主の元へ
日曜日の昼下がり、特にやることがなく縁側でのんびりお茶を飲んでいると、突然ケータイが鳴った。
美乃里からだった。
「もしもし」
「久しいな。光太」
久しいなって、一昨日に話したけどな。
「で、何のようですか?」
「時間がない。手短に要件を述べるからよく聞いて」
なにやら真剣な感じだがどうせ……。
「光太。今から我が魂の宿り場に来てほしい」
「意味わからないです」
予想通りだった。
「我が使い魔なら理解して当然なのだが、仕方ない。もう一度だけ言う。我が魂の封印されし場所に今すぐ来てほしい」
「さっきと微妙に違うし、解決してねーよ。俺忙しいから切るね」
「あ、えっと待って……。そ、そのい、家に来てほしい……。今から……」
家のこと言ってたのか。
て言うか、珍しいな向こうから誘ってくるなんて。美乃里とは幼馴染みで小さいときよく遊んだけど、いつも俺から、というか母ちゃんが勝手に誘っていたし。
「今からかぁー。どうしようかな今忙しいし」
俺だってのんびりしたいし、美乃里の家までかなりの距離がある。
「う、……。わかった……」
そんな悲しそうにすんなよ……、俺行くしかねぇじゃん……。
「う、嘘だよ! 行くに決まってんじゃん!」
「当然。それが我が使い魔としての、務め」
きぃー。気を使ってやってやるとすぐこれだ。このお子ちゃまの扱いは簡単だが、非常に疲れる。
その後、美乃里の家へ向けて俺は歩みだした。