階層のプレイヤーの中では1番稼いでるだろう。

 私は現在、銀行には35000Gという大金を預けているのだ。ちょっとした富豪だよ。


「お、なんだマロン。お姉さんと一緒にいたのか?」

「うん、私はすることもなかったしずっと話してた」


 集合場所の公園の前では、すでに李ちゃんとラフィアちゃんがいた。

 そこに私とマロンちゃんが一緒に到着しそれからすぐにローズもやってきた。

 うん、なんだかんだで私もローズのことは呼び捨てだ。ローズちゃんって、どうしても呼べないというかなにか違和感がある気がして。


「皆そろってるね。準備は大丈夫?、アイテムの補充とか銀行にお金預けたりも大丈夫?」

「うん、大丈夫!」

「李、あなたが1番不安なのだけど」

「ええ、なんで!?」


 ローズの気持ちがよくわかる。この中だとまあ1番やらかしやすいのは李ちゃんで決まりだろう。

 まだ会って1日も経ってない私でもそれくらいはわかった。


「大丈夫だよ。ポーションと、あと念のため毒消しも大量に買っておいたから」

「大量にって、あなたまたお金を無駄遣いしたの?」

「無駄じゃないよ。ちゃんと使ってるもん」

「まあまあ、2人とも落ち着いて」


 言い争うローズと李ちゃん、それをなだめるマロンちゃん。

 そしてそのやりとりを見ながらただクスクスと笑っているラフィアちゃん。

 うん、いいパーティーだと思うよ、ほんとに。

 ほんと、仲の良い友達同士で結成したパーティーって感じで楽しそうだ。

 ちょっとだけ羨ましいかも。


「まあ、ここで話してても日が暮れます。準備万端ならさっそくクエストに挑戦しましょう」

「うん、それがいいよ。このクエストは夜には出来ないから」

「え、そうなの?」

「あれ、言ってなかったっけ?」


 どうやら今回のクエストは日が落ちて夜になったら次の日の朝までクエストを開始することは出来ないということらしい。

 そしてクエストの途中で日が暮れても失敗扱いとなるらしい。

 時刻は午後4時30分過ぎ。完全に日没するのは午後7時なので時間はあと2時間30分ほど。

 その時間でクリアできなければ失敗になるということか。


「時間は大丈夫なの?」

「ええ、多分ですけど。今回は5人で役割分担もしますので」

「そう、ならいいんだけど」


 まあ、クエストに出現するカラスは夜になったらどこかしらにあるであろう巣に帰ってしまうからなのだろうけど、現実的な話でいうならば。夕焼けこやけで日が暮れてね。

 やっぱり変なところでリアリティーを追求してくるよな、このゲームって。

 いや、それとも完全に夜になったら体の色が真っ黒なカラスだと見えにくくなるしクエストの難易度が無駄に上がってしまうのを防ぐための配慮かな。どっちでもいいけど。


「じゃあ、行きましょう」


 こうして私たち5人の初めてのクエストが幕を開けたのだった。



<モンスターの種族について>

フィールドやダンジョンでプレイヤーが戦うことになるモンスター。

1度でも倒したモンスターは魔物図鑑に記録されて属性や習性、また今まで自分が何体そのモンスターを倒したのかなどが確認できます。

そしてモンスターには種族というものが別に存在しています。

種族というのは簡単に言えばそのモンスターがどのようなモンスターなのかをざっくりとまとめた総称であって、分類わけのようなものです。

今までにご紹介したモンスターを種族でわけるとこうなります。


スライム族:ブルースライム

ゴブリン族:ゴブリン、ゴブリンメイス、ゴブリントーチ、ゴブリンアーチャー

植物族:マッドプラント、トレント

昆虫族:ポイズンスパイダー、ビッグポイズンスパイダー

獣族:ウルフ、レッドウルフ、ワイルドボア、ホーンラビット、ビッグホーンラビット


そしてこの他にも鳥族、魚族、物質族、アストラル族など種族は様々に分かれてます。

以降のモンスター辞典ではこの種族についてもご紹介する予定。

なおそれぞれの種族の特徴などについては今後本編内にて語られる……予定。未定。不確定。


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