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神喰い  作者: saku
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第十二話 ケツマク

大きな誤植がありました、申し訳ありません。

バガン!と、凄まじい音が響き、光栄の能力によって地面が隕石でも落ちたようにへこむ。

しかし、黒風はそれを躱す。


「はっ!当たるかよっ!」

そして、手に持つ刃で光栄に斬りかかるが。


ガァン!


「……効きませんよ、そんな攻撃」

黒風の攻撃は弾かれる。


先ほどから、これの繰り返しだった。

黒風が光栄の攻撃を躱し、光栄が黒風の攻撃を弾く。

首、足、腹、眼とあらゆる場所に刃を振るい、突いていったが、刃が光栄に届く事は無い。

ガン!ガン!と言う衝突音は、まるで呪詛の様に鳴り響き、黒風に絶望の二文字を刻んでいく。

焦りと疲労だけが積み重なり、着実に黒風を追い詰めていった。


「チッ……やっぱり効かねぇか……」

何度目かの衝突を終え、黒風は静かに呟いた。


「……遊びは終わりです」


光栄は静かにそう言って、両手を振り下ろした。

黒風は紙一重でそれを躱す、しかし。


「がっ!?」

まるで見えない何かに押し潰されるかの様に黒風はその場に叩きつけられた。

「チョロチョロと逃げ回って……結局、私の能力を見極める事さえ出来ませんでしたね、貴方は勘違いをしている、私の能力は……」

光栄がそこまで言った時。

「……衝撃波じゃない、だろ?」

叩きつけられたままの黒風がそう言った。


「何?」

光栄が怪訝な顔をする。

そして、黒風はそのままはっきりと言った。


「お前の能力は……衝撃波じゃない……お前の能力、それは重力制御、だろ?」

「…………ばれましたか……どこで分かったんですか」

少し驚いた顔で、光栄は黒風に問いかけた。

「ま、それは秘密だ」

その答えを聞いた光栄は、少しイラつき、さらに言葉を紡いだ。

「……確かに私の能力は重力制御ですよ、流石晴明さんが一目置くだけはある、能力を見破った所は褒めてあげますよ、まぁ、無意味ですがね」

「何でだよ?」

「だってそうでしょう?もはや貴方はまな板の上の鯉だ、何も出来ない、避ける事も、逃げる事も出来ない」


確かに黒風は光栄の能力を見破った、しかし、この状況は圧倒的に不利なのである。

しかし、黒風の顔は……笑っていた。


「……避ける事も……逃げる事も必要無い」

「ほう……それならどうすると?」


光栄は、もはや勝利を疑っていない。

その顔は余裕に満ちていた。


「お前を倒す」

しかし、それは黒風も同じだった。

敵に捉えられている、絶望的な状況だと言うのに、その顔は自らの勝利を疑っていなかった。

「はっ!世迷い言を!もういいですよ、貴方のハッタリは飽き飽きだ、最大の重力で叩き潰してあげましょう!」

光栄はそのまま腕を振り下ろそうとした、しかし。


「待たせたな、八無……貫けっ!!」


黒風が、手に持つ日本刀を光栄に向け、そう呟いた。

当然、日本刀では長さが足りないはずだ、しかし。

「……がっ……は……っ!?」

黒風の持つ日本刀の刃は……光栄の身体を貫いていた。

黒風の持つ刃はその長さをあげていたのである。

瞬間、黒風を捉えていた重力が消え去った。

身体を貫かれ、光栄は苦しそうに言う。


「ぐ、ぅ……それが……その日本刀の長さを変えるのが……貴方の能力?しかし……」

しかし、これはおかしい。

腹を刃で貫かれたまま、光栄は黒風に問う。

「しかし……それでも重力が何倍にもなっているあの場所で……私の身体を貫ける筈が無い……」

そう、重力が何倍にもなっているあの場所ではあの日本刀の重さも上がっている筈だ、つまり、あの長さの刃を持てる筈が無いのである。

光栄のその問いに対し、黒風は答えた。

「……簡単だよ、これは刃じゃ無い」

と。

「!?」

驚く光栄を見つめながら、黒風は説明を続けた。

「俺の能力は……影を操る能力だ」

「な……に?」

「この刃は……影で出来てるんだよ」

「……そういう事ですか」

悟った様に光栄は呟いた。

「……お前の能力は二つ、弱点がある」

黒風はそう言って、語り出した。

「一つ目、自身に対する攻撃を跳ね返すのと、周りの重力をあげる、この二つを同時にする事は出来ない……だろ?」

「ご名答ですよ……まだ修行がたりないのでね」

「そして……お前の能力は重さの無いものには意味が無い」

「……ええ、そのとうりですよ」

そう、光栄の能力はあくまで重力制御。

しかし、黒風の影はもともと重さなど無い。

つまり、重さの無いものには重力は働かないのである。


「……少しなめすぎましたかね……仕方ない、今日は引き下がりますよ」

「……逃げんのかよ?」

黒風は挑発する様にそう言った、すると。

「……逃げる?」

光栄の声質が変わった。


「勘違いをしないでください……逃げるんじゃない、引いてあげるんですよ……黒風さん、私が気づいていないとでも思ったんですか?貴方は今限界に近い、当たり前です、神喰いになったばかりでそんなに力を使えばあっという間に限界がくる、それにね……」

そこで一旦言葉を切り、光栄は言った。

「私は今日、実力の一割も出していませんよ……本気でやれば貴方など三秒で消せる」

三秒、しかし、この言葉が嘘では無い事が黒風には分かった。

声で、目で、姿で分かる。

光栄の圧倒的な実力が。

「まあ、今日の所は休んでください……またそのうち、私達……【天照(あまてらす)】も挨拶に行きますよ」

「あまてらす……?」

「それでは、さようなら、黒き蛇とその主よ」

そう言って光栄は文字通りその場から消えた。

まるで最初からいなかったかの如く。

そして、黒風は意識を失った。


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