折れそうな心
「で、どうする?」
「ケーキは私が生成したから大丈夫。あとはなにが足りない?」
「待て待て、それ美乃里が作ったのか?」
「そう、最強魔導ケーキができた」
「へぇー意外、美乃里料理とか出来たんだな」
「むっ……。 黒魔法少女に不可能はない」
頬をぷくっと膨らませて俺を睨んでくるが、これはしょうがない。普段のコイツはこんなことするような奴に見えないし、だからまた勝手なイメージで美乃里=おバカ系、みたいなのが俺の中で出来上がっていた。
しかしここにきて意外な事実が判明した。
長い付き合いだが知らないことがあるもんだな。
「足りないものかー、じゃあプラン教えてくれよ。どんな感じでやるのかとか、考えてあるだろ?」
「私の完璧なパーフェクトプランによれば、まずここに下僕真咲を呼ぶ、そしてこの最強魔界ケーキを食べさせて一生涯の服従を約束させる。って戦法」
「お前本気でやる気あんのか? 俺帰るぞ?」
「待って……やる気あるから帰らないで……」
なんか最初のこの部屋に呼ぶってとことケーキの名前が違うのに少しイラついた。
「じゃあ何故、この部屋は暑い。ケーキにも悪影響だぞ」
「灼熱の地での戦いに備えて修行をしている。あとは節電。でも光太が言うなら窓を開けてもいいけど」
そう言って、美乃里は立ちあがり黒々としたカーテンを開けて窓も開ける。
開けたことで青い空が見え涼しい風が入ってくる、さっきまでの灼熱暗黒が嘘のようだ。