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神喰い  作者: saku
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第十八話 イデア

倒れた椎葉に黒風が近づく。

どうやら完全に寝ているようだ。


「ふう……上手くいったな、つかこれどうゆうことなんだ?隙を作ってくれれば終わるって言ってたけどよ」

「簡単よ、私の能力は催眠、強制的に眠らせる事が出来るの、でも、先読みされたらすぐによけられるし、だから隙を作ってって言ったの」

「なるほどね……」

「じゃあ縛りましょう、また暴れたら困るし」

「なんで縛るんだ?寝てんだから必要ねぇだろ?」

「私の能力はお腹が空くと切れちゃうのよ」

「げ、マジか、じゃあさっさと縛らないと……」

その後、二人は神社から手頃な長さのロープを見つけ、それを使って柱に椎葉を括り付けた。

「ふーい、やっと終わったな」

そう言って黒風と翠香は神喰いを解き、その場に座った。

「そうね、さてと……どうする?これ」

「我は翠香に任せる、翠香の意志は我の意志だ」

「儂は殺したほうが手っ取り早いと思うがの」

「阿保こいてんじゃねーよ、人殺しなんてまっぴらごめんだね」

「……黒風、取り敢えず八咫烏の人に連絡して処理してもらえない?」

「あー……わかった、言ってみるわ」

黒風がそう言い、携帯電話を取り出した時である。



「あらー、負けちゃったのね、ほんっと使えない」



後ろから、女の声が聞こえた。

「「「「!?」」」」

黒風達はそのまま振り向き、神喰いへと変化する。

女の姿は20歳ほど、長い金髪に青い瞳、そして、誰もが振り向くような美貌とスタイルを持っていた。

服装はへそを出した小さなTシャツに足首まで覆う大きなスカート、スカートは左足の方に大きくスリットが入っていた。

そして、賽銭箱に腰をかけ、妖艶な瞳でこちらを眺めていた。

「あらあら、そんなに喧嘩腰にならなくってもいいじゃない」

余裕を持った声で、女はそう言った。

確かに口調に敵意は無いように聞こえる、しかし。

その他のすべてが黒風達を威圧する。

その瞳も、その姿も、ただそこにいるだけで重圧に潰されるようなこの感じ、それは。

(同じだ……この感じ、光栄と同じ……!)

そう、光栄と対峙したあの時感じたピリピリとした感じ。

こいつと戦ってはいけない、理屈も何もなく、ただ自分の直感がそう言っている。

「何の用?そこにいる椎葉って男を助けにでもきたの?」

重圧に潰されそうな中、翠香が口を開いた。

「あー、そういうんじゃ無いわ、そのカスは貴方達にアゲル、殺すなりなんなり自由に使って、で、貴方が黒風?」

黒風を指差し、女はそう言った。

「……だったらなんだよ」

「ふぅーん……光くんが負けたって聞いたからどんなものかなって思ってたけど……期待はずれね、カスじゃない」

「なっ!?」

「ふふっ、怒るのもいいけど……怖がってるのがよくわかるわよ?ま、可愛いからいいけど」

「貴方の目的は……なに?」

「目的?そうねぇ……(みそぎ)……かしらね」

「禊?それはどういう意味だよ?」

「これ以上は教える気は無いわ、大丈夫よ、今日は何もし無いわ、このまま帰る」

そう言うと、女は賽銭箱から降りた。

そのまま黒風達から背を向け、歩いていく途中。

「あ、そーだ、最後に言っとくわ」

そう言って黒風達の方を向いて言った。


「私の名前はイデア・マールート、色欲を司るもの、そのうちまた会う事が会ったら……その時はよろしくね」


そう言って、女、イデアは妖艶な笑みを浮かべ、神社から消えた。

「っはあっ!!」

「はっ、はっ……!」

イデアが消えてすぐ、二人は神喰いを解除し、その場に手をついて倒れかけた。

「黒風……あの女、何者よ?」

「多分……天照の一員だと思う」

息も絶え絶えに二人はそう言った。

「……あのまま戦っておれば、確実に主様が殺されておったな」

「我も同感だ、もし戦う気であの女がここにきていればと思うと……ぞっとする」

「……あれが、俺が倒そうとしてる奴ら」

(あんなやつ……あんなバケモノ俺が倒せんのか?)

そののち、黒風は晴明を呼び出したが。

心の内に出来た不安は、いつまでも消える事無く残っていた。


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