表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

おまけ②【門番の喧嘩】



 「閻魔様」

 「なんだー?」

 「浮幻と雲幻が喧嘩をしているようですが、どうします?」

 「・・・放っておく」

 「それはダメかと」

 「じゃ行くしかねぇじゃねえか。なんで喧嘩なんかするんだよ」

 仕事が溜まってるのに、と文句を言いながら、閻魔は二人のもとに行った。

 二つの門はそれほど離れておらず、閻魔はぴりぴりしているその空気を感じ取る。

 「おい、落ち着け」

 口を出した瞬間、浮幻からは睨まれ、雲幻からも笑顔のまま睨まれた。

 「何があったか話せ」




 話しを聞くと、どうやら、浮幻のもとに雲幻がきて、ちょっかいを出したようだ。

 なんでそんなに無愛想なのかとか、瞬きの回数が少ないだとか、名前が変だとか。

 最初は無視をしていた浮幻なのだが、さすがに鬱陶しくなったらしく、雲幻の足を踏んだようだ。

 「・・・雲幻が悪い」

 「えー!なんでですかー!俺は浮幻と仲良くなろうとしただけなのにー!」

 「仲良くなろうと思う奴の言うことじゃねぇよ」

 ふああ、と欠伸をすると、閻魔は首を左右に動かして、二人に背を向けた。

 「閻魔様って、そういうとこありますよね」

 ふと、浮幻が言った。

 ぴく、と動きを止めた閻魔は、ゆっくりと顔を動かす。

 「何がだ?」

 「いえ、別に」

 「言えよ。俺はこういう性格だ。問題あるか」

 「いえ、別に」

 「あのなあ、そうやって言いかけたことを言わないのは良くないぞ」

 「言いかけていません。言いましたから」

 「うっわ何こいつ」

 「それより、仕事はよろしいのですか?」

 「そーですよ。俺達のこと気にかけてる暇あるんですか?」

 「ムカつくな、お前等」

 「閻魔様はお仕事で忙しいでしょうから、早く戻ってください」

 「棒読みすんじゃねえよ」

 「俺達の喧嘩に口挟まないでもらえますか」

 「ほんとほんと」

 「・・・!!!!!」

 閻魔の苛々は頂点に達そうとしたが、ぐっと堪えた。

 「・・・ああ、もういいや」

 諦めたというよりは、疲れてしまったようだ。

 閻魔はそのまままた部屋へと戻って行く。

 そんな閻魔の後姿を見て、浮幻と雲幻は互いに顔を見合わせ、片方はため息を吐き、片方は笑った。

 「閻魔様、どうかしましたか」

 「小魔」

 「はい」

 「くじけそう」

 「知りません」








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ