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第1部エピローグ
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後で聞いた話である。
二時間悩み続けたアニェーゼは最終的に俺を助け出すことを決意し、独房へ向かった。侵入と言うよりは侵攻と呼んだ方がいいような強引なものであったが、そこでアニェーゼが見いだしたのは、鍵が開いた扉と空っぽの独房だけで、アニェーゼは呆然と部屋の中を見回した後、
「どどどっど、どういうことよ!!!!????? 私のリキニウスはどこに消えたのよ!!!?」
と絶叫した。
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後で聞いた話である。
騎士団の本拠地はレム王国の北方にあるオルゼ要塞だ。
要塞と言うよりは都市国家と言った方がいい規模のオルゼ要塞の中央に、騎士団の最高権力者である騎士団長の住まいはある。
レムス一世に付き従った戦技の達人アルビオンから十二代さがった現在の騎士団長は20歳の女性で、その容姿の可憐さから騎士たちの忠誠は篤い。
カテーナ二世と言う名の、その現騎士団長は簡素な騎士団長の住まいで窓際に腰を下ろしてぼんやり窓の外を見ていた。
そしてカテーナ二世は小さくつぶやいた。
「……お兄ちゃん。やっぱりこの世界にいるの?」




