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ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第1階層―始まりの街―
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ニートな女神と初めての落とし穴

今回はタイトルに似合わず激戦です。

 フィールドエリアには、エリアボスと呼ばれるモンスターがいる。

 そのモンスターは単にボスとか、あとは中ボスなどと呼ばれていたりもして、とても強いが代わりに出現率も遭遇率も低いという話だ。遭遇するとやばいからそれも当たり前なんだろうけど。

 今までのフィールドだと平原の夜に出るレッドウルフや、草原の夜に出るビッグホーンラビットのことであり、フィールドごと、またモンスターごとに出現する時間帯、場所、どのような条件で出現するのかなど違うという話だった。

 そして現在私がいるこの森林エリアはというと……


『スキルが成長しました』

 毒耐性(大)→毒無効


 〇毒無効

 毒の状態異常にならなくなる。毒攻撃によってダメージを受けなくなる。


「よーし、やっと終わった。……はぁ、疲れた」


 私が100体目のポイズンスパイダーを倒しスキルを成長させた時、時刻はもう夕方になっていた。

 陽はまだ上っているがあと2時間足らずで落ちて、そして夜になるだろう。

 私はいつの間にか森のかなり奥の方まで足を踏み入れていたみたいで。


「マッピングも8割方終わってるな。一旦帰って残りは夜やるか」


 マッピングとは地図の作成ということである。

 街と違ってフィールドやダンジョンのマップは、自分が直接その場所に行って初めてマップに記録されていく。

 1度でもその場所に行ったことがあればそれ以降はいつでもマップを確認できるのだが、この森は途中で分かれ道がいくつかあったせいでそれまでの平原や草原のように簡単にはマッピングが出来ないようになっていた。

 おそらくはこの森は、最初のダンジョンの前にダンジョンの感覚をつかませるために作られたフィールドのような気がする。

 事実何度か道を間違えて行き止まりにぶつかったこともあったし。

 この森は小さくはあるが迷路のような構造をしている。


「んー、だけど。薬草とか色付きの花ばかりで他の草がほとんどなかったな」


 私は森の中を歩きながらそう呟いた。

 この森でポイズンスパイダー狩りを行っている最中にも、私は道のあちこちに生えている草アイテムを見つけては拾って行ったのだが。

 この森の中には、まず薬草。次に色付きの花。最後にそれ以外の草花の順で生えている数が多かった。

 薬草はポーションの材料になるけど正直今は最高品質のものがまだ20個以上アイテムボックスに入れてあるのであまり必要はない。

 色付きの花は、草原で見つかった赤い花と白い花、そしてこの森で黄色い花という名前のアイテムが採れたけどこれもなぁ。

 洋服の色を変えたりするだけのただの塗料アイテムって話だし、私が持っててもなぁ。

 とか言いつつも見つけたものは拾って行ったのでその色付き花のアイテムもそれぞれ50個以上はこれまでに手に入れていたりするのだけど。


 そして最後に、それ以外の草花についてだが2種類だけ見つかった。

 1種類は毒消し草という草で、これは毒消し薬という薬の材料になる。合計15個。

 もう1種類はその逆で、なんと毒草というアイテムだった。


 薬草は青緑色、毒消し草はところどころに紫の斑点がある緑色をしているのに対し、毒草は全部紫色という見た目でもすぐにわかるレベルの毒々しい色をしていた。

 ただ毒消し草よりもレアなのかさんざん森の中を歩き回ったのに毒草は6個しか見つからなかった。


「この毒草、食べるともちろん毒になるらしいけど。何かの薬にもなるのかね」


 私はまだ、この毒草という草を使って出来るアイテムのことは知らない。

 けれども下界でも、毒草は分量を守ってきちんとした方法で処理すれば薬や漢方の材料になるという話も聞いたことがあった。

 もちろんこのゲーム内でもそうだという保証はないのだけど。


「まあ、暇があればこれの使い方とかも探してみるか」


 私は毒草をアイテムボックスの中に収納するとそう言った。

 もし見つからなけくても薬屋なら買い取ってくれるだろうし、一応これも草だから。


「さて……ん、あれ?……ここ、どこだ?」


 色々と考え事をしながら歩いていたせいか私はそこで立ち止まると、どうやら出口とは逆の方向まで来てしまっていたようだった。

 マップを確認するとそこは森の一番奥に近い場所で、もうすぐそこに最奥があるようだ。


「んー、まあせっかくここまで来たんだしちょっとくらいいいか。森を出るだけなら最短距離を走れば30分もかからないし」


 と、私がマップを閉じて最奥の場所まで行こうと歩き出したその時だった。


 突然、地面の感覚が消えた。そこには大きな穴があったようで……


「え、うそ。うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」


 私はあまりの出来事につい叫び声を上げながら50メートルくらい下へと背中から落ちていった。

 そしてこのままでは地面にぶつかると思った私はとっさにこう叫んだ。


「うわぁぁぁぁぁぁ!、ちょ、跳躍!」


 すると私が地面に激突する瞬間に私の体勢がくるりと元に戻ると空中で上空に向かってジャンプした。

 ようは空気を蹴って1メートル上に跳んだのだ。

 そうすることによって下へと落ちていたことによる衝撃は1度リセットされ私は地面の上に無事に着地することが出来た。

 ただ、これは狙ってやったものではなく偶然出来たと言ったほうが正しい。


「く、空中でも跳躍って使えるんだ。初めて使ったけど」


 そう、跳躍というスキルはホーンラビットからいただいたスキルだった。

 本来であれば使ったら1メートルだけ上にジャンプするというだけの技だったはずだがまさかこのような形で使うことになるとは。

 しかし、空中でジャンプした時にたしかに私の足は何かを蹴ったという感触があったのだけどあれはいったいどういうことだったのか。

 まさか本当に空気を蹴るなんてことが出来るわけでもないだろうに。いやできるのだろうか?


「ふぅ。まあそこは考えても無駄か。それよりここはいったいどこだ?」


 私は改めて周囲を見渡すと、どうやらそこは巨大な穴のような場所であった。

 広さはよくわからないが小さなドーム球場くらいあると思われる。

 暗さはそこまで暗くはなかった。私が落ちてきた穴のようにところどころから上の森と繋がっているらしき穴から光が差し込んでいるようだったからだ。

 つまり、この場所は上にあった森の地下だということになる。


「ライトボール!」


 私は剣の先端に光の球を発生させた。

 実はこれも試してみたかったことなのだけどライトボールのように光属性の魔法は、やはりその場での明かりとしても使えるようだった。

 光の球を出したままで剣を振ったりしなければ光の球は剣から離れてはいかないので。

 私は暗くなっている足元を照らしてみたりしたのだがそこで驚いた。


「うわぁ。毒草と毒消し草がいっぱい」


 足元は紫色の草と、紫色の斑点がついた緑色の草でいっぱいだった。

 つまりは毒草と毒消し草なわけだがもしかするとここはその群生地なのか。


「うーん。上に戻る方法も探さなきゃだけど、こんなにたくさんあるんだし拾っておくか」


 と、私が足元の草を拾い始めた時だった。


「キシャシャシャシャシャシャ!」

「え、なに?」


 突如響いた謎の声で私はつい草を採る手をとめて、立ち上がり剣を構えた。

 今のは、モンスターの声だろう。だがおかしいな、周囲にはモンスターなんてどこにも……


「ギシャシャァァァァ!!」

「上か!?」


 私がようやくモンスターの声が聞こえた場所に気づき上を見上げたら、そいつは降ってきた。

 それまでは穴の天井付近にいたと思われるそいつは巨大なクモだった。


「うわぁぁぁぁぁ!」

「ギシャシャシャシャシャ!!」


 その巨大さと言ったらもう、全長10メートルは軽くあったに違いない。

 その見た目はポイズンスパイダーに似ていたが細部に違いがあるようだった。


「ビッグ、ポイズンスパイダー?」


 モンスター名はビッグポイズンスパイダー。

 草原で出たビッグホーンラビットと名前のつけかたは同じようだったけど今回はビッグの度合いが違っていた。

 もともとのポイズンスパイダーが割と大きなサイズのモンスターだということもあったけどそれを差し引いてもデカくなり過ぎていた。


「うげぇ、しかもHPケージが2本もある」


 ビッグポイズンスパイダーの名前の下に普通のモンスターと同じようにHPケージが見えているのだがそれが2本分あった。しかも1本がもの凄く長い。

 つまりそれはそのモンスターの体力がそれだけ膨大であるということを意味していた。


「まさか、この穴って……あいつの巣!?」


 私がようやく状況を理解したところで戦闘が開始された。

 まず先に動いたのはビッグポイズンスパイダーだった。

(面倒なのでこの先はBPSと呼称。)


 BPSはその大きな口を開くとその奥から毒々しい紫色をした液体を放ってきた。

 私はポイズンスパイダーと同じその攻撃をなんとかかわしたものの、口と体が大きい分吐き出された毒液の量と範囲も大きかった。


「うぇ、しかも溜まってるし」


 さらに厄介なことに、地面の上に落ちたその毒液はすぐには消えずに地面へと広がると毒沼へと変わった。

 普通のポイズンスパイダーの毒液は残っても5秒ほどで消えるのだがなかなか消える気配がない。


「まさか、あいつを倒さないと消えないなんてこと……また来た!」


 私は再びの毒液攻撃を間一髪のところで回避しながら、頭の中でまずいと思っていた。

 幸いにも穴の中はそれなりに広いけれど、もしもあの毒液がずっとその場で残るタイプのものだった場合戦闘が長引けば安全な足場がなくな……あ、違う。


「ああ、そうだった。そういや私ってもう毒とか……」


 と言ってるそばから私は3度目の毒液攻撃をその身に直で受けてしまった。

 しかし私は毒の状態異常にはならずさらには一切のダメージを受けていない。


「ふ、はははははは。そうだよ、これ。私もう毒無効だったんじゃん。ああ、心配して損した」


 私は笑った。そしてBPSの方を向くと今度はこっちの番だと言って魔法を放った。

 あいつがビッグスパイダーをでかくしただけのやつなら弱点もきっと同じはず。


「ファイアーボール!」

「ギシュァァァァァァ!!」


 私の放ったファイアーボールがBPSの顔面に直撃した。

 そこでHPケージの1段目が4分の1ほど削れるのが確認できた。

 つまり最低でもあと7回はファイアーボールを当てる必要があるということか。


「くそ、面倒だな」


 私がそう言うとBPSはまた懲りずに口を大きく開けた。

 なんだまた毒液か、それはもう通用しないぞと私が余裕の表情で構えていると口から放たれたのは毒液ではなかった。

 なんだか黄緑色をしたさっきとは明らかに別の液体。


「うぇい!?」


 私はそれにすぐに気づいて回避には成功したものの躓いて地面を転がって行ってしまう。

 すぐに起き上がり体勢を立て直すと先ほどの黄緑色の液体が何であったのかが判明した。


「うそ!?」


 それは酸だった。黄緑色の液体が落ちた地面はシュウシュウと音と煙を立てていたようなので間違いはない。

 あれは、きっと毒とはまた別の攻撃だろう。おそらく毒無効では防げないやつだ、うん。


「ファイアーボール!」

「ギシャ、ギシュァァァァァァ!!」


 私はBPSの後方に回り込んで2発目のファイアーボールを撃ちこんだ。

 BPSは、巨体であるがためにAGIは低いようだ。つまりは遅い。

 だからこうして背後に回り込むことも容易なのだが。


「ズシャー!」

「やばい、忘れてた!!」


 私は普通に背後に回り込んだことでポイズンスパイダーと同じようにお尻から発射されたクモの糸攻撃をもろにくらってしまった。

 この糸攻撃、ポイズンスパイダー狩りの最中にあえてくらってみて効果の持続時間を調べてもたのだが少なくとも1分は動きが遅くなる。

 BPSのクモの糸がそれよりも強化されているのだとしたらもっと時間がかかるかも。


「ウィンドステップ!」


 私はクモの糸によって減少させられたAGIを魔法の効果で上書きした。

 それでもまだクモの糸の効果の方が強かったようで完全に元通りのスピードにはならなかったもののそれで極端に遅いという状態からは脱した。

 ただ、ウィンドステップの効果のほうが先に消えた場合また元の状態に戻ることになるが。

 ウィンドステップの効果は3分。それだけでやつを倒せるかと言われれば正直微妙だった。

 ウィンドステップは1度効果が切れるとさらにそこから3分間は再使用できなくなるし。


「ファイアーボール!……火炎斬り!……わわわ、ファイアーボール!」


 私は遅くなった足でBPSの攻撃をなんとかかわしつつもそこでようやくHPケージの1本目を削りきることが出来た。

 するとなんとそこでBPSが驚きの行動に出た。

 お尻を天井の方に向けたかと思うと天井に向けて糸を放ち上へとのぼっていく。


「なんだ!?」


 そしてまた天井付近にへばりついたらしいBPS。代わりに天井からは普通のポイズンスパイダーが4体落ちてきた。


「嘘でしょ。ここで仲間召喚とか。しかも自分は安全地帯に避難とか」


 この場合、まず間違いなくこの4体のポイズンスパイダーを倒さなければあいつはまた下に降りてはこないだろう。なんとなく、勘だけどそんな気がした。


「くそう、また面倒な」


 しかし状況は悪いことだけでもなかった。

 BPSが天井に消えたおかげか私にかかっていたクモの糸の効果と、そしてBPSの攻撃で出来た毒沼が消えていた。


「ようは第2ラウンドってわけね。よし、速攻で片付ける」


 そう宣言した私は魔法もスキルも使わずにポイズンスパイダーに特攻していく、普通のポイズンスパイダーは毒液と糸攻撃しかしてこないのはもう学習済みだった。

 そして今の私はもう毒は効かない。お尻の向きにだけ気を付けていれば倒すのは簡単だった。

 4体のポイズンスパイダーを倒すのにもうはや1分もかからなかった。

 そして4体目のポイズンスパイダーを倒したところでまたBPSが天井から降ってきた。


「あれ、さっきよりもちょっとだけ体力回復してる。……ああ、なるほど」


 BPSの体力ケージは先ほどたしかに1本目のケージを全て削ったはずだったが、1本目の1割くらいだけ回復していた。

 このことから今の4体のポイズンスパイダーとの戦いはBPSの体力回復を行うための時間稼ぎであったということがわかった。


「残念、すぐに私が全滅させたせいでそこまで回復できなかったみたいだね」

「フシュゥゥゥゥ」

「あはははは。もしかして怒ってる?」

「フシュゥゥゥゥ。ギシャァァァァァァ!!」


 どうやら図星だったようだ。

 そして再びのBPS戦。まずBPSは連続で毒液攻撃を放ってくるようになった。

 しかしそれに関しては私は無視してファイアーボールを撃ちこむ。

 ただBPSのその攻撃の意味はどうやら別のところにあるようでBPSの周囲を取り囲むようにして毒液攻撃によって誕生した毒沼が広がった。

 なるほど、これで私のように毒無効のスキルがないプレイヤーがやつに接近しようとすれば必ず毒沼を通る必要があるため毒の状態異常にできる、と。

 これ私じゃなかったら苦労するんだろうなぁ。


「だが私には効かない。火炎斬り!……ファイアーボール!」


 先ほどの戦いでクモの糸攻撃をくらった直後に私が使ったウィンドステップの魔法の効果がまだ続いていたため、私は先ほどよりも素早くBPSの死角に回り込んで攻撃していくことが出来た。

 だけれども、私はこの時になって初めてある疑念を抱いた。


「このモンスター、本来は1人じゃなくてもっと数人でパーティ組んで倒すようなやつなんじゃね?」


 そう、そのように考えると妙に納得が行くのだ。

 膨大なHPに広範囲への攻撃、残る毒沼に仲間召喚による時間稼ぎなど、おそらくはRPGの普通のボス戦と同じようなノリだと思ったのだ。

 このBPSというモンスターはまず間違いなくこのフィールドのエリアボスに違いない。

 けれど今までのレッドウルフやビッグホーンラビットと違って決してソロプレイで倒すことを目的としたボスではないのだろう、と私は思った。

 まあ、そんな敵でも私はこうしてソロで戦えているわけだけど。


「ファイアーボール!、うーん、あと1、2発で行けるか?」


 すでにBPSのHPケージは2段目の半分くらいまで減っている。

 この調子で行くならあとファイアーボール2発で倒せると、そう思っていた。


「ファイアーボール!……あ、またかよ!」


 そしてさらに1発のファイアーボールを当ててあと1発でやつを倒せるというところで、やつは再び天井へと避難していった。

 代わりに落ちてきたのはポイズンスパイダーだったが、今度は先ほどの倍の8体も落ちてきた。

 もしかしてこの次があったら16体落ちてくるのかね。


「はぁ~あ。面倒くさいな」


 私はそう言いながら8体のポイズンスパイダーをものの2分で片付けるとまた天井から落ちてきたBPSとの戦いへ。

 数が増えていたのでちょっとだけ時間がかかってしまったせいかやつの体力は残り3割というところまで回復していたけど特に問題はなかった。


「ファイアーボール!、か・ら・の。火炎斬り!」


 私の火炎斬りがやつのお腹を斬り裂くとやつのHPケージがようやく0になった。


「ギシュア!?、ギシュァァァァァァ!!」


 最後の断末魔を大きく響かせながらやつ、ビッグポイズンスパイダーは倒れこんで、やがて光の粒子となって砕け散った。


『倒したモンスター』

 ビッグポイズンスパイダー×1

 ポイズンスパイダー×12


 獲得経験値:246ポイント 獲得ゴールド:568G

 次のレベルまであと2734ポイント


 ポイズンスパイダーが1体で経験値8なので逆算するとやつは1体で経験値150ポイントももらえる大物だったということか。レッドウルフやビッグホーンラビットの5倍近いな。

 ゴールドの方も400Gも落としてたみたいだし。

 そして私のレベルが12に上がった。まあ、たくさん経験値もらえたからな。


「ふう、疲れた。ちょっと休憩しよう」


 私は戦闘を終えた後で休憩と言ってその場に座り込んだ。

 ゲームの中だから肉体的には疲労など感じないのだけど先ほどの戦闘では精神的に疲れたのだ。

 ただ、戦闘を終えてみて私が思ったことはただ1つ。


「私のキャラ性能、もうやばいところまで来てるな。これ」


 この一言に尽きる。



<モンスター辞典>

〇ビッグポイズンスパイダー

森林フィールドのエリアボスであるモンスターで、ポイズンスパイダーの強化版。

このモンスターは本来、4人以上のパーティを組んでようやく倒せるようなモンスターだったが玲愛は1人で倒してしまった。

普通のポイズンスパイダーの毒液が、毒(微小)であるのに対してこちらの毒液は毒(中)と毒の威力も強化されていたのだが玲愛は毒無効を持っていたためにそのことには気づかなかった。

体長は10メートルほどと巨体であり体力ケージも2本分ありしぶとい。

攻撃も毒液攻撃の他に、酸性の液体を吐き出すという攻撃も加わっておりこちらの液体はくらうと大ダメージを受けるのだが、玲愛はくらっていないためどの程度のダメージを受けるのかは不明。

お尻から発射される糸も、普通のポイズンスパイダーの糸よりも強化されておりAGIは50%ダウンで効果の持続時間も5分とかなり強力だった。今話の中では途中で解除されたが。

一部のプレイヤーの間では、第1階層のダンジョンに登場する正統なボスモンスターよりもこちらの方が強いと言われているほどの強敵。

また体力が減ると天井に避難して仲間(子分)のポイズンスパイダーを召喚し、仲間と戦っているすきに自分は安全な場所で体力回復を図るなどずる賢い面もあり、そのせいでプレイヤーたちの間では第1階層の最低モンスターと呼ばれているが、もちろん玲愛はそんなことなど知らない。

ドロップ:次回の話を参照。

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