第二話 ジェイソン
前回の続きです。
楽しんで読んでいただければ幸いです。
(今日も楽しい狩の時間だぁ!)
狂った頭でそんなことを呟きながら男はナイフを握りしめた。
男の身長は175程度、筋肉質で引き締まった身体をしている。
その男の前には一人の女性がいた。
女性の身長は160程度、会社がえりらしくスーツを着ている。
彼女の表情は怯えきっていた、当たり前である、目の前にいるのはナイフを握りしめた男なのだから。
ただ、彼女が怯えている理由はそれだけではない。
彼女の前にいる男は最近噂になっていた。
その噂とは殺人鬼、である。
そうこの男は殺人鬼なのである。
通称ジェイソン、女性を狙い殺しこれまでに既に十人以上の女性が殺されていた。
(あぁ、ダメだ、逃げられない、帰れない……私……死ぬの?)
半ば達観に似た気持ちで、女性は死を覚悟した。
「あんたには何も恨みはないけどさぁ、なーんか殺したくなったんだよねー、まぁ殺されるあんたが悪いってことでぇ……しねぇぇぇっ!!!!」
男はそう言ってナイフを握りしめ、振り上げそして振り下ろした。
いや。
正確には振り下ろそうとした。
男は振り下ろせなかったのである。
なぜなら振り下ろそうとしたその時。
一発の拳が男を文字通り吹っ飛ばしたのである。
ドゴォオ!!!!
「がっあっ!!!?」
そして、男がいた場所には。
一人の人間が立っていた。
その人間は黒かった。
黒い髪、黒いブレザー、黒い手袋、黒いズボン。
しかしその顔は白かった。
正しくは、その仮面は白かった。
その人間は仮面をつけていたのである、穴が二つついているのみの簡素な仮面を。
身長は165程度、背格好からして少年のようだ。
どう見ても人一人を殴り飛ばすような力は無いように見える。
それでもそこにはその人間しかいなかった。つまり、殴り飛ばす事が出来たのはこの人間だけなのである。
「……なにやってんだアンタ?」
半分呆れたような声でその人間は女性に語りかけた。
「……へっ?」
今まさに襲われていたその女性は事情が飲み込めずそんなことしか言えなかった。
「へっ?じゃなくてさぁ…逃げないの?襲われてたんだろ?」
その時
「あぁぁあ!!!」
倒れていた男が再び立ち上がった。
「うぉ、あれで気絶しねーのかよ、めんどくせぇな……」
人間は心底嫌そうに呟きながら男の方を振り向いた。
「何なんだよテメェ!俺はいま狩してたんだぞごらぁ!じゃましやがって、もーいーよ!てめぇ、殺す気も起きねぇけどてめぇからぶっ殺してやるよ!」
「いや狩て……ふざけんなよな、お前、ただの人殺しだろうが……」
若干イラつきながらその人間は呟く。
「あぁ?あー……いや、もーいーよ、取り敢えずさぁ……しねぇぇぇぇっ!!」
男はそう言ってナイフを握りしめそのまま人間に突っ込んでいった。
しかし。
「……はぁ、めんどくさっ……」
その人間が呟いたその時。
ドゴォォォオ!!!!!
男はもう殴られていた。
人間ではあり得ないスピードで。
人間ではあり得ない力で。
人間ではあり得ない動きで。
その人間は男を殴った。
そして。
男は意識を失った。
いかがでしたでしょうか?
次でこの章は終わりにするつもりです。
最後までお楽しみいただければ幸いです。




