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神喰い  作者: saku
17/22

第十七話 レンサ

不敵に笑う黒風を見て、椎葉は少し不機嫌に。

「話は終わったか?」

と言った。

「おお、終わったぜ、話の内容は……」

黒風はそこまで言うと。

「刀で教えてやるよっ!」

刀を構え直し、椎葉に切りかかった。

しかし、やはりガアン!という音がして、斬撃は防がれる。

「まだわからないのかよ、お前達の行動は全部読めてるって」

「ふーん……じゃあ、これでどうだよ?」

そう言って黒風は、突然刀を引いた。

「なっ!?」

突然刀を引かれ、椎葉の体制が崩れる。

(こいつっ!……くそがぁっ!)

慌てる椎葉、そして。

「らぁぁあ!!」

その隙をつき、黒風は刀を再度振るった。

当然防がれるはず……しかし。



「がっあ!!」



よけも防がれもせず、刀はそのまま椎葉の脇腹に直撃した。

そのまま黒風は刀を振り抜き、椎葉の体を右側に吹き飛ばす。


「お……っしゃぁぁあ!」

今の一撃、それは、黒風が受けた傷より遥かに小さなものだった。

しかし、これはただの一撃では無い。

当たらない、よけられない、その連鎖に、絶望に落ちていく中、諦めない気持ちが、翠香の思いが、閃の思いが、この一撃を紡いだ、だが。

(おっと……)

黒風は止まらない。

「まだまだぁっ!」

紡いだ思いは終わらない。

椎葉の吹き飛ばされた方向に思いっきり飛び、刀を振るう……が。

「と、見せかけてぇ!」

当たる直前に、突然刀を引いた。

「ぐっ……!」

しかし、椎葉の先読みによって見られていたらしく、椎葉はかまわず銃を構える、しかし。

「……なめんなっ!」

黒風はニヤリと不敵に笑い、そのまま刀の形状が変わった。

日本刀の刃の腹から、何本もの棒が椎葉に向かって伸びる。

「しまっ……!」

ドガガガカッ!っと影の棒が椎葉にぶち当たる。

「があっ……!」

やはり、椎葉はよけられない、そして。

「……やっぱりな」

と、黒風が静かに呟いた。

「何が……やっぱりだよ?」

苦しそうに椎葉が問うと、黒風は不敵に言った。

「お前の能力は読めた……お前の能力、ただの先読みじゃねえな……お前の能力は相手の二手先までを読む、違うか?」

黒風の言葉を聞き。

「……そのとおりだよ、相手の二手先、それが俺の限界だ」

何故か嬉しそうに、椎葉はそう言った。

「何でわかった?」

「……最初の違和感はお前が土埃を見きれなかったことだ」

「あれか……チッ」

苛ついた顔で、椎葉は舌打ちをした。

「お前が何手でも読めるなら、あの攻撃すらわかったはずだ、なのにわからなかった、何故ならあれは三手目の攻撃だったから、その後の一撃も土埃で見えなかったから読めなかった、だろ?」

「……そのとおり」

黒風に見破られ、落胆に落ち込むはずの椎葉、しかし。


「……ははっ」

椎葉の口から漏れたのは、笑い声だった。

「何だよオイ……オイオイオイ……俺の能力を見破るとかよぉ……はじめてだぜ、はじめて……」

笑顔のまま、笑いながら、椎葉は言った。

「おもしれぇ……もっとだ、もっと俺に見せろよ!新しい事をよぉ!」

「……なに?」

「なにじゃねぇよ!ははっ!俺の能力が!見切られて!破られて!あまつさえ攻撃を受けてる!ゾクゾクすんだろ!新しい事がわかるんだぜ!」

その顔は笑顔に満ちていた。

狂ったように狂喜して、椎葉は黒風に向かって叫ぶ。

「数学も!文学も!全部全部つまらねぇ!新しい事なんかなくなっちまってよ……それがなんだ?最っ高だよお前!」

「何が最高だよ……そんな余裕作らすかっ!」

再び、黒風が椎葉に向かい走り出す。

二人の武器が交差し、離れ、また交差する。


切る。


撃つ。


引く。


突く。


受け止める。


よける。


振るう。


穿つ。

「らあっ!……おらっ!この程度かよっ!もっと新しい事をみせろや!」

「ぐっ……まだまだこれからだろっ!」

何十回と銃弾を撃ち、何十回と刀を振るう。

銃弾と斬撃が交差し、火花が散る。

上、斜め左、右、下、フェイント、突き。

椎葉が読み、黒風が裏をつき、千差万別の動きを見せる。

ガァァァアン!

一際大きな音が鳴り、黒風と椎葉の距離が広がる。

「はぁはぁ……すげぇなオイ!最高だぜ!」

息も絶え絶えに椎葉は狂喜を滲ませ黒風に言う。

「はぁ……そうかよ……だけどよ」

しかし。



「そろそろ終わりにさせてもらうぜ」



「……あ?」

黒風が言い、椎葉が聞き返したその時。



「……眠れっ!!!!!」



椎葉の後ろから、少女の声が聞こえた。

(なっ……!?まてよまてよまてよ!たしか、まだいたはずだ、もう1人女が!まさか……このため?まさか、黒風はただの誘導に過ぎない……!?この女の能力を成功させるための布石!!?)

少女の右手には薙刀が。

少女の左手には大盾が。

そしてその衣は巫女のそれ。

それは、翠香の姿だった。

「くっ……そ……がぁ……!」

そして。

怒りを滲ませた顔で、椎葉はその場に倒れた。



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