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ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第3階層―RED―
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ニートな女神と初めての爆発

英語で爆発ってなんていうか知ってますか?

そうです。エクスプロージョン!!

某ラノベに登場する魔法使いの女の子がそれをまんま叫んでいますね。

 本当であれば今日も午後6時を過ぎて夜になってからゲームを再開した方が渓谷のレッドキャップが眠ってくれていているから比較的楽に渓谷を抜けられるのだけど。

 でも私はボス部屋の金の宝箱の中に入っていた現在装備中である武器、ギガントロックハンマーがあればこの階層でおそらく最強のザコモンスターであるレッドキャップさえ一撃で倒せるんじゃないかとか思っていたし、ハンマーの武器としての強さを確認するんだったら相手としてちょうどいいだろう。

 さすがにどれだけ強い武器を手に入れてもそれでいきなりエリアボスとか、ダンジョンボスに挑んでみるというのは怖いし。


 神殿を出て渓谷フィールドに出て歩くこと数分、私は金の宝箱に入っていた素材アイテムについて思いを馳せていた。

 迷宮ボスは1度しか倒せないので、もちろん倒した後に出現する報酬の宝箱を開けて報酬をもらえるのもその迷宮のボスにつき1回限り。

 それで最高グレードの金の宝箱を出すことの難しさは、もうわかってるだろうけど。

 その金の宝箱の中身、もちろん防具や武器、装飾品や魔法の巻物に関しては言うまでもなく貴重な品なのだけど、でも他の素材アイテムももしかするとゲーム中でそこでしか手に入れられなかったりとか、そういうのだとしたらその貴重度合いは武器や防具と変わりない気もする。

 ただ、その反面で武器や防具と違ってここで手に入る素材アイテムだけは、この先の階層でもどこかで入手する機会はあるのかもしれないとも思うのだけど。


 ただ今回、ギガントロックゴーレムを倒して出現した金の宝箱の中に入っていた素材アイテムはアイテム名から察するに絶対にここでしか手に入らないんじゃないだろうか。


 ギガントロックゴーレムの心臓×5、巨大岩石×16、生命の宝玉×2。


 巨大岩石っていうのは本当にもうその通りで、ギガントロックゴーレムの体を構成していたであろう黄土色のでかい岩の塊。

 そういやロックゴーレムを倒して手に入る素材アイテムが巨岩石だったけど、これはその上位版となる素材アイテムなのか。


 生命の宝玉っていうのはよくわからん緑色の丸い宝玉で、色から察するにギガントロックゴーレムの頭部のあの光っていた目の部分にはめこまれていたっぽい素材アイテムだ。

 入っていた数が2個だったことからそれは間違いなさそうなんだけど、アイテム名がちょっと格好良いんでこれはなにか強い装備を作成するときに使えそうだなと思った。


 それで問題なのはギガントロックゴーレムの心臓の方で。

 いや、ゴーレム系のモンスターを倒したときにその〇〇ゴーレムの心臓っていう素材アイテムが手に入ることは別にいいっていうか、むしろいつもの流れだと思うし。

 ただ、心臓が3つも手に入ったのを見てイカか何かかよとちょっと思いもしたけど。

(イカには心臓が3つあるって前に何かの本で読んだ。)


「だけどギガントロックゴーレムも1度しか倒せない迷宮ボスなのに、そのモンスターの名前がついた素材アイテムが、この先また手に入るのかな?」


 たとえばスライムの雫(青)という素材アイテムが、青色のスライムであるブルースライムというモンスターからドロップすることは特に何の問題もないと思う。

 だけどスライムの雫(青)が、赤色のスライムであるレッドスライムや、あるいはまったくスライムと関係なさそうなモンスターがドロップするとちょっとおかしい気がする。

 それとか、もっとわかりやすくホーンラビットの角っていう素材アイテムが、ホーンラビット以外からドロップすると絶対に違和感が生まれると思うし。


 ギガントロックゴーレムの心臓ってモンスター名が入ってる素材アイテムが、この先別の、ギガントロックゴーレム以外のモンスターからドロップすることなんてあるのかという疑問。


 そして思い返せば、第1階層のドラゴンの時は素材アイテムは竜の〇〇って名前の素材アイテムが、第2階層のマダムバタフライの時はたしか幻蝶げんちょうの〇〇って名前の素材アイテムが複数種類入っていてどちらも直接的なモンスター名が入っていなかった。

 ドラゴンの方の竜の〇〇、たとえば竜の鱗なんていう素材アイテムはきっとこの先の階層でも他の竜族のモンスターを倒したときにドロップしそうなもんだと思うし。


「それともあれかな?、値段はするけどモンスターからのドロップじゃなくて直接こういう素材アイテムを売っているお店とかがあるとか?」


 むしろそっちの方が現実的な気がする。

 ギガントロックゴーレムの心臓が売られていたとして、はたしてそれが1個いくらなのかは想像もつかないのだけど1万ゴールドとか軽くこえてそうだ。


「まあどうであれ私は、この心臓アイテムはできればもういらないというか、本当に気持ち悪いから早いとこどうにか処分したいんだけど」


 別に持っていたところでゲーム内に何か直接的に悪影響を及ぼすことなんてない。

 だけど、アイテムボックスというのがリアルでいうところの鞄に置き換えて考えてみると、鞄の中になんかよくらない生物の心臓が入っていると思うだけで気持ち悪いっていうか。

 それにくらべたらまだキバとか、角とか、翼の方がね。持っていても……そんなもの普段から鞄の中にいれてるやつは絶対いないと思うけど、金運アップの効果を信じて財布の中に蛇の皮とかいれてるやつはいるって話だし。

 だけども心臓は別だよ。心臓っていうか生物の内臓?


「唯一の救いは、これがゴーレムの心臓であんまりその、見た目グロテスクな感じがしないってことくらいだけど。なんか鼓動してる大きめの石みたいな感じで」


 人によってはそっちの方が気持ち悪くねって言われそうだけど。

 まあ言ったようにアイテムボックスの中に入れてあるだけならゲーム攻略に何ら影響を及ぼすことなんてないのだからそんなの気にしだしたら負けなんだろうけどね。


「おっと、レッドキャップ発見!」


 私は前方のT字路の分岐点にたたずむレッドキャップを発見した。

 向こうはまだ私の方に気づいてなかったようだけど私はあえて大声を出してレッドキャップの気を引くと、レッドキャップはいつものように鉄のマチェットを振りかざしながらこちらに接近してきた。

 さあ、それじゃあ見せてもらおうか。ギガントロックハンマー、君の力を。


「そりゃ!」


 私は接近してきたレッドキャップに狙いをつけてハンマーを振るい殴った。

 ハンマーはリーチが長いので向こうから接近してくる場合は案外先に攻撃できるということを私はこの前ちょっと鉄の槌でハンマーの戦い方を練習した時にわかっていたので、今回もレッドキャップに私のハンマーが先に直撃した。

 するとまずはハンマーそのもので殴ったことによる物理攻撃ダメージによってレッドキャップの体力がたったの一撃で8割ほど消し飛んだ。

 STR+115という装備補正値は伊達ではないというか、むしろそれでも一撃に耐えたレッドキャップの方を讃えるべきなのか。


 ただ、私がそんなことを思う間もなく、その時ギガントロックハンマーの特殊効果が発揮された。

 そうだよ、私が気になっていた攻撃したら追加で火属性の魔法攻撃ダメージを与えるってやつ。

 火属性の魔法攻撃ダメージってなんなんだろうかって私は疑問だったんだけど、その答えは私がそれで最初に想像した通りのもので。


 つまりは殴った直後に殴られた方のレッドキャップの体が爆発した。


「ええええぇぇぇぇ~!!、マジで爆発すんの!?」


 その光景の恐ろしさと言ったらなんていうかもう。誰もが絶句するレベル?

 レッドキャップは火属性に耐性があるようだったけど、それでも残り2割のHPを消し飛ばすくらいの威力はあったようで、すなわちレッドキャップは今の一撃で爆発消滅した。

 幸いにもそれでドロップアイテムまで消失するということはなくレッドキャップのいた場所にはドロップアイテムであるレッドキャップと鉄のマチェットが残されたのだが。

 そして私の眼前にはレッドキャップを1体倒したということを告げるリザルト画面が開かれる。

 しかし私は、その画面を閉じることも忘れてその場で茫然自失として立ち尽くしていた。


「いやいやいやいや、この武器怖すぎるだろう!?」


 殴ったら殴られた相手が爆発するハンマーとか。

 この階層で最強のザコモンスターであるレッドキャップでさえそれで一撃で倒せるのだから他のモンスターでも確実に一撃必殺。

 いや、これもしかすると第5階層くらいまではボスクラスのモンスターを除いてたいていのモンスターであれば一撃で葬り去れるんじゃないか?

 爆発の追加ダメージ抜きにしても、普通に殴っただけの物理ダメージでさえめちゃくちゃな威力あるんだし、確実にそうに違いない。恐ろしすぎる。


「この、爆発するのオフにできないのかな?、殴るたびにドンドン爆発してたんじゃ爆発音ノイローゼになっちゃうんじゃないか?」


 おそらく、そんなノイローゼに罹るやつなんてこのゲーム内、いやリアルを合わせても世界でこの武器を手に入れたやつだけだと思うのだが。

 それでまあ、結局色々と探ってみたけどギガントロックハンマーの特殊効果は無効にはできなかった。

 なのでこれからもこの武器を使っていくなら私はそれなりの覚悟をしないといけない。

 というか下手したらこの武器、鉄のマチェットとは別の意味で殺戮の狂気に飲まれそうだな。


「……どうしよう。やっぱり装備元に戻そうかな?」


 たぶん、引き返すなら今が最後のチャンスなんじゃないかと思う。


「いや、この武器は強い。それはもう十分わかったし……でも、あーーーー、ほんとどうしよう?」


 このハンマーだけ辞めて、武器だけ元の片手剣と短剣のスタイルに戻すということもありっちゃありだと思うけど、そのダブル武器スタイルは蝶々シリーズの装備で上がった敏捷を頼りに、敵の攻撃を回避しながら戦うこと前提でのバトルスタイルだったし。

 今のどちらかといえば防御特化の装備で戦うなら、私はさらに戻って片手剣と盾を装備する騎士スタイルに戻したほうが良い気がする。

 それか武器だけでなく、防具と装飾品も元の状態に戻すか、だ。


「このままで行ったらまた私に新しい通り名がつくよな。なんだ、その、破壊神クラッシャーとか?」


 私としてはそれはもう絶対に勘弁してほしかったけど。

 でもなんかもう、逆にふっきれた方がいいのかもしれない。

 階層ごとに装備を大きく変えて、階層ごとに通り名が増えていくプレイヤー。しかしそのプレイヤーの本当のプレイヤーネームは誰も知らない、みたいな?

 いや、実際はもうけっこうな人数私のこと知ってる人はいるんだけど。


「うーん、うん。よし、決めた」


 私は眼前のリザルト画面を閉じると、それから。


「このままで行こう。攻撃のたびに爆発するのは慣れればいけると思うし、私はまだもうちょっとハンマーっていう武器で色々と戦ってみたいと思うし。なによりこのハンマー、攻撃速度上昇の効果がついてて普通のハンマーが持ってるデメリットをちょっとは軽減してくれてるんだし」


 ギガントロックハンマー以外の、たとえばこの階層で武器屋で普通に売ってるようなハンマーは、一撃の威力が高いのは同じだけど攻撃動作が非常に遅くなり、また攻撃後の隙も大きい。

 その点このギガントロックハンマーには、特殊効果で攻撃速度上昇というのがついていて、まあ片手剣や短剣に比べたらそれでも全然遅いんだけど、それ以外のハンマーよりは早く振るって敵を殴り攻撃できるし、攻撃後の隙もやや短い。

 むしろこのデメリットの少ないハンマーというのはこのゲーム内でもきっと最強の武器の1つと言ってもいいのではないだろうか。


「この上でさらに攻撃速度を上げる支援魔法とか、覚えられたらもう文句はないんだけどね」


 もしもそれを覚えられたとしたらそれはもう完全に破壊神と呼べるレベルだろうな。

 神界にいるリアルな破壊神も、下界を滅ぼす時にはこんな感じのイカれた武器とか使うかもしれないし。ともかく私は少なくとももうしばらくの間はこのままのスタイルでゲーム攻略をしていこうと決めたわけで、そうと決まれば私にもう迷いはなかった。


 そうしてこの第3階層で、フィールドでやたら爆発音が響くという謎の現象がプレイヤーの間で話題になり、後にそれが私の装備している武器のせいらしいと判明した時に、私の予想通り私に3つ目の通り名がつくことになったのだが、それがどういう名前であるのかはその時に教えるよ。

 ただ、その通り名を持つプレイヤーが、蝶々仮面、そして竜鱗の乙女という二つ名を持つ女性プレイヤーと同一人物であるということはばれなかったのだが。それはまったく不思議な話だよね。


<第3階層:岩の都グランガン:冒険者ギルド>


 それで少しだけ話を飛ばさせてもらうよ。

 飛ばすと言ってもその間は特に語るべきこともなかったというだけで、私は普通に渓谷を抜けて、崖に戻って、それから街に戻ってきたというだけ。

 その間遭遇したモンスターたちはもちろんすべて殴殺ないし爆殺して、その爽快感から私はまた殺戮の狂気に飲まれそうになったけど今回はなんとかまだ冷静さを保てている。

 いや、本当に殴ったモンスターが一撃で死んでさらに爆発して消滅するっていうのをずっと体感しているとね、ものすごく危ないんだ。

 なんていうかこう、他のRPGでもさ、ある時急に強大な力を得たやつがその力に溺れて殺戮を引き起こし、それがそのゲームのラストボスみたいな?

 どんな敵も簡単に消し飛ばせるほどの力とか持っちゃうと、やっぱり人は変わるよね。


「これ本格的に人格崩壊するレベルの武器だよ、やっぱり」


 強力すぎる力は身を滅ぼすということがよくわかる。

 ただ、それを言うならその武器抜きにしてもチート能力が満載な私が言えたセリフではないのかもしれないが。


 私は街に戻ってくるなりすぐに冒険者ギルドへと向かい、そこで残る迷宮内で受けられる8つのギルドクエストのうちの5つを受けてまた崖から渓谷、渓谷から迷宮の中へ。

 それでその5件をかたずけてからすぐにまた街へ戻り、最後に残った3件のギルドクエストを受けてから再び迷宮へ。

 つまり迷宮と街、その途中にある崖と渓谷のフィールドをせわしなく行き来して、最終的にグランガンの街に戻ってきたときには時刻はもう午後7時前。階層はとっくに夜になっていた。


 そして私はギルドの受付で、筋肉ムキムキなマッチョさんに3件のギルドクエストを達成したことを報告すると、それでこの階層のギルドクエストはコンプリート。

 ギルドからはいつものように賞賛と言葉と記念品が渡されたのだけど。


 その記念品は何だったのかって?、いやいや、君ももうわかってるでしょ?

 あれだよ、あれ。いつものやつ。今回は数字の3っていうのが彫られていた金メダルだよ。


 〇金メダル[3]

 第3階層にある冒険者ギルドのギルドクエストをすべてクリアしたことの証。


 私はこれまでこの金メダル、そしてギルドの住人クエストをすべてクリアした時にもらえる銀メダルは、ただの記念品でありゲーム内での使い道はないものだと思っていたのだが。

 実はつい最近、それがかなり重要な意味のあるアイテムであるということをある人に教えてもらった。

 皆もその人っていうかそのプレイヤーのことは知ってると思うけど、このメダルアイテムが、ではどのような意味のあるアイテムなのかということについては、そうだな。

 まあ時期が来たら教えてあげるよ。たぶんあと数日後くらいに。


「……でも、さすがに短時間で迷宮と街をこんなに行ったり来たりしたら疲れるよね」


 もっともそのおかげで私はもうハンマーの使い方はもう大分マスターしたし、今の装備でも普通に走ったりできるくらいには動きもぎこちなさが取れてきたから良いのだが。


 あ、そうそう。言い忘れるところだった。

 それで私さ、また街の武器屋に行って色々と売ったんだよね。

 色々っていうのはほら、迷宮の中にもレッドキャップとか出現してたし、今回も渓谷ではレッドキャップは見つけたら確実に倒してドロップアイテムはもちろん回収したわけで、それでまたレッドキャップ(防具の方)と鉄のマチェットがたくさん手に入ってさ、それらをまたまとめて売って。

 他のゴブリンたちからもらえる木製武器シリーズも全部まとめて売ってさ。

 その後でこの街の道具屋でたまりまくった素材アイテムをいくつか売り払って、それで私の所持金がまた大変な額になってたんでギルドの銀行に預けたんだよ。

 預けた額?、今回はそれでも15万ゴールドだったよ。普通に戦闘で手に入れたお金もあったし。

 これで私の銀行の預金額は85万ゴールドになったわけだ。


「でも残りは住人クエストだけだし、ボスクエストの報酬もけっこうもらえたとして。そうだな、この階層の終わりには預金額がちょうど90万ゴールドにでもしておくか」


 本当は100万ゴールドにしておくのが1番キリがいい気もするけど、何度も言うように私は別にこのゲーム内でそこまでお金を使う機会なんてないし、銀行には念のためにたまった所持金を預けているだけでそこまでお金稼ぎに必死になっているわけじゃない。

 まあ店で売ったらけっこうな額で売れるお金を稼げそうなアイテムとかドロップするモンスターみつけたら、たまにちょっと遊びで狩りまくって荒稼ぎすることもあるけど。


「第5階層までにプレイヤーホームも1つ買いたいけど。家を買ったらそれで高額な家具とかも買ったりしてそこでお金を使おうかね。結局持ってても使わない金ほど無駄なものはないんだし」


 第3階層のこのグランガンの街はなしとして、第1階層の始まりの街もパス。

 そうだな、第2階層のフローリアの街にみたいに街の景色がそれなりに良い街に家を買おう。

 第4、第5階層の街に期待ってところで。第6階層からはまたプレイヤーが所有できるホームの数が1か所増えるんだしね。

 私はそんなことを考えながらその日はそこでログアウトした。


 ――神界の私の部屋――


 そういえばスクルドにもらったクッキー、食べたけど感想言ってなかったな。

 また隣の部屋まで行って直接言うのは面倒だし、もうメールでいいか。


 私はゲーム機をベッドの上に置くなり起き上がってスマホを手にした。

 そしてさっき登録したスクルドのメアド(SNSでも良かったんだけどね)にメールを送ってみた。


『クッキー食べたよ。ものすごいおいしかった。』


 そして私がそのメールを送ったら5分後にスクルドから返信が来た。


『それは良かったです。また何かお菓子を作ったら持っていきますね。ちなみにアストレアさんは何のお菓子が好きですか?』


 うーん、好きなお菓子か。なんだろう、私ってそんなに食べ物の好き嫌いないからな。


『スクルドの作ったものならなんでもいいよ。でも、塩辛いものよりも甘いお菓子の方が好きかな』


 きっとたぶん、スクルドもそっち系統のお菓子の方が作るの上手そうだし。

 もしここで煎餅が好きとか言っちゃうと、スクルドなら過去に1度も作ったことなくても無理して作ってもってくる可能性が高いし、そこはスクルドが得意なものでいい。


『それじゃあ今度はチョコチップクッキーにしますね(^^♪』


 あ、それで結局また次もクッキーなんだ。スクルド、クッキーが好きなのかな?

 私はそのメールには返信せずにスマホを閉じると、ベッドから立ち上がって伸びをした。

 時刻は午後7時33分。夕食をにはちょうどいい時間だと思うけど。さて、どうするか。

 今あんまりお金ないからできるだけ外食は控えたいところだけど。

 うーん、まあとりあえず着替えて外出てから考えるか。よし。

 私はそう決めると服を着替えて、財布とスマホと家の鍵だけ持って部屋の外に出た。


次回、第3階層編も終わりが近づいてきた。

玲愛は残る7件の住人クエストを片付けていく。

そのうち2件は1人では受けられないクエストなので誰かと一緒にやります。

最後はもちろん、階層最高難易度のクエストであるボスクエストに挑戦だ!

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