初歩
楽しんでいただけたら光栄です。
週一で投稿するつもりです・・・
が私、ブラジルにいるんです・・・・・
張り切っていきましょう!!
神はいた。
2150年、世界の人口はゴキブリのように増大し、人口の約半分は貧民街で暮らしており、明日があるか 定かではない毎日を過ごしていた。
2154年、各国の政府はその人々を、新種の致死性ウイルスが発見との偽りの情報を流し、貧民街の人間の殲滅を開始した。
それに対し、貧民街の人々は抗うことを決意、全ての国の貧民街から数兆人という人がアフリカに移動。
人類VS人類の戦争が始まったのだ。・・・・・・・・・・・・・・
と言っても、こんなことは別にどうでもいい話なのだが。
重要なことは戦争の開始五年がたち、戦争が終わろうとしたときに起こった。
一筋のまばゆい光がイギリス全土の上空から発せられたのだ。この光は今思うと、神が人類にくだした天罰だったのだ。
その日から・・・・世界が迷宮に飛ばされた。
世は混沌の時代。力が全てを物言う時代だ。
100年後
ーゼネルシア第七区ー
紅葉の葉が血しぶきのように舞い散る季節。
穏やかな川が流れていて、その近くに団子屋がある。まるで、昔ならではの景色に見えるのだが、この区
では、あたりまえの絵なのだ。その団子屋の前で俺は一振りの刀に声をかけていた。
「ホンットに ゼッタイにいらないって!あともうちょっとだから・・・・・・我慢してくださいませんか
ルキナ様・・?」
別に、 俺が寂しい奴ってことではない。ちゃんと語りかけるってことは、相手がいるってことだ。
まあ、それも刀の中にいるのだが。
「お腹すいたんですよー。わかりますよねー!
私の中で、唯一の恋人ですからね?? 」
刀の中で俺の恋人、ルキナが痛いところを突きながら、駄々をこねている。
彼女はさざ波のような水色の髪の毛を揺らし、その碧い目で上目遣いを駆使してくる。ちなみに髪型はサイドテールだ。
「俺とおまえの感覚はコネクトしてるんだ。俺が我慢できるってことは、おまえもできるはずだろ?」
その受け答えに対し、彼女は眉毛を逆八の字にして
こちらを見る。・・・・・これは定番な流れに・・。
俺は流れを断ち切ろうと思ったが、時すでに遅し。
「それにしても、この前の件は凄かったですよねー」
っ!!
「迷子の女の子を3日間も付き合って、家を見つけた
ことはいいですけど〜。あれですよねー。キスまでいくとは思いませんでしたよ。」
あれは仕方がない。不可抗力とはそのことを言うものだ。 イヤッそんなことを考えている場合ではない!
ここは謝罪の言葉を・・。
「イヤ〜。別にあれですよ。このプリティ刀ガール、ルキナちゃんは彼氏が他の女という女にキスされても、何も思わないですし??」
「グフウッ!!!」
もう、無理だ。ルキナの声ひとつひとつが、神器級のダメージを俺に与える。
俺は力絶えたように、膝をつく。
そして、ボソリと呟く。
「すみませんでした。この大罪人になんでも命じてください」
言った瞬間、待ってましたと言わんばかりの声をだし、刀の彼女はこういった。
「じゃ、今日の宿屋で、私の胸をもみながらキスして
一緒にフィニッシュですね♪」
「!!!」
「ああ!今日の夜が楽しみですねよっ!
あなたがもっと私と同化するわけですよお♪ ねえ?
ライゼンさん?」
「ああ そうでございますね。ルキナ様っ」
結局、いつもの流れになってしまった。俺は自分の赤髪をくしゃくしゃと手でかきながら団子屋を通り過ぎた。腰の剣が何やら言っていたが、結局、団子が食べたいと言っているだけであろう。
俺は自分の目的のために歩を進めた。
俺が言うのもなんだが、これでも彼女を愛している。
俺は彼女の為に剣を振るうと約束している。
ーーーー
私達はさっきの心血紅葉の通りを過ぎ、本格的に森と言える場所を歩いてました。
っと、ここはゼネルシアと言ってですね。人類は最初いきなりここに転移されたそうです。まあ、最初から城やら秩序やら存在していたらしく、転移された人類は見知らぬ奇異な土地に放り出されたわけです。
ゼネルシーアの全貌は大きな円になっていて、周りの山々が外の大地からの攻撃を守っていると言うことです。
そして、そのゼネルシアを名前そのまんまの中央都以外に7つに分け、
その領主 <七星帝> がそれぞれ治めているということです。中央都は <天下無双> と呼ばれる王が治めています。
まあ、姿を民衆にさらさないことはともかく、声も聞いたこともありませんが。
ともかく、そのゼネルシアの第七区で、ライゼンさんと私はほっつき回ってるわけです。
ていうか、かっこいいいいんですよね〜ライゼンさん。歩くたびに揺れる赤髪とかやばいっしょ!
そしてあの、男にしては可愛いあの目! 弱そうに見えるのに頼り甲斐のあるそのギャップ‼︎‼︎ ああ〜〜!
これはまだ、病んでるとはいいませんよね?
セーフですね。セーフ。
あーでもーそろそろ、襲っちゃいましょうかね??
キスからまず、豪快に舌を絡めまして!!!
そのまま!!!!
「おーい、どうしちゃったんだ? ルキナ? あっついけど、水でも欲しいのか? なんだ、それともなんか変なことでも考えてたのか?」
と、ニヤついた顔で聞いてきた。
「いえいえーなんとも ありませんよー?」
そうです!!私の売りはこの冷静さ‼︎‼︎ まだ、一度もライゼンさんにやましい考えを嗅ぎつけられたことは
・・・・・・
「ほんとか〜?まっ信頼しているけどな」
と言いつつ、右手で刀身=私の身体をスリスリと撫でてきた。これには、冷静さが売りの私でも、ふわっ!
と声をだしてしまった。流石は侮れない男です。
そう思っていると、さっきまで砂利の上を歩くジャりジャリとなっていた足音が、タッタッと硬いものの
上を歩く音になった。
「もうすぐなんですか?」
私はライゼンさんに聞いた。
ライゼンさんは七星帝の一人に会うために、わざわざ
中央都から徒歩できたのだった。
この世界には、絶対なる法則という意味のわからないものが存在している。職や金ましてや、剣を抜く場所なども細かく設定してある。
法に引っ掛かれば、中央都の監獄塔の中でガッチガチに拘束され最悪で処刑。軽くても罪を犯した目印の熱印が押される。
その法を潜り抜け、ここまで来たのであった。
そのライゼンさんはニカっと笑い、ああと答えた。
しかし、私には心配ごと一つあった。
「ライゼンさん?法にはバレなかったのは良かったのですが・・・・・学校にはバレますよ?」
「うっ・・・・・た、確かにキルナ先輩にはもうばれてるだろうなあ。ゆずがうまくやっていると思うけど・・・・」
「キ・ル・ナ? あっれ〜?また新しい女ですか。
なるほど、なるほど 」
私はジト目で、にらみつける。またですかっと言う気持ちを顔で表現する。ライゼンさんは視線を流した。
この顔は色々やった顔である。
本当にこの人を惹きつけるオーラは何かの能力であろうかと考えてしまう。
その時、ギャンと後方に剣(私)を抜いた。
バキッという音がしたかと思うと、そこには木に突き刺さったクナイがあった。ライゼンが今の一瞬でクナイを弾き返したのだ。
そのあと、真上の木からガサガサと聞こえた。
「危害は加えない!! しかし、ここの領主
<服部 絆奏>にある 用件がある‼︎‼︎‼︎ 面会の確認をしてもらいたい!!」
ライゼンさんが声を荒げ言う。ピリピリと緊張が走る。なんと言えどもう罪人ですし、攻撃、拘束され身元を調べられたら、待つのは処刑だけですからね。
しかし、ライゼンさんの気迫に押されたのか、
木の上からクナイを投げた張本人が降りてきた。
その格好は額当てをし、赤いマフラーを巻いていて、
他は闇に紛れるような黒を基地とした服を着ている。
完全に忍者というべき格好であった。
顔つきからしては冷血な女というイメージがぴったりであった。
「ほう、絆奏様に御用とは、おまえは一体なんなのだ?なんの役職についている?」
忍者は問いかける。ライゼンさんは少し空気を吸うと言った。
「王政守護十神の一人、スベラカ・キルアートと申す」
そういった途端私は腰から慌てた声をだした。
「ライゼンさん!! どんなハッタリを使っているんですか⁉︎ 王から選ばれた十人ですよ!!?
そんなもの、すぐにバレるに決まっているでしょう!!?」
「このぐらいのインパクトを与えたほうがいいんだよ。相手は七星帝だ。存分に怯えさせとこうぜ!」
と、赤髪を揺らしながらニヤリと笑みを浮かべながら言う。
流石の唯一の恋人ルキナちゃんでも呆れ顔をしてしまう。
そんな中、忍者は言う。
「おお、十神のキルアート殿でしたか。これは、とんだ無礼を。」
ここはゼネルシア第七区。別名 忍者領。
領主を筆頭に独自の文化が発展しており、領主絶対が規則である。
それにより、王政の命令の大部分を流しており、なかなか手扱えない存在になりつつある。
そんな忍者が他の領地の者を、ましてや、領主に会いに行くという用件を持っているのだ。
とんだ無礼を、で終わるわけがないのは明白であった。忍者はつぶやく。
「しかし、十神の殿方でもここは通すわけにはいきませぬここは力こそルールゆえ。
十神は森羅万象を打ち砕く力を持つと聞きく。
私がその力を認めたら、ここを通しまする」
そのあと忍者はニヤッと口元を緩める。
やはり、嘘はバレている。 十神と偽ったことで、とんでもない条件をだして、そのまま私達を殺すつもりであろう。
ルールはこのようだ。
「刀をまず置いていただき、この直径一メートルの円に殿方に入ってもらいます。
殿方はそこから出てはなりませぬ。
そこに、私めがクナイを投げさせていただきます。
投げたあと、殿方が立っていれば通すと言うこと
です」
簡単に言えば、かわすか死ぬかということだ。
ここでひいては結局、処刑である。
ここで生きないと私もライゼンさんもお終いチャンチャン♪と言うことだ。
ライゼンは円から五メートル程離れた場所に私を置くと、円の中に入る。
その顔からして、まだ余裕があった。
ザッと態勢を低く、横にする。完全に避けるつもりなのだ。
「では、行くぞおお!!!」
忍者が高らかに叫び、体を捻る。
その瞬間、右手に持つクナイから炎が燃えあがる。
突然の変貌にライゼンさんは目をかっと見開く。
その間にもクナイは炎によって加速し、
クナイを持つ腕はグワンと空を切る。
「ライゼンさん‼︎‼︎」
私の声は届かない。
ライゼンさんの顔は変わらない。何も秘策がないことは、何時も腰にぶら下がっている私がよく知っている。
ついに炎の槍なったクナイがライゼンさんに放たれる。
ゴウン!!
炎が突き進み暴音を放つ。
ライゼンさんは動かない。
そして、クナイはライゼンさんの胸の前へ・・・
「死ねええええええええ!!!」
バギュル!!
爆風が吹くと同時に森に異音が響く。
「・・さあ・・・・」
舞い上がった土煙がおさまると何が起こったかよくわかった
炎によって赤く染まった鋼鉄のクナイをライゼンさんは
握りしめていた。
「 通してもらおうか・・・・!!」