表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
隠しダンジョンへの挑戦―SECRET―
163/171

ニートな女神と初めてのポイズン

今回のタイトル、正確には初めてのポイズン系のモンスターということです。

そう書くと長くなっちゃうので略しました。第1階層編の初めての毒とタイトルの意味が被っていますがそういうわけなのであしからず。

 そして森部分で初登場したモンスターの4体目、こいつは見た目も初めて見たモンスターだったのだけども。モンスター名はポイズンマッシュルーム。毒キノコのモンスターだった。

 体長80センチくらいのキノコに小さな手足が生えててさ、柄の部分に黄色く光る目がついてる。笠の部分は紫色を下地にところどころにピンク色の円が入っていて見た目はすごく可愛い。

 攻撃方法はまあもうなんとなく想像ついてる人もいるとは思うけど、体を左右に揺らすことで広範囲に毒の胞子をまき散らす。それ以外は接近するとパンチしてくることもある。でも手が短いから本当に近くまでいかないとパンチはまずしてこない。だから遠くからファイアーボールなんかで攻撃してれば安全に倒すことはできる。それで倒してもスキル等はなし。ドロップアイテムは毒キノコの胞子。


「でも、ポイズンの魔法やポイズンスラッガーの粘液、ポイズンホーネットの針ミサイル攻撃とかと違って毒の胞子は1度に複数人のプレイヤーをまとめて毒の状態異常にできそうだし。実はこのキノコが森で毒使うモンスターの中でも1番厄介なモンスターなのかも」


 毒の胞子はポイズンマッシュルームを中心に半径5~6メートルの範囲までまき散らされる。それを聞くとそんなでもないんじゃないかって思う人もいるかもしれないけど。ポイズンマッシュルームって出現するときは最低でも3体以上は確定で、1番酷い時ではポイズンマッシュルームが10体同時に出現して一斉に毒の胞子をまき散らしてきたこともあって。

 さすがにそうなってくるとそれをすべて回避することは至難の極みだろう。私も無理だったし。


「ドラゴン召喚してファイアーブレスでまとめて焼き払いたい気持ちになってくるな」


 とか言いつつ、私は地道にファイアーボールで1体ずつ倒していったよ。

 それでMPが減ってもほら、毒の胞子を食らえば毒吸収のスキルでまたすぐMPが回復するから。だから実際のところこの森を攻略するにあたって私はポーションはおろか聖水の一本も消費していない。

 いつもならHPの方はHPドレインのスキルで回復してるけどMPはそうもいかないんでフィールドやダンジョンの探索中には聖水はけっこうな頻度で飲んでるのに。


「本当に便利なスキルだな。毒吸収。……でも、これってこのダンジョンでは毒攻撃をしてくるモンスターがすごい多いからこうなんであって、それ以外の場所じゃあんまり使えないかな」


 毒攻撃をしてくるモンスターが1体も出現しないフィールドやダンジョンじゃ無意味なスキルだからね。

 だからこそこういう毒攻撃をしてくるモンスターのオンパレードみたいなダンジョンでは最強クラスに使えるスキルに化けるわけだが。


 この毒沼の洞窟というダンジョンの全体図について。

 攻略開始からおよそ2時間ほどで私は森部分のマッピングをすべて終えた。

 そして見つけた洞窟の入口はマップでいうところのほぼ中央寄りの位置にあり、スタート地点の扉のある小さなルームが右下。それで森の全体像は分岐は少ないもののモンスターの出現率・遭遇率が高めでかなりのペースで大量のモンスターとの戦闘が続き、私は本当に毒無効・毒吸収のスキルがあって良かったと思った。吸収の方はなくてもいけたかもだけど、毒無効のスキルがなかったらこのダンジョン、ソロでの攻略はかなり厳しいだろう。

 もっとも、高難易度だということがあらかじめ噂されている隠しダンジョンにソロで挑もうっていうやつがどれだけいるのかって聞かれると弱いんだけど。私は、まあそれでもいけるかなって思ったから。推奨レベルも入る前に親切に教えてくれて思ってたより低かったっていうのもある。


 ああ、そうだ。それとちょっと今回私的にも珍しい出来事が1つだけあってさ。

 私は今までモンスターを倒してドロップしたアイテムは基本的に全部拾っていたんだけど、このダンジョン内で初めて私は拾わないことに決めたドロップアイテムがあったんだ。

 それは何かっていうと、ポイズンフロッグが落としたもの。

 ポイズンフロッグを倒すとブルーフロッグと同じカエル肉っていうアイテムがドロップしたんだ。そう、アイテムはまったく同じでカエルの肉だったんだけどね。


「でもこれ、ポイズンフロッグが落としたんでしょ?……なんか毒がありそう」


 もちろん、アイテム名もブルーフロッグが落としたカエル肉とまったく同じであり、ポイズンフロッグが落とした方のカエル肉の説明にそうした、この肉には毒があります的なテキストが書かれていたわけでは決してなく、それは私の思い過ごしだということはわかってはいるんだけど。

 そもそも私はカエル肉っていうアイテムもできれば拾いたくない方(理由は生理的な嫌悪感)のアイテムだったし、だから私は少し考えた末にもうこれは拾わないことにした。

 まだアイテムボックス内に300個近く持ってたし、現時点で特に使い道が判明しているわけでもないから別に無理して拾う必要もないかなって。

 いや、それ言っちゃうとそれ以外の素材アイテムも9割5分くらいまだ使い道が判明していないものだったんだけども。


「気持ち悪い。だから拾わない。……うん、これからは自分の気持ちに正直にいこうかな」


 これからはたとえ初めて見るドロップアイテムであっても、気持ち悪さが目立つようならそれを手に入れた段階で何かそのアイテムの使い道がわかっていない限りは拾わない方向でいこう。

 と、私はそう決めたのだった。


 さて、あとここまでの森部分で言っていない情報はない……あ、ごめん。1個だけ残ってたわ。

 この森部分にも第2階層と同じで地面に毒沼のトラップがありました。以上。

 この毒沼のトラップは毒攻撃ではないから、私が入っても毒吸収の効果は発動せずにMPの回復はできなかったけど。毒の状態異常にならなくなる毒無効の効果はこうした自然のトラップに対しても有効なんで毒沼に足を踏み入れても私は毒の状態異常にはならない。

 っていうのは沼地の探索の時に言ったかもしれないけど念のためもう1度ね。


「よーし、それでようやく洞窟だな。あー、長かった。これもう今日はこのダンジョンで終わりにして第2階層の隠しダンジョンはまた明日だな」


 あわよくば今日中に隠しダンジョンを2つ制覇できればとかちょっと思ってたんだけども、やっぱりそこまでは私の体力が持ちそうになかったから。

 私は今、森の中央にある洞窟の入口のあるルーム、洞窟の入口の前にいる。

 このルームも最初の小ルームと同じでダンジョン内でモンスターが出現せず、外からモンスターが侵入してくることのない安全地帯で、洞窟に入る前にプレイヤーがゆっくり回復や休息をとることのできる場所だった。

 洞窟は、人の手が入っていないまさに天然の洞窟って感じで、入口はかなり大きめに空いていた。

 さらにこの洞窟の入口の前には緑色のワープゲートが1つあって、入ってみたら最初の扉の置いてある小ルームとワープゲートがつながった。


「おお、これで次来た時もこの隠しダンジョンに来た時には道中の森を飛ばして即座に洞窟に行けるな」


 緑色のワープゲートは青色のワープゲートと違って一方通行ではなく、1度入ればもう一方のワープゲートとの間での移動は何度でも自由に行えるからね。洞窟の入り口前に緑色のワープゲートがあったのは中継地点のようなものだったんだろう。第3階層の鉱山でもボス部屋の手前にあったし。

 正直なところ嬉しかったよ。洞窟の攻略を終えてから洞窟を出た後に、また森の中を大量のモンスターの襲撃を受けながら元の扉の置いてある小ルームまで歩いて戻るのはちょっと勘弁してもらいたいなと思ってたところだったから。


「……でも1度クリアしたらもう2度とこのダンジョンには、来なさそうだけど」


 私は小ルーム側に新たに出現した緑色のワープゲートに再び入り、洞窟の入口の前まで戻ってくるとそう言った。もしかするとこの先でこの隠しダンジョンの中に出現するモンスターのドロップアイテム、たとえばポイズンスラッガーの粘液とかが必要になって、それでそれを取りにこのダンジョンに戻ってくる可能性がゼロではないとも思うけど。それはその時になってみないとわかんないしね。


「ふー。これで帰り道の心配もなくなったし、それじゃあ……行くか」


 私はそう言って洞窟、この隠しダンジョンの名前となっている毒沼の洞窟へと足を踏み入れたのだった。


<第1階層[隠しダンジョン]:毒沼の洞窟:洞窟1階>


 それで洞窟に入ったはいいんだけどね。まあ予想はしてたけどすっごい広いみたいなんだ。

 ここまでの森とは違って分岐ルートもそこそこあって、しかも後から下の階へ降りる階段を発見した時には思わずため息がでちゃったよ。

 さすがに天然の洞窟だし、ここはまだ第1階層の隠しダンジョンなわけだから地下も何十階まであることはないとは思うけど。とりあえず迷宮ダンジョンと同じで最低でも地下3階まではあるんだろうなと私は覚悟することになったわけで。


 それで、洞窟ではまたモンスターの分布が変わったよ。

 そりゃあ同じ隠しダンジョンでもわざわざ森と洞窟で別れてたらそれでそこに出現するモンスターも変わるんだろうことはわかってたけどさ。

 えっとね、まず森では出現してたけど洞窟内では出現しなくなったモンスターを先に言っておくよ。


 ポイズンスライム、ポイズンフロッグ、ポイズンスラッガー、ポイズンホーネット、ポイズンマッシュルーム、ポイズンバタフライのポイズン系のモンスターが7体、さっぱり出現しなくなった。

 洞窟内ではポイズンスパイダーとポイズンスネークが継続して出現。


 そしてゴブリン族のモンスターも、ゴブリンアーチャーとゴブリンランサーは出現しなくなった。

 それでゴブリンメイジとゴブリンガードは引き続いて洞窟内にも出現したわけだが。

 2体のゴブリンが抜けた代わりにゴブリン族のモンスターが2体新たに追加された。1体は第3階層の迷宮で登場したゴブリンハンマーで、もう1体は新モンスターだったんでまた後で紹介する。


 まあここまでの情報だとポイズン系のモンスターが7体も出現しなくなってるんで洞窟の方が攻略の難易度が低くなっているんじゃないかと思うことだろう。

 しかし、もちろんそんなことなどあるはずもなく当然のように森よりも洞窟内に出現するモンスターの方が強くて厄介だったのだ。そう、いなくなった7体のポイズン系のモンスターの穴を埋めるようにこの洞窟内でも新たなポイズン系のモンスターが登場したのだ。

 だけどまず、先にこの洞窟内で新たに出現するようになったモンスターで、ポイズン系のモンスターではないモンスターを紹介しておく。


 ①ゴブリンダガー

 これがさっき話した新種のゴブリンで木製の短剣を装備している。

 おそらくこいつは毒の矢を使ってきたゴブリンアーチャーの代わりなんだろうけど、短剣のスキル、ポイズンダガーを使用してくる。つまり毒を塗っているぽい紫色に光る短剣を投げつけてくるのだ。

 広いルームだと余裕でかわせるんだけど、狭いルートで出現するとちょっとだけ厄介かな。でも別にそこまで能力値が高かったわけじゃないから簡単に倒せたけど。

 倒してもスキル等はなし、ドロップアイテムも木の短剣といつものパターンだったよ。


 ②ビッグバット

 これは第3階層の洞窟にも出現したバットの強化版のモンスターだったんだろう。

 バットをそのまま一回り大きくしただけのデザインで、そこら辺はクロウとビッグクロウに似ていたというか、またデザインの手抜きモンスターだよと私は思ったのだが。

 バットと同じで口から超音波攻撃を放つほか、ダークボールとウィンドボールという2種類の魔法を覚えて新たに攻撃方法を獲得していて、ダークボールの威力はそこそこってところ。ウィンドボールの方は風魔法無効のスキルのおかげでダメージ0に出来たんだけどね。

 ちなみに洞窟に入って最初のルームでの初回戦闘がビッグバット×5だったのだけど、やっぱり洞窟の出入り口付近ってコウモリがいることがセオリーなんだろうか。

 こいつも倒しても特にスキル等はなし、ドロップアイテムはバットと同じでコウモリの羽と、新たにコウモリの牙という素材アイテムがドロップ。


 そしてここからが、洞窟内で新たに出現したポイズン系のモンスターだ。

 ああ、ポイズン系のモンスターって言ってるけどようは名前にポイズン入ってて毒攻撃をしてくるモンスターのことだから。ゲーム上はそんな分類ないけど、だいたいわかるでしょう。


「うっわー。まさかとは思ってたけどやっぱり出たー!」


 洞窟内で新たに登場したポイズン系のモンスター① ビッグポイズンスライム


 あのさ、こいつに関しては説明する必要あるかな?

 もう皆わかってると思うんだけど、ポイズンスライムのでかいやつね。

 体力やその他の能力値も上がってたみたいだけど攻撃方法はポイズンスライムと一緒でポイズンの魔法を使ってくるくらいだけだったし。まあいつもの迷宮ダンジョンに出現するビッグスライム系統のモンスターと同じで狭い通路で挟み込まれでもしない限りは特には警戒する必要はない。


「あれ?、あいつってポイズンスラッガー……じゃないな。カタツムリだ」


 洞窟内で新たに登場したポイズン系のモンスター② ポイズンスネイル


 これには私もちょっと驚いたというか、なんかほっこりしたんだけど。

 スネイルっていうのはカタツムリのことで、ようはこのモンスターはポイズンスラッガー(ナメクジ)が殻を背負っているだけのモンスターだった。

 それで攻撃方法もポイズンスラッガーと同じで毒性のある粘液を飛ばしてくるだけだったんだけど、こいつはたまに殻の中に閉じこもってしまう。それで、その殻の中に閉じこもっている時は……


「うわっ、硬い!?……え?、しかもHP減ってないし。もしかしてこの殻の中に入ってる時って物理攻撃が一切効かない?」


 ゴーストのように物理攻撃が体を突き抜けてしまうのではなく、単純に硬すぎて物理攻撃ではダメージを与えられなかったのだ。武器の中でも1番攻撃力のある槌での一撃でもダメージを与えられなかったんでおそらく殻に閉じこもってる時は物理攻撃ダメージが無効なんだろうけど。

 でも無効にできるのは物理攻撃ダメージだけで、ギガントロックハンマーで殴ったことで続いた爆発(=火属性の魔法攻撃ダメージ)では普通にダメージを与えられたし、それでびっくりしてポイズンスネイルは殻から出てきた。そこを私がまた殴って止めをさした。

 倒してもスキル等はなし、ドロップアイテムは茶色い巻き貝となぜかポイズンスラッガーの粘液も一緒にドロップした。でもナメクジとカタツムリって生物学的に違う生き物なんじゃなかったの?


「途中で殻に閉じこもったら魔法攻撃を当てるまでは出てこなくなるみたいだけど、それなら最初から魔法攻撃だけで攻撃してれば……ああ、いや。私の場合はこのハンマーで殴ってもいいんだ。今みたいに」


 私もまさかギガントロックハンマーの殴ったら爆発して追加攻撃ダメージを与える効果がこんなところで役に立つものだとは思わなかったけど。

 でも良かった。ウロボロスみたいに殻に閉じこもってる時は出てくるまで物理も魔法も両方効かないなんてことにはなってなくて。……でもそれならもうこいつわざわざ倒さなくても無視できるなら無視してとっと先に進んでもいいかもしれない。


 この洞窟内、モンスターゲートのトラップはほとんど仕掛けられてなくて、だから実はルームやルートでモンスターが出現しても戦闘せずに無視して先へ進んで行けちゃうのだ。

 ただし、この洞窟内は分岐したルートの先が行き止まりになっていることが多いから、下手にモンスターを無視してその行き止まりのルートに入っちゃうと……わかるよね?


「あ、やばい。また行き止まりだ。そして元来た道の方からモンスターがたくさん、来たぁ~!!」


 このような事態を招かないためにもやはりモンスターは見つけたら出来る限り倒しておくことを私はおすすめしておく。軽く地獄を見ることになるよ?


 そしてこの洞窟内で新たに出現するポイズン系のモンスターはまだいる。

 1階の時点で出現したポイズン系のモンスターは次で最後になる。

 それはポイズンリザードというモンスターで、第3階層の洞窟に出現したブルーリザードの強化版となるモンスターだった。

 ブルーリザードと同じようにポイズンリザードは洞窟内の地面だけではなく壁や天井にも縦横無尽に移動しながらポイズンの魔法を口から放ってくる。さらに長い舌を伸ばしてのつっつき攻撃も、物理攻撃ながら食らうとプレイヤーを毒状態にするらしく、ようは毒攻撃を物理と魔法の2つ持っているという厄介度で言えばここまで出現したモンスターの中でもトップクラスのモンスターだった。

 体色はポイズンフロッグと同じような薄紫色で、目が黄色く光っているトカゲ。


「1番厄介なのはこいつ、出現した時すでに天井に張り付いてることがあって。それで部屋の中とかでもいきなり上から毒液ポイズンが降ってきて」


 だからこの洞窟内、新しいルームに足を踏み入れてそこでモンスターが出現、遭遇した場合に地上だけではなく壁や天井も確認しないといけないのだ。

 人間は(まあ神である私もなんだけど)基本的に上方向と下方向からの攻撃には反応が遅くなりがちだから特にこのモンスターには警戒が必要だった。


 それとポイズンリザードからは倒した時に魔法を1ついただいたのだけど。

 この魔法は使える魔法ではありそうなんだけど私にはもう完全に意味のない魔法だったというかね。


<新しい魔法を習得しました>

 ・ポイズンガード


「お?、なんか手に入ったぞ」


 〇ポイズンガード

 無属性の初級支援魔法。3分間味方対象1体の毒耐性を25%上昇させる。

 消費MP:10 リキャストタイム:6秒


「うわー、この魔法は……」


 いや、だって私はもう毒無効のスキル持ってるからね。

 毒耐性っていうのは毒攻撃を受けた時にプレイヤーが毒の状態異常になる確率を減らせる数値のこと。まあパーティプレイで味方が毒の状態異常になりにくくするっていうのは良いと思うんだけど、ソロプレイヤーの私にはもう無用の長物だろう。

 ただ、戦闘終了毎に効果が消失するといったようなことが書かれていないってことは、1度使用すればそこから本当に3分間は効果が持続するってことなんだろうか。もしそうだとするとこの隠しダンジョンの探索ではすごい役に立つ魔法だな。私以外のプレイヤーからしたら。


「耐毒の指輪がたしか毒耐性+50%の装備だったから、その上でこの魔法をかけてあげれば毒耐性は75%。それでも100%にはならないけど保険としては十分だろう」


 私はそう言いながらも、プレイヤーの使える魔法も他人に譲渡とかできればいいのになと思った。

 この魔法なら、きっと欲しがるプレイヤーもけっこういると思うんだけど。

 そういえばこの前もちょっと思ったな。私のほとんど使ってないスキルとか魔法も、店で売買したりとか他のものと交換できないかなって。リアルに帰ったらまた調べてみようかな、攻略サイトで。

 それでこの先の階層にそれができる方法があるなら、ポイズンガードの魔法はそれで誰かにあげちゃっても別に惜しくはない。それ以外にも私が使わない、または使えないスキルや魔法もけっこう溜まってることだしね。


<モンスター辞典>

〇ポイズンホーネット

昆虫族。キラービーの亜種であり強化版、毒を持つスズメバチのモンスター。

キラービーよりもさらに攻撃性と凶暴性が強く、逃げたプレイヤーをしつこく追尾してくることも。

敏捷が高めだがそれ以外の能力値は低めなので落ち着いて対処したらそこまで強くもない。

弱点は火属性、耐性はないが、もちろん毒は無効である。

ドロップ:ポイズンホーネットの針


〇ポイズンマッシュルーム

植物族。毒キノコのモンスターで、見た目は可愛いがけっこう強い。

能力値は全体的に低いものの広範囲にまき散らされる毒の胞子には注意が必要である。

あとこのポイズンマッシュルーム、なぜか毒の状態異常が効きます。

ドロップ:毒キノコの胞子


〇ビッグポイズンスライム

スライム族。でっかいポイズンスライム……以上。

ドロップ:スライムの雫(紫)×3~4


〇ビッグバット

鳥族。バットの強化版であり、バットのサイズをそのままでかくしたモンスター。

超音波攻撃の他、ダークボールとウィンドボールの2種の魔法攻撃を使用し、賢さもそこそこ高いためバットと同じノリで倒そうとしたら仕返しを食うことも。

でも耐久はすごい低めなので物理攻撃で簡単に倒せる点はバットと同じである。

ドロップ:コウモリの羽、コウモリの牙


〇ゴブリンダガー

ゴブリン族。木でできた短剣を装備したゴブリン。

ポイズンダガーのスキルを使用してくるが、それ以外には特に変わった点もなく、強さも普通のゴブリンに毛が生えた程度である。ちなみに投げてくるポイズンダガーが壁や障害物に当たった際に、低確率で跳ね返った短剣が自分にささり、それで毒の状態異常になることもあるとかないとか。

ドロップ:木の短剣


※ポイズンスネイル、ポイズンリザードについてはまた次回の後書きにもちこして紹介。

新モンスターがたくさん出てくると後書きコーナーが大変になりますが、これも定めです。


次回、玲愛は洞窟の地下2階へ降りる、そして中ボス戦。

(洞窟は地下3階構造で、次々回、ダンジョンのボス戦に突入する予定。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ